【解説】半導体人材の育成・雇用へ目標値

（解説 2023-12-26付）

　道は北海道半導体関連産業振興ビジョン素案をまとめ、２２日の第３回有識者懇話会で示した。半導体人材の育成に向け教育機関と連携して教育内容の充実、認知度向上を図る方針を明記。半導体関連企業の雇用者数を現状の約２倍に増やすほか、道内理工系大学・高専の就職率を徐々に引き上げる目標を示した。

　ビジョンは、ラピダス社の立地を契機に半導体の製造、研究、人材育成が一体となった複合拠点の実現と本道の産業振興等に結び付ける指針となるもの。計画期間は６～１５年度の１０年間で、当初５年間を重点期間に位置付ける。

　素案では新たに、半導体やデジタル関連産業の集積を加速し、全産業へのＤＸ展開を進める「北海道デジタルパーク」構想を提唱。①半導体関連産業の集積②イノベーションの創出③人材の安定供給④地域経済の活性化―の４つの方針を掲げ、教育機関と連携したセミナーや体験イベントを開催するなど、若年層に対する認知度の向上を図る。

　また、ＩｏＴ、ロボティクスなどの先端技術を有するデジタル人材の育成を進め、道内半導体関連企業への就職を図る企業説明会を開催するほか、国内外から呼び込む技術者の子女に対する教育環境の整備についても検討する。

　各施策を実現するための目標値も掲げ、半導体関連企業の雇用者数を現状の２１９７人から１０年後までに４３００人に引き上げ。道内理工系大学・高専の卒業者の道内の就職率を、現状の４０％から年度ごとに引き上げるとした。このほか、大学・高専における半導体に関する産学連携数に関する目標を設け、理工系人材が道内で活躍する環境を整備する。

　６年１月上旬にパブリックコメントを実施し、１定道議会でビジョンの案を示す予定。３月に策定する。

(解説 2023-12-26付)