【解説】4・7・10月の自殺者増加
(解説 2024-01-25付)

 令和5年の全国の小中高生の自殺者数は昨年11月時点の暫定値で439人(前年同期470人)となったことが厚生労働省の調査で分かった。前年と比較すると4、7、10月の自殺者数が増加しており、直近5年で過去最多となっている。

 22日の第6回こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議で明らかにしたもの。小中高生の自殺者数は、増加傾向が続き、令和4年は514人と過去最多を記録。国は昨年4月、こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議を設置し、有識者・当事者からのヒアリングをもとに「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を策定し、各省庁がプランに基づく施策を進めている。

 各省庁の動きをみると、文部科学省は1人1台端末を活用して心身の変化を把握する「心の健康観察」の導入を計画。6年度は10億円を投じてモデル構築に取り組む。モデルとなる教育委員会において検討委員会を設置して活用するICTツール、把握する情報、対応ルールなどの方針を定める事業を構想している。

 厚労省は「若者の自殺危機対応チーム」を都道府県等に設置し、自殺未遂歴や自傷行為の経験等がある若者などの対応に関する助言等を行うモデル事業を拡充。運営に関するガイドラインの策定を含め、実施自治体に対して指定調査研究等に必要な支援を行う。

 こども家庭庁では、警察や消防、学校、教育委員会、地方自治体などが保有する自殺に関する統計・関連資料を集約し、多角的な分析を行うための調査研究を実施。実態解明や分析に当たっての課題把握に取り組む。

 悩みを抱える人に寄り添う「ゲートキーパー」の重要性も高まっている。いのち支える自殺対策推進センターは自治体職員向けのeラーニング教材を作成し、活用を促している。

(解説 2024-01-25付)

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