3人3団体に栄誉 胆振局 管内教育実践表彰 (道・道教委 2024-03-14付)
室蘭旭ヶ丘小・平野教諭
【室蘭発】胆振教育局は、5年度管内教育実践表彰の受賞者を発表した。個人では、ICTを効果的に活用し児童の体力向上を目指した実践的な取組の充実に努めた室蘭市立旭ヶ丘小学校の平野篤史教諭ら3人が受賞。団体では、4年度から5年度にかけて全道へき地複式教育研究大会を開催し、研究の成果を広く発信した胆振へき地・複式教育連盟など3団体が栄誉に輝いた。
受賞者および功績概要はつぎのとおり。
◆個人
▼平野篤史教諭(室蘭市立旭ヶ丘小)=体育指導の充実
児童の体力向上を目指した実践的な取組を充実させたほか、体育科指導の改善に努め、創意工夫に満ちた教育活動を展開。ICTを効果的に活用し遅延カメラで自分の運動の様子を撮影させたり、課題に向き合い解決するための「学び直しの時間」を設けたりして、児童が自ら解決し技能を身に付けるための授業改善に取り組んだ。
このほか、簡単な運動を気軽にできる「体力向上コーナー」を設置し、児童が興味のある運動を自由に楽しむことができる環境を整えるなど、児童の体力向上に大きな成果を上げた。
また、研修会の授業者として成果を広く発信するなど、管内の体育指導発展の中心的な役割を果たした。
▼山内由起子教諭(苫小牧市立澄川小)=特別支援教育の充実
管内特別支援教育リーダー教員として、児童の障がいによる学習上・生活上の困難を改善・克服し自立を図るための指導について実践や研究を推進。通級による指導等の授業公開や校内の支援体制の整備に係る実践発表を行うなど、特別支援教育に関わる教員の専門性の向上に貢献した。
また、苫小牧市通級による指導ハンドブックの作成に関わり、児童の実態把握から授業づくりの視点などについて具体的な事例を挙げて解説するなど、本資料の充実に尽力。同資料は通級による指導を担当する教諭に広く活用されており、管内の特別支援教育の充実に大きな成果を上げた。
▼志田健教諭(白老東高)=地学協働体制の確立
令和元年から「高等学校OPENプロジェクト」および「北海道CLASSプロジェクト」において中心的な役割を果たし、同校の地学協働体制を確立。併せて、実践成果を積極的に発信し、管内の地学協働活動の推進に大きく貢献した。
地域素材・地域人材を活用した多文化共生や地域創生に向けた探究活動などを積極的に取り入れた学校設定科目「地域学」の開発に取り組み、地域社会を担う人材育成を充実させた。
特に、名古屋外国語大学地域創生科目との合同調査研究プログラムの実績は、全学連携へと向かわせ、高大教育連携協定の締結に至った。
また、仙台藩白老元陣屋資料館との協働指導体制による全1年生対象の調査・研究・発表学習を運営し、高校生ガイドの育成に発展させ、探究的な学びを支える地学協働による新たな学びスタイル「研究機関一体型学習形態」を構築するなど、地学協働体制の確立に大きな成果を上げた。
◆団体
▼豊浦町立大岸小(南正彦校長)=ふるさと教育の推進
地域の声や地域素材・人的素材を学校運営に取り入れ「地域と共にある学校づくり」を活性化させるため、「じもと発見プロジェクト」としていちご農家まるごと体験や1日防災学校、カムバックサーモン@豊浦などの取組を実践。活動を通して地域住民等と連携を深め、児童の体験、学習を充実させるとともに、郷土愛を高めるなどふるさと教育の推進に大きな成果を上げた。
▼胆振へき地・複式教育連盟(委員長・前田道弘白老中校長)=へき地・複式教育の充実
小規模校ならではの学校・学級経営や授業づくりを推進。併せて、研究推進委員会による加盟校相互の実践交流や、研究の取りまとめを行い、実践の成果の普及・啓発を行っている。
小規模校における個別最適な学びや協働的な学びの充実のため、児童が主体的に学ぶことができる学習の基盤づくりや、近隣の学校とオンラインでつながる合同遠隔授業の実施など、積極的に授業改善に取り組み、教職員の指導力向上へとつなげた。
また、4年度から5年度にかけて全道へき地複式教育研究大会を開催し、研究の成果を広く発信するなどへき地・複式教育の充実に大きな成果を上げた。
▼ピノキオ読み聞かせの会=読み聞かせを通じた子どもたちの豊かな心づくりの取組
約40年にわたりボランティア活動として、小学生を対象に本の読み聞かせを行ってきた。子どもたちが楽しみながら参加できるよう、季節に合った選書や手遊びなどの活動を取り入れるなど、工夫しながら町内三つの小学校やあぶた読書の家、湖人祭り等で活動し、長年にわたり、子どもたちの豊かな心づくりに大きく貢献した。
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苫小牧澄川小・山内教諭
白老東高・志田教諭
豊浦大岸小
胆振へき地・複式教育連盟
ピノキオ読み聞かせの会
(道・道教委 2024-03-14付)
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