がん教育の北海道モデル構築へ　南陵高、本別中が報告　経験者の声　生徒の心に

（道・道教委 2024-01-31付）

　道教委は２３日、第３回がん教育実践校授業検討会議を開催した。札幌南陵高校、本別町立本別中学校が外部講師を招いたがん教育の実践を報告。がんの経験者や医療関係者による講演による成果を示し、授業内容の一層の充実に向けて意見を交わした。

　文部科学省の委託を受けて平成２６年度から取り組んでいる「がん教育等外部講師連携支援事業」の一環。本年度は本別中、厚沢部町立厚沢部中学校、羽幌高校、札幌南陵高の４校が実践校、小樽市立長橋中学校、別海町立中西別中学校が協力校となり、学習指導要領に対応した実践研究や公開授業などに取り組んでいる。

　会議には実践校の教諭や養護教諭、教育局の指導主事計９人が参加した。

　はじめに札幌南陵高の吉田圭佑教諭が昨年１２月に実施したがん教育の実践を報告。がん発覚後の家族との話し合いや復帰に至る過程などの体験談に大きな効果があったことを伝え「現実に自分事として受け取めるとともに、幸福感について考えを深める授業となった」と報告した。

　本別中の近藤一広教諭は、病院長からがんの扱いや患者との対応など医療現場について語ってもらったことで生活習慣の重要性を実感する声が寄せられたことを報告。高校段階との接続を今後の課題とし、次年度に向けて関係者と調整する必要性を示した。

　続いて指導計画を持ち寄り、授業内容により磨きをかけるため意見を交わした。

　最後に新潟医療福祉大学健康スポーツ学科の杉崎弘周教授が助言。協議内容の充実や情報共有の工夫など会議の質が高まっていることをたたえ「北海道ならではのがん教育の独自性が引き出されている。指導計画や授業を脈々と受け継ぎ、各学校・地域で持続的ながん教育を目指してほしい」と期待した。

(道・道教委 2024-01-31付)