道特長5年度冬季研究協議会 子の可能性を最大限に 行政説明や障がい種別協議も
(関係団体 2024-01-11付)

道特長研究協議会全体
道特長研究協議会全体

 道特別支援学校長会(道特長)は4日から2日間、札幌市内の道立道民活動センターかでる2・7で5年度北海道特別支援学校長会冬季研究協議会を開催した。あいさつした須見千慶会長(高等聾校長)は、中教審特別部会「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」の提言に触れた上で「特別支援学校の役割と位置付けを明確にして、障がいのある子どもたちの個性と可能性を最大限に引き出す教育を実現していきたい」との考えを示した。

 研究協議会は、学校経営上の諸課題および校種別の諸課題について研究協議を行い、会員相互の共通理解と研究の深化を図るとともに、校長としての学校経営力の向上を図ることが趣旨。来賓を含め約70人が参加した。

 初日の開会式であいさつした須見会長は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類となった以降も「特別支援学校では引き続き感染防止に配慮しつつ新たな教育活動への転換など様々な対応が求められ、障がいのある子どもたちの学びと生活を守るために学校が一丸となって取り組んできた」と強調。

 「本年は、昨年までの経験を踏まえて、特別支援教育の在り方について、さらに深く考えていく必要がある」とした上で、中教審特別部会「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」の提言に触れ①障がいのある子どもたちの学びの場の整備・連携強化②特別支援教育を担う教師の専門性の向上③ICT利活用等による特別支援教育の質の向上④関係機関との連携強化による切れ目ない支援の充実―の4点を挙げた。

 道特長として「これらの提言に沿って、特別支援学校の役割と位置付けを明確にして、障がいのある子どもたちの個性と可能性を最大限に引き出す教育を実現していきたい」との考えを示し「そのためには特別支援学校同士の連携や情報交換、他の教育機関や地域社会との連携・協働、教育委員会や行政との対話などが不可欠となる。また、教師の専門性や資質の向上にも研修や研究などを通じて積極的に取り組んでいきたい」と述べ、協力を求めた。

 最後に、道特長が本年度で60年の節目を迎えたことに触れた須見会長は「創立時は盲学校が6校、聾学校が8校、養護学校が5校の19校だったが、昭和54年に養護学校が義務化となり、創立60年の本年度は、道内の国公私立の特別支援学校は73校となった」と説明。その上で「尽力をいただいた多くの方々に感謝の思いを伝えるとともに、今後の北海道における特別支援教育の充実・発展に寄与していくことをあらためて自覚し、今後も引き続き精進していきたい」との思いを語った。

 このあと道教委特別支援教育課およびICT教育推進課所管の行政説明が行われ、まず特別支援教育課の大林盟課長補佐が、実習用設備やICT関連など特別支援教育企画係の所管事項について説明。

 特別支援教育指導係の所管事項について説明した仙北谷逸生課長補佐は、特別支援教育に関する基本方針、入学者選考検査、個人情報の取り扱い等に関わり、課題や留意事項などの共有を図った。

 研究協議会では、佐古勝利教育指導監が「学校経営の充実を目指して」と題して講話。「学校経営方針の提示」「組織づくり」「地域との連携・協働」「危機管理」の4つの観点から、学校訪問を踏まえて収集した効果的な学校の事例を紹介した。新しい研修制度の導入に向けた研修会の開催など積極的な取組が進む中、十分な時間の確保とともに、教員一人ひとりが期待感・取組意欲が持てる組織体制や内容・方法の工夫の必要性を示した。

 続いて2日間にわたり研究部会別、障がい種別、グループ別等の研究協議や情報提供が行われた。

(関係団体 2024-01-11付)

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