熱中症予防徹底へ道教委

（道・道教委 2024-04-30付）

熱中症予防徹底へ道教委

校内研修用資料を作成

暑さ指数計測など留意点

　道教委は熱中症対策のための校内研修資料を新たに作成した。熱中症の症状や暑さ指数（ＷＢＧＴ）計使用のポイント、児童生徒や運動の状況に応じた留意点を整理。校内で熱中症対策の共通理解を図ることができる。

　昨年５月２５、２６日、十勝管内の学校で熱中症とみられる症状で児童生徒計２０人が緊急搬送される事案が発生。近く熱中症の危険性が高まる時期を迎えることから、教職員の理解促進を図る参考資料として作成した。

　資料では熱中症防止に当たっての留意点を環境・児童生徒・運動の各観点から示し、肥満傾向や体力の低い児童生徒には特に注意すること、発汗には時間が必要であるため徐々に暑さに慣れさせる工夫の大切さを取り上げている。

　また、水分補給の目安や教室・校外の授業時における熱中症対策を記載。各教室・体育館に暑さ指数計を設置し、いつでも数値が分かるよう職員室、児童玄関、グラウンド近辺に記録している小学校の例など、道内の取組事例も取り上げている。

　道教委は同資料と合わせ、各学校の課題を整理して改善に取り組む「重点項目チェックリスト」、児童生徒が熱中症を発症した場合の緊急対応を確認できる「フローチャート」を道内の関係者に周知。全ての教職員の共通理解を図った上で、自校の熱中症対策の確認を呼びかけている。

◆家庭・地域に啓発　今夏の変更点周知

　道教委は、保護者・地域住民向けに学校における暑さ対策に関するリーフレットを作成した。暑さ指数３１以上での運動中止、長期休業期間の取り扱いなど今夏から変更となる事項を示しており、理解と協力を呼びかける。

　道立学校では今夏から休業期間の総日数を５０日間から５６日間に延長したほか、夏・冬で定めていた「２５日以内」の規定を削除し、総日数の範囲で弾力的な取り扱いが可能であることを明確化したことを示した。

　また、暑さが予想される日には大きめの水筒の持参を検討してもらうことや、気象庁による熱中症警戒アラートが発表された場合に学校は臨時休業の実施を検討し、児童生徒や保護者に連絡することを伝えている。

(道・道教委 2024-04-30付)