【解説】いじめ再調査の分析開始
(解説 2024-02-02付)

 文部科学省とこども家庭庁は1日、いじめ防止対策協議会をオンラインで開催し、いじめ重大事態調査における標準的な調査事項、結果の説明・公表の在り方などを審議した。いじめ再調査には様々な事例があることから、ワーキンググループにおいて調査の内容分析を開始する方針を確認。引き続きいじめ重大事態調査のガイドラインの改定に向けた検討を進める。

 いじめ重大事態の4年度発生件数は923件と過去最多を記録。国は本年度から重大事態調査報告書の分析を開始し、適切な調査の運用や対策の改善・強化を図るとともに、調査のガイドライン見直しに向けた検討を進めている。 

 出席者は、自殺や不登校の関係性を明らかにすることが求められる一方、発言者の秘匿性・独立性が担保されず捜査権のない調査で事実を究明することの困難さを指摘し「調査の限界をガイドラインに明記し、関連性が分かるものではないこと、民事・刑事につながるものではないことを示すべき」と意見した。

 調査期間の設定に当たっては、進学・進級に影響を及ぼす不登校の児童生徒を対象とするよう提案し「“進学・進級までの間、可能な限り速やかに一定の取りまとめをする”ことが目安になるのではないか」と述べた。

 再調査に関しては新しい事実が判明したケース、人選の公平性・中立性、調査自体の必要性に疑義があるケースもあることから、今後ワーキンググループにおいて再調査に至った要因を分析する方針を確認した。

 このほか「“被害・加害児童生徒両方の個別対応の充実”が再発防止の根幹。卒業後もいじめない、いじめられない未来志向の対応を学んでほしい」「小規模の自治体では指導主事が1人という教育委員会も多い。広域自治体による支援が必要」と意見した。

(解説 2024-02-02付)

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