道教委　５年度就業状況調査　就職者　休日取りやすく　企業側の回答傾向と相違

（道・道教委 2023-12-20付）

道教委・５年度就業状況調査（クリックすると拡大表示されます）

　道教委は、５年度就業状況調査の結果をまとめた。離職者が、早期離職を防ぐために会社が取り組んだら良いと思うものについて「休日を取りやすくする」が１０・７％で最多。一方で、企業側は、早期離職防止に会社として大切だと考えていることに「上司によるフォローアップ体制の整備」を最も多く挙げ、就職者と企業側で回答の傾向に相違がみられた。

　調査には、道教委の「就職指導の改善に関する研究」の本年度研究指定校６校の直近３ヵ年の就職者４３６人（回答者１５６人）のうち、離職者４３人と、離職者が勤務していた企業の担当者が回答した。

　卒業時に就職した企業に在籍している者の割合は、５年３月卒が８２・４％、４年３月卒が７１・４％、３年３月卒が６３・３％。

　早期離職防止に、高校でも取り組むことが大切なものについて、就職者の２８・７％が「受験前に職場見学にいくこと」と回答。「就職に対する意識を早く高めること」が１６・０％、「インターンシップ等の体験活動を重視した指導を行うこと」が１０・２％と続いた。

　就職者が思う高校で身に付けるべき資質・能力は「コミュニケーション能力」が２２・３％で最多。次いで「言葉遣いやマナー、身だしなみ」１３・５％、「勤労観・職業観等の価値観」１０・４％などとなった。

　一方、企業側が高校までに身に付けてほしいものは「意欲を持って取り組む態度」が２１・９％、「前向きに考える力」が１４・１％、「コミュニケーション能力」が１２・５％の順に多く、就職者と企業側で回答の傾向に相違がみられた。

　就職者が早期離職防止に会社が取り組んだら良いと思うものは「休日を取りやすくする」が１０・７％で最多。「若者が職場で話しやすい雰囲気をつくる」が９・８％、「給料水準を上げる」「仕事とプライベートが両立できるようにする」が９・５％で続いた。

　一方、企業側が早期離職を防ぐために会社として大切だと考えていることは「上司によるフォローアップ体制の整備」が２６・５％で最多。次いで「若者が職場で話しやすい雰囲気をつくる」「企業内訓練を実施する」が１７・６％の順に多く、こちらも両者の回答傾向に相違がみられた。

　勤務していた会社を離職した理由（就職者）・就職者が離職した理由として会社が認識していること（企業）をみると、いずれも「職場の人間関係がうまくいかない」との回答が多い。一方で、離職した４３人のうち、離職理由が企業の認識と全て一致した人は２人、一部一致した人は４人、企業の認識と一つも一致していない人は３７人となった。

　道教委は早期離職減少へ、来年１月１９日に就職内定者サポートセミナーをオンライン開催する予定。

(道・道教委 2023-12-20付)