【解説】学力調査CBT 習熟必要
(解説 2024-02-09付)

 全国都道府県教育委員会連合会(浜佳葉子会長)は、7年度以降の全国学力・学習状況調査のCBTでの実施に当たり、文部科学省に対する意見をまとめた。動画、音声、表計算機能など様々な問題形式に対応できるよう、児童生徒が体験する機会を設けるなど、習熟を図る対策を求めた。

 文科省は学力調査のCBT化を順次進め、5年度は中学校の英語「話すこと」調査や生徒質問紙調査の一部をCBTで実施。6年度は児童生徒質問紙調査をCBT化する。

 7年度は中学校の理科をCBT化し、児童生徒ごとに異なる問題を割り当て、問題の特性に応じて点数を算出する項目反応理論(IRT)を活用する。調査日を複数設定することでネットワークのトラブルの回避を図る。

 都道府県教委連はCBTに慣れていない児童生徒が解答できない可能性があることを懸念し、事前に練習機会を設けるなど出題形式の周知徹底を要望。教育委員会や教員の負担を避けるため、端末の設定や事前確認などの業務内容の整理を求めた。

 また、のちの児童生徒の学習理解や指導の改善に活用できるよう、CBT化で得たデータと収集した分析方法・分析事例を教育委員会に提供するよう要望。校内のデータ使用量の一層の増加が予想されることから、通信事業者に対し光回線の補強などの対策を講じるよう求めた。

 7年度の問題では特別な配慮が必要な児童生徒に対応するため、拡大文字、ルビ振り、時間延長に対応したプログラムを作成する予定となっているが、文字を拡大表示すると小さな画面では全体を表示できない可能性もあるという。このため、特別な配慮を必要とする児童生徒が大きな画面の端末を使えるよう必要な財政措置を求めた。

(解説 2024-02-09付)

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