札幌市 6年度当初予算案 エアコン整備に14・8億 いじめ防止へ心の健康観察
(道・道教委 2024-01-31付)

 札幌市は30日、6年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は前年度肉付け補正後と比べ0・2%減の1兆2417億円。新型コロナウイルス感染症の関連事業費が減少したことなどで過去2番目の予算規模となった。教育費には、学校施設新改築費の増額などによって16・0%増の667億3600万円を計上。一般会計に占める構成比は5・4%となった。新規事業をみると、学校施設冷房設備整備に14億7600万円を措置。市立幼稚園・学校100校程度で普通教室等へのエアコン整備に着手する。また、いじめ対策の強化として総額4億4100万円を充て、小学校におけるスクールカウンセラー(SC)の配置時間拡大、1人1台端末を活用した「心の健康観察」の導入などを盛り込んだ。

 教育委員会の新規事業をみると、学校施設冷房設備整備に14億7600万円を積み上げた。9年度までに全市立幼稚園・学校の普通教室等に整備するルームエアコンについて、6年度は100校程度で整備に着手し、7年度までに完了させる考えだ。

 ルームエアコン整備までの措置として全園・校の普通教室・特別支援学習室に移動式エアコン3864台を整備するほか、7年度以降のルームエアコン整備をPFI方式で発注するためのアドバイザリー業務委託の費用も盛り込んだ。

 また、教育支援センターにオンラインコースやサテライトを開設する不登校児童生徒のための新たな学びの場整備に1900万円、教育ダッシュボードの導入について効果を検証する教育データの利活用推進検討に200万円を充てた。

 拡充事業をみると、3年に市立中学校で発生したいじめ重大事態を踏まえたいじめ対策関連では、小学校におけるSC配置時間をこれまでの1校当たり年間69時間から140時間に拡大するため、3億1700万円を措置。スクールソーシャルワーカー(SSW)については、市内5エリアを3人ずつで巡回する体制に強化するため6800万円を充てた。

 いじめ対策・自殺予防費では、新たに1人1台端末を活用した「心の健康観察」の導入に向けて4100万円、部局間での個別データ連携に向けた調査研究を行うため200万円を積み上げた。

 このほかの拡充事業として、6年度から導入予定のコミュニティ・スクール推進に430万円、外国語指導助手(ALT)の増員に8億1400万円などを積み上げた。

 子ども未来局では新規事業として、小学校高学年を対象に企業訪問型の子どもの職業体験活動推進に630万円、児童福祉施設等に入所している子どもに対し意見表明等支援員(アドボケイト)の派遣などを行う子どもの意見形成・表明支援に330万円などを盛り込んだ。

(道・道教委 2024-01-31付)

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