道学校保健・安全研究札幌大会　子のＳＯＳに気付いて　小児専門医の山口氏が講演

（関係団体 2023-12-27付）

道学校保健安全大会

　第７０回道学校保健・安全研究大会札幌大会が１１月下旬、札幌市内のホテルノースシティで開かれた。大会主題「生涯を通じて、心豊かにたくましく北の大地に生きる子どもたちの育成を目指して」のもと、基調講演や部会別研究協議などを行い、本道の学校保健活動の充実を図った。

　大会は道教委、日本学校保健会（松本吉郎会長）、道学校保健会（松家治道会長）、札幌市教委、札幌市学校保健会（多米淳会長）の共催。教職員や学校医、学校歯科医、学校薬剤師、ＰＴＡなど、学校保健・安全に携わる約２００人が参加した。

　冒頭、道教委の倉本博史教育長があいさつ。視力低下や肥満、虫歯、メンタルヘルス不調などの健康課題、地震、豪雨災害への対応、熱中症対策などへの指導の充実が求められていることを強調した。そのためにも、学校全体の組織体制整備とともに、学校・家庭・地域が一体となって取り組むことが重要とし「医療機関や関係機関と緊密に連携し、専門性を学校教育に生かす必要がある」と呼びかけた。

　学校保健功労者表彰では、学校医３０人、学校歯科医２８人、学校薬剤師１３人、教職員３人の計７４人が栄に浴した。当日出席した代表者１７人が、松家会長から表彰盾を受け取った。

　道教委の今村隆之健康・体育課長による行政説明のあと、国立成育医療研究センターこころの診療部コロナ×こども本部小児専門医・子どものこころ専門医の山口有紗氏が「コロナ禍と子どものこころ」をテーマに基調講演。子どものウェルビーイングをつくるものは①子ども自身の成長②学校や友達、教師③社会環境―の３つが関わっており「相互作用の中で、それぞれ何ができるかを俯瞰して考えることが大切だ」と説いた。

　コロナ禍によって子どもの生活環境が大きく変化したことで「トラウマに陥りやすい環境になってしまった」と指摘。コミュニケーションによる心身の安全性確保の重要性を示し「子どものＳＯＳに気付く声かけを大人が学んでいくことが大切だ」と訴えた。

　このあと「学校経営と組織活動」「保健管理・保健教育、安全管理・安全教育」「現代的健康課題」の３部会に分かれて研究協議した。

(関係団体 2023-12-27付)