【解説】入試制度対応の実践事例(解説 2024-02-14付)
教科「情報」や数学Cが加わる6年度大学入学共通テストまで1年を切り、入試制度に対応する高校の動きが広がっている。
札幌北高校では「情報」に対応して資質・能力の向上を図る授業を4年度から指導。受験指導に偏らず実習を中心とした手法で生徒の観点別学習評価を適切に評価する体制を整備した。各学校でも取り組める汎用性の高い内容となっており、大学入試センターの問題を活用して確認した結果、特にプログラミング、データ解析、ネットワークの問題で高い学習成果を上げていることが分かった。
一方、授業内容だけで問題を説く難しさなどの課題もあり引き続き授業の工夫改善が必要としている。広域分散な本道では免許所有者の未配置校の存在や地域的な偏りも課題となっており、校内体制の整備が急務となっている。
総合的な探究の時間の充実に向けた教育課程の工夫改善を図り、地域課題の解決に向けた学習や生徒自身の活動履歴を生かして主体的な取組を進める高校も現れている。
当別高校は地学協働による組織的な取組を展開し、生徒自ら企画して事業者の課題解決を図る活動を支援する体制を整備。旭川東高校の総合的な探究の時間「旭東アカデメイア」は、1年次は問題解決と価値創造、2年次は独自のテーマに基づいて研究を進め、蓄積した活動履歴によって主体性に基づく資質・能力の向上に努めている。
多様化する年内入試の入学者定員は増加傾向で、4年度は全国で半数以上に。コロナ禍を経て生徒・保護者の価値観に変容が見られるとの関係者の声もある。
道高校長協会調査研究部高大接続小委員会は「年内入試には明確な志望動機と入学後のビジョンが不可欠」とし、各校の実践を参考とするよう期待する。
(解説 2024-02-14付)
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