【解説】能登半島地震　文科省の対応

（解説 2024-01-11付）

　元日、石川県能登地方でマグニチュード７・６、最大震度７の地震が発生した。文部科学省がまとめた同省関係の被害状況（９日１１時時点）によると、新潟県、富山県、石川県の３県を合わせて公立学校５２５校、社会教育・体育・文化施設等２８３施設などに物的な被害が発生。また、被害の影響を受け、石川県で８６校、富山県で１４校、新潟県で２校の計１０２校が休校の措置を取った。

　文科省は３日、能登半島地震の影響を踏まえた大学入学共通テストの実施について、大臣メッセージを公表。１３、１４日の共通テストを受けられない志願者向けの追試験が受験可能となるよう特例措置を講ずるとともに、被災者が受験しやすいよう被災地の大学等と連携し、追試験会場を設置すると明記した。

　４日には、被災した子どもたちが安全・安心な環境の中で学校生活を送ることができるよう、被災地域の児童生徒等の安全確保に係る留意点について通知。また、７日には被災地域の児童生徒等の就学機会の確保等に向けて、就学援助等について弾力的な対応を行うことやＩＣＴ等を活用した学習指導を行うことなどできる限り学びの継続に努めること、心のケアを含む健康相談等の充実に努めることなどについて教育委員会等に通知を発出した。

　盛山正仁文科大臣は９日の閣議後記者会見で、追試験会場を金沢大学角間キャンパスに決定したことを発表。会場の収容人数について「今後の状況の変化を踏まえながら必要な人数を受け入れることができるよう準備を進めていく」とした。

　「引き続き被災地のニーズ等を踏まえつつ、関係機関ともよく連携しながら児童生徒との安全確保や就学機会の確保に向けて被災者に寄り添った支援に全力を尽くしていく」と述べた。

(解説 2024-01-11付)