【解説】教員養成大の教員就職率

（解説 2024-01-09付）

　文部科学省は国立の教員養成大学・学部、国私立の教職大学院の５年３月卒業者・修了者の就職状況をまとめた。国立の教員養成大学・学部卒業者の教員就職率（大学院への進学者と保育士への就職者を除く、以下同じ）は６７・８％で３年連続上昇。国私立の教職大学院では１・９ポイント下降し９０・４％となった。

　国立の教員養成大学・学部の卒業者数は１８６人減の１万１２１９人、教員就職者数は１人減の６８５０人。教員就職者は前年と比べ正規採用が２９６人増加した反面、臨時的任用が２９７人減少している。

　卒業者の教員就職率（大学院への進学者と保育士への就職者を除く、以下同じ）は平成２４年の７０・８％から下降傾向にあったが、２年の６４・４％から上昇し、５年は０・９ポイント上昇して６７・８％に。

　教員就職率が増加した大学は４４大学中２４大学。これらの大学では、教育委員会と連携した教員志望者確保の取組や、教育実習・模擬授業の充実、個別指導による試験対策、教員採用試験の不合格者に対するフォローアップなどを実施していたことが分かった。

　国私立の教職大学院の修了者数は８１人増の１０５０人、教員就職数は５５人増の９４９人。うち正規採用は７３人増、臨時的任用が１８人減。

　母数となる修了者数と教員以外の就職者数の増加によって、教員就職率は１・９ポイント下降して９０・４％となった。道教育大学では０・３ポイント上昇して９４・１％と全国平均を上回っている。

　教職大学院修了者の高い教員就職率に関して文科省は、実務家教員を中心とした学生の進路希望に応じた組織的なキャリア支援や、勤務校と連携した指導助言のフォローアップなど、出口を見通した取組が寄与していると分析している。

(解説 2024-01-09付)