道教委 5年度体力調査報告書 小学校 6管内で全国超 授業改善など改善へ方向性(道・道教委 2024-04-26付)
道教委は5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版報告書をまとめ、25日の教育委員会で報告した。授業理解や適切な生活習慣・運動習慣と児童生徒の体力には相関がみられ、成長を実感できる授業展開の工夫や家庭・地域と一体で良好な運動習慣の形成を図る有効性が明らかとなった。体力合計点を管内別にみると、小学校の男女共に全国平均を上回ったのは後志・檜山・上川・留萌・宗谷・釧路の6管内、中学校は十勝で男女共に全国平均を上回った。
報告書は、昨年12月に公表した5年度調査を詳細に分析し、本道の現状や課題、今後の取組の改善の方向性や具体的な取組を掲載したもの。本道児童生徒の体力合計点は小学校の男女共に上昇し全国との差が縮まった。競技別では小学校男女と中学校男子の「握力」、小学校男女の「反復横跳び」「立ち幅跳び」「ソフトボール投げ」、小学校女子の「長座体前屈」で全国を上回っているが、小中男女いずれも「上体起こし」「20mシャトルラン」「50m走」など敏しょう性に関する課題がある。
体力合計点と質問紙調査を分析した結果、授業において目標を意識して学習することで「できた」「分かった」を実感する児童生徒ほど体力合計点が高く、授業に愛好的であることが分かった。
生活習慣との関連も明らかとなり、朝食の摂取や平日のスクリーンタイムなど適切な健康習慣を確立している児童生徒ほど肥満度が「普通」の割合が高く、運動習慣を確立している割合が高かった。このため、学校・家庭・地域が一体となった生活習慣の改善と良好な運動習慣の形成が重要としている。
また、学校全体で目標を設定する学校、体力向上の研修に参加して自校の取組に反映している学校ほど体力合計点が高い。中学校は全ての生徒に体力・運動能力の向上に関する取組や、運動が苦手な生徒向けの取組を行った学校ほど体力合計点が高かった。
以上を踏まえ改善の方向性を整理。授業改善においては年度当初の組織体制の整備や検証改善サイクルの確立、単元開始前の見通しの明確化が必要とし、ICTを活用した基本運動の確認や準備運動の工夫の重要性を示している。
運動が苦手な児童生徒が自己の変容に目を向け、成功体験の積み重ねによって自己の成長を実感できる授業展開の必要性も指摘。意欲を喚起する運動環境の整備の工夫、地域や近隣小・中学校と連携した取組など、主体的に運動する機会を創出することが大切としている。
管内別の体力合計点の状況をみると、全国平均を上回った管内は小学校の男子が2管内増の7管内、女子が1管内増の8管内、中学校の男子が1管内減の1管内、女子が同数の1管内となった。
前年度と比較すると檜山では小学校の男女いずれも大きく上昇し全国平均を3ポイント以上上回った。十勝は中学校の男女いずれも大きく上昇し全国平均を上回っている。
全国の体力合計点を上回った市町村数は小学校の男子が11市町村増の107市町村、女子が8市町村増の107市町村、中学校の男子が2市町村減の63市町村、女子が9市町村増の69市町村だった。
(道・道教委 2024-04-26付)
その他の記事( 道・道教委)
熱中症予防徹底へ道教委
熱中症予防徹底へ道教委 校内研修用資料を作成 暑さ指数計測など留意点 道教委は熱中症対策のための校内研修資料を新たに作成した。熱中症の症状や暑さ指数(WBGT)計使用のポイント、児童...(2024-04-30) 全て読む
道教委 巡回指導モデル実践地域 滝川市など21市町村に リーダー教員14校に配置
道教委は、本年度から実施する文部科学省委託事業「効果的かつ効率的な巡回指導の実施に向けたモデル構築事業」における実践地域として、滝川市など14地域・21市町村を決定した。道内各管内の小・中...(2024-04-30) 全て読む
胆振管内6年度教育推進の重点 子を主語にする学校を 校内外の協働深化へ取組推進
【室蘭発】胆振教育局の髙橋宏明局長は4月中旬、管内小・中義務教育学校長会議で6年度管内教育推進の重点を説明した。推進テーマは「一人一人の子どもを主語にする学校づくり~学校内外の協働の深化を...(2024-04-30) 全て読む
十勝 中学生の体力合計点が上昇 授業改善 学校内外で共有 小中連携、生活習慣改善も
【帯広発】十勝管内における中学生の体力合計点は前年度から大きく上昇し、道内で唯一全国平均を上回った。専科教員等や教職員によるサークル団体が連携して体力向上の取組を進めていることが特色で、十...(2024-04-26) 全て読む
高校配置計画地域別検討協〈宗谷〉 魅力化図る人材確保を 通学環境の充実求める声も
【稚内発】道教委は16日、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会宗谷学区をオンラインで実施した。管内市町村教委や学校から38人が出席。意見協議では、各高校の魅力化を図る人材確保や生徒が円滑...(2024-04-26) 全て読む
道教委 道南高・特校長研究協 教頭候補者の育成を 国の不登校生徒支援策解説
【函館発】道教委は19日、渡島合同庁舎で第1回道南ブロック高校長・特別支援学校長研究協議会を開催した。渡島・檜山管内の公立高校長、特別支援学校長31人に対し、教頭候補者の育成に向けた働きか...(2024-04-26) 全て読む
檜山管内の体力向上施策 バランスの取れた運動機会 着実に定着
【函館発】檜山管内の体力合計点は小5男女共に全国平均を3~4ポイントと大きく上回り、14管内で最も高い結果となった。小学校男女で道内最高値を記録したのは8年連続。全道的に課題となっている「...(2024-04-26) 全て読む
高校生アルバータ州交換留学募集 30周年 定員20人に倍増 道教委 11~12月派遣
道教委は、6年度道高校生交換留学促進事業におけるカナダ・アルバータ州に留学する生徒を募集している。アルバータ州との交換留学が30周年を迎えることから定員を20人に倍増して実施。留学生派遣は...(2024-04-26) 全て読む
巡回指導モデル構築事業第1回運営協 子の支援体制整備へ 道教委 取組の具体など共有
道教委は19日、オンラインで本年度効果的かつ効率的な巡回指導の実施に向けたモデル構築事業の第1回全道運営協議会を開いた。巡回指導リーダー教員や配置校、巡回先校、連携校の管理職ら120人が参...(2024-04-26) 全て読む
高校配置計画地域別検討協〈オホ中学区〉 地域の実情を考慮して 9年度 定員調整検討が必要
【網走発】道教委は23日、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会(オホーツク中学区)をオンライン開催した。学区内の関係者63人が参加。9年度、107人の中学卒業者数の減少が見込まれることか...(2024-04-25) 全て読む