インクルーシブな学校運営へ 特支中高 連携でモデル事業 七飯、中札内・更別で研究開始 道教委
(道・道教委 2024-04-16付)

 道教委は本年度から3年間、文部科学省委託事業「インクルーシブな学校運営モデル事業」を実施する。条件の異なる地域をA地域とB地域の2地域に分類し、それぞれ教員の専門性向上等に向けた実践研究を推進。A地域に七飯養護学校と七飯町立七飯中学校、B地域に中札内高等養護学校と更別農業高校を指定し、特別支援学校と中学校等を一体的に運営するポイントを「授業づくり」「体制構築」の二つの側面から明らかにする。

 事業は、広域分散で小規模校の多い本道の特徴を踏まえ、隣接型の研究を通して、交流および共同学習を発展させた柔軟で新しい授業の在り方と現行の教員配置にこだわらない専門性を高めた授業の体制構築を目指すもの。

 学校段階や設置者など条件の異なる2地域を指定し、従来の対面に加え、オンライン交流の充実を図る上で、教育課程の位置付け、教員の専門性向上等の側面から実践研究を行い、インクルーシブな学校運営モデルを行う上での相違点を明らかにする。

 A地域には、七飯養護と七飯中、B地域には中札内高等養護と更別農業高を指定。各地域には、資質・能力、実績を兼ね備えた地域事情に詳しい人材をカリキュラムマネージャーとして選任し、特別支援学校と中学校等を一体的に運営するポイントを「授業づくり」「体制構築」の二つの側面から明らかにしていく。

 授業づくりに関して、1年次目は、A地域の七飯養護中学部1学年と七飯中1学年を対象に地域における既存の取組や奉仕活動を展開。七飯養護の生徒の作品を町内の公共施設に展示する「七養☆アート」に向けた共同制作・出展、地域の清掃活動、花壇整備などに取り組む。

 B地域では、中札内高等養護2学年と更別農業高農業科生徒を対象に、地域行事への参画を通じた交流を実施。村フェスタへの出品に向け、両校生徒による商品開発、加工、販売などを行う。

 2年次目は、複数の単元における交流・共同学習を試行するほか、各教科等におけるICT交流を含めた継続的な交流などを推進する。

 3年次目には、事後アンケートを実施するほか、隣接型における発展的な新しい授業づくりについて教育課程の位置付けおよび多様な学びの場の間をつなぐ教育課程などを提案する。

 体制構築に関して、1年次目は、主に初任段階教員を対象とした互見授業や合同校内研修会などを展開。2年次目は、指定校教員の相互乗り入れによるチーム・ティーチングの本格実施や乗り入れ教員の勤務実態、持ち時間数等の検証を進める。

 3年次目は、事後アンケートのほか、隣接型において立体的な学校運営を行う上での体制構築に関わるポイントや教員を計画的に育成するための方策などを提案する。

 事業終了後の8年度末には、今後の学校づくりの在り方を「インクルーシブな学校運営の手引」としてまとめる。

(道・道教委 2024-04-16付)

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