特セン ハンドブック活用セミナー 校長が方向性示して 道文教大・村田教授が講義等
(道・道教委 2024-04-08付)

小・中学校の管理職のための特別支援教育ハンドブック活用オンラインセミナー
小・中学校の管理職のための特別支援教育ハンドブック活用オンラインセミナー

 道立特別支援教育センターは3月27日、オンラインで小・中学校の管理職のための特別支援教育ハンドブック活用オンラインセミナーを開催した。北海道文教大学人間科学部こども発達学科の村田敏彰教授による講義や、鼎談型の意見交流を実施。ハンドブックを活用した学校経営や教職員の専門性を高める方策を探った。

 小・中学校の管理職のための特別支援教育ハンドブックは、5年度に道教委と道特別支援教育振興協議会が共同で作成したもの。学校経営や校内支援体制の構築に向けたポイントを整理し、児童生徒が安全・安心に学べるきめ細かな学校経営を進めることや、あらゆる機会で特別支援教育の理解の推進を図る必要性などを示している。

 セミナーは、学校経営において、特別支援教育を一部の教職員が担当する「特別」な教育と捉えるのではなく、全ての教職員が携わり推進すべきとの認識のもと、校内体制を整備する際の参考として、同ハンドブックを活用し、一人ひとりの可能性を引き出す教育を一層推進することを目的に初開催した。

 はじめに、道教委特別支援教育課の山内功課長補佐がハンドブックへの思いを語った。

 ハンドブックを活用した管理職から「保護者・関係機関との連携や初期対応の重要性をあらためて確認することができた」「図示や実践資料などから系列的に配置され、個人的に曖昧にしていた点などが整理でき、非常に勉強になった」などの声が寄せられていることを紹介。また、ハンドブックを通して、特別支援学級の適切な運営や特別支援学級の教育課程の編成・実施に対する思いなどを語った。

 引き続き、村田教授が「ハンドブックから、学校経営を考える」と題して講義。ハンドブックの構成に触れた上で、特別支援教育の重要性を教職員等に伝える上で必要となる根拠や国の動向などを説明した。

 また、校内支援体制の構築に向けたポイントとして①学校経営方針に基づき、特別支援教育を推進する②通常の学級に在籍する児童生徒の多様な実態を幅広に捉え、授業改善や環境の調整に向けた取組につなげる③教職員の特別支援教育に関する専門性向上を進める④児童生徒の「学びの場」の提供と柔軟な見直し⑤個別の教育支援計画と個別の指導計画の作成・活用を意味付ける―の5点を提示。特別支援教育を「特別」な教育ではなく、日常の業務と関連付けて推進するために校長が方向性や具体的なアイデアを示す重要性を示した。

 このほか、特別支援学級の教育課程の基本的な内容や通級による指導の概要等について解説した。

 このあと、山内課長補佐、村田教授、同センターの今井章文所長(当時)の3人による、ハンドブック活用に係る鼎談型意見交流を実施。

 「教職員の専門性を高めるために、どのような取組が考えられるか」「管理職として校内委員会の充実を図るために、どのような視点が考えられるか」の二つを話題に熱い討論を交わした。

 同センターでは、当日の鼎談の様子を撮影した動画を5月13日まで配信しており、現在、視聴の申し込みを受け付けている。申し込みは2次元バーコードから。

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(道・道教委 2024-04-08付)

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