高校配置計画地域別検討協〈後志〉 魅力ある学校づくりを 公・私立のバランス配慮も
(道・道教委 2024-05-09付)

 【小樽発】道教委は4月中旬、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会後志学区をオンラインで開催した。出席者からは、公立・私立のバランスの取れた配置計画を求める声や、魅力ある高校づくりの推進とともに、高校の教育活動を広く周知する取組の充実を期する声が上がった。

 後志教育局の新居雅人局長はあいさつで、急速に進む中学卒業者の減少に伴う高校の小規模校化が進む中「高校の教育環境の維持向上は重要な課題」と強調。課題解決に向けて、参加した学校関係者や地域産業関係者から多くの意見を求めた。

 道教委高校教育課が管内の中卒者数の推計を踏まえた現状と課題を説明した。10年度以降、13年度までに学区全体で161人、小樽市内で86人の中卒者数減が見込まれることを示した上で、小樽市内での配置の在り方を検討する必要性を指摘。地域連携校については、在籍者数が2年連続で20人未満となった場合、高校の特色化・魅力化、入学者確保に取り組む集中取組期間を設けた上で、再編整備の留保が必要なことを示した。

 協議では、管内の私立高校長らが発言。10年度および12年度に見込まれる中卒者数の大幅減に触れ「公立・私立のバランスの取れた配置計画を」と要望した。また、全国的な少子化を指摘する一方で、広域通信制高校に進学する生徒の増加を踏まえた配置計画の検討、教育予算のさらなる拡充の必要性を強調。教員不足の解消や探究活動の充実に向けた研鑚の機会を確保するため「教員が安心して働ける環境整備をお願いしたい」などと述べた。

 公立高校長らは、地元自治体の支援による教育活動の充実に謝辞を述べながら「教育内容をより丁寧に説明し、地元の子どもたちは地元で育てるという意識で生徒募集に努める必要がある」「地元の高校の良さを知ってもらう取組が必要。地域や保護者と連携し、魅力ある高校づくりに努めたい」などと話した。

 真狩高校の加藤和則校長は、有機農業、野菜製菓の2コース制における取組を紹介。スマート農業に対応した取組や、大学・民間企業と連携した教育課程、専門学校とのダブルスクールなど特色ある教育活動を示し「社会に開かれた教育や、高校を核とした地域創生を目指し、子どもたちや地域のために何ができるのかを今後も考えたい」と述べた。

 管内中学校の校長らは「小・中学校と高校の学びがつながる取組を展開し、地元の子どもたちが地元の高校に進学するルートをつくりたい」「生徒を高校に送り出す側の責任として、社会で活躍できる人材の育成に寄与したい」などと発言した。

 傍聴者からは、小規模校における体験学習の充実を評価し「こうした教育活動に一層目を向けるべき」とする意見が上がった。

(道・道教委 2024-05-09付)

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