高校配置計画地域別検討協〈渡島〉 地域の未来予測し総合的判断 函館市内 適切な定員調整を(道・道教委 2024-05-01付)
【函館発】道教委は4月23日、オンラインで公立高校配置計画地域別検討協議会を開き、渡島学区における10~13年度までの配置計画の見通しを示した。4年間で5~6学級に相当する中学卒業者数の大幅減が見込まれるため、再編整備を含めた配置の在り方を検討する必要があると報告。参加者からは人口減少や公私比率を勘案した上で、函館市内の高校の適切な定員調整を望む声が上がる一方、市外で欠員が生じている高校の関係者から存続を訴える意見が出た。
渡島学区では8年度に函館水産高校が1学級減となる。今回示された10~13年度における学区全体の中卒者数の見通しでは、4年間で5~6学級に相当する381人の中卒者数減が予想されることが明らかになった。
道教委の手塚和貴道立学校配置・制度担当課長は「10年度および12年度、函館市で中卒者数の大幅減が見込まれるため、圏域における学科の在り方など再編整備を含めた配置の在り方を検討する必要がある」と説明した。
欠員が40人以上生じている学校は、定員調整を行う必要性があると指摘。地域連携校における本年度進学者の状況では南茅部高校が10人未満となっているため再編基準にかかる可能性を示した。
会議には渡島学区の教育関係者65人が参加した。
協議では、函館大学付属柏稜高校の扇柳尚英校長が「中卒者の進路動向をみると、専門科目がある函館水産高校の間口減は私立高校に配慮したことにはならない」とした上で「普通科高校における間口減を検討してほしい」と要望した。
本年度、渡島学区全体で398人の2次募集があったことに触れ「中卒者数の増減だけで間口の増減を判断するのは適切ではない。欠員状況を考慮した上で配置計画を策定してほしい」と意見したほか、函館工業高等専門学校が20年以上定員調整を行っていない状況を指摘した。
本年度の新入生が20人に満たなかった上磯高校について、北斗市教委の川原弘成教育長は近く、道教委に同校の存続に対する要望書を提出する意向を表明。「道内唯一の特別支援学校との併設校。インクルーシブ教育システムの構築に向け、重要な役割を担っている」と強調した。
本年度の欠員が22人と、生徒数の減少が著しい森高校の髙橋邦雄PTA会長は小規模校の強みを生かした地域に根差す教育活動に努めていく意向を示し、30人学級の編制を要望。森町教委の毛利繁和教育長は「交通状況の変化が予想される中、地域の子どもたちから選ばれる高校づくりに向け選択肢を用意しなければならない。道教委の協力のもと、同校の魅力化を図っていきたい」と述べた。
手塚道立学校配置・制度担当課長は「少人数の集団形成が生徒にとって適切かを考えなければならない。渡島学区の教育環境の充実が最も大切だからこそ、道教委としても生徒募集に向けた取組に協力していきたい」と応じた。
道教委は意見を踏まえ、6月に具体的な募集人員などの配置計画案を公表する。
(道・道教委 2024-05-01付)
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