庁内全体で政策理解を 部活動の地域移行へ道教委 長与町等先進自治体と意見交換
(道・道教委 2024-01-23付)

 道教委は17日から2日間、部活動の地域移行の先進地域である長崎県長与町教委などとの意見交換を行った。受け皿となる団体や財源の確保をはじめ地域移行の課題解決の方策を共有。将来を見据えた地域のスポーツ、文化・芸術環境の構築に当たり、庁内全体でまちづくりの政策を共有する体制や、制度創設期における教育長のリーダーシップの重要性が指摘された。

 意見交換は道外の先進的な地域移行の情報を収集するため実施したもので、5年10月に行った沖縄県うるま市に続いて2回目となる。

 道教委の部活動改革推進課の三浦利章主幹、胆振教育局教育支援課の井上尚也教育支援係長のほか、岩見沢市教委学校教育課の部活動コーディネーターを務める杉原賢氏、道教委のアドバイザーを務める一般社団法人SLDIの辻本智也代表理事が現地を訪問した。

 一行は初日に長与町役場、2日目に佐賀県庁で教育委員会との意見交換を実施した。

 初日は長与町の金﨑良一教育長が地域移行の状況を説明。スポーツクラブが受け皿となり5年度から休日の全ての運動部活動を地域へと移行したこと、寄付や企業版ふるさと納税を活用して財源を確保していることを伝え、会計処理の一本化によって教員の負担が減少するなどのメリットも紹介した。

 続いて意見交換。金﨑教育長は制度の創設期におけるポイントとして「保護者や地域住民への丁寧な説明」「庁内の組織体制」「調整役を担う人員配置」の重要性を伝え「取組が始まる前の9割は批判の声だったが翌年度はなくなった。保護者に上手に説明して取組の趣旨を理解してもらい、最初を乗り越えることが大切になる」と述べた。

 取組を推進する教育長のリーダーシップの重要性も確認し「地域住民の話を聞きつつ、進むべき部分はぶれさせないなどリーダーの意思決定や行動が必要になる」「初年度は何をしても風当たりは出てくるが追い風もある。つぎの世代に何かを残す意欲が必要」などと意見を交わした。

 教員の兼職兼業に向けた取組についても共有。域内の市町村に働きかける広域自治体の役割の重要性が指摘された。

 生徒の移動手段の確保に向けた取組として長与町からは、レンタカー業者から在庫の余ったマイクロバスを格安で購入し、他の部局でも活用を検討していることを説明した。

 出席者からは、自治体全体で人材や物品の活用を模索する「シェアリング」の発想の重要性を叫ぶ声が上がり「まちの政策を把握した上で取組を進めることは重要な観点。地域の30年、40年後の戦略につながる」などの意見が出された。

(道・道教委 2024-01-23付)

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