道教大未来の学び協創センター 複数の視点で見取りを 不登校の課題解決へ意見交換(関係団体 2023-12-22付)
道教育大不登校支援セミナー
道教育大学未来の学び協創研究センターは16日、第18回オンラインセミナー「不登校から考える未来の学び」を開催した。開善塾教育相談研究所所長の藤崎育子氏による講演のほか、シンポジウムでは道教委学校教育局生徒指導・学校安全担当局長の伊藤伸一氏、道教育大特任教授の赤間幸人氏が加わり「今だからこそ再発見!教師の生徒指導力・教育相談の力とは」をテーマに協議。複数の視点で子どもを見取るチーム学校による体制や、家庭訪問における教員の関わりの工夫を確認した。
不登校児童生徒を巡る諸課題について、アウトリーチの充実や教育DXによって解決する方策を探るため開催。
対面・オンラインのハイブリッド形式で約80人が参加した。
道教育大理事・副学長、未来の学び協創研究センター長の後藤泰宏氏による開会あいさつに続き、赤間氏が小・中学校における不登校の状況や国の動向を解説した。
続いて藤崎氏が「不登校から考える未来の学び~アウトリーチの現場から」と題して講演した。
家庭訪問時、子どもの自己肯定感を高め、保護者との信頼関係を構築するポイントを解説。「子どもが大切にしているものを見つけ、話すこと」「顔・外見に関わることに関して触れないこと」などアドバイスした。
「“先生が来てくれた”という事実だけで、子どもに安心感や好ましい変化があることを知ってほしい」と述べた。
シンポジウムでは、藤崎氏と伊藤氏がパネリスト、赤間氏がコーディネーターを担当した。「今だからこそ再発見!教師の生徒指導力・教育相談の力とは」をテーマに意見を交わした。
伊藤氏は、学校を「安心して学べる場所」にするため、授業全体を通して相互理解を深めていく重要性を強調。自身の教員時代を振り返り、一人で抱え込まず周囲の協力を得ること、先輩の教員、校長、スクールカウンセラーなど複数の見立てを重ね、チーム学校で生徒指導に取り組むことの必要性を指摘した。
その上で「若い先生を支えることはもちろん、40~50歳代の先生も立ち返り、みんなで協力できることが大切」と訴えた。
藤崎氏は、家庭訪問における教員の役割の重要性に触れ「様々な条件がある中、最も効果的な方法は先生の関わり。工夫して気持ちを変えるだけで大きな力になる」と述べ、多忙な教員を支援する体制や開かれた学校づくりを一層進める重要性を提起した。
参加者からは「実例に即していて、とても興味深かった」「若い教員や家庭訪問が苦手な先生のため、参考になる資料や書籍があったら教えてほしい」などの感想・要望が寄せられた。
(関係団体 2023-12-22付)
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