高校配置計画地域別検討協〈根室〉 安心して通える環境を 普通科新学科設置への期待も
(道・道教委 2024-05-08付)

高校配置計画地域別検討協議会・根室
高校配置計画地域別検討協議会・根室

 【釧路発】道教委は4月23日、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会・根室学区をオンライン開催した。管内の関係者約40人が参加。9~13年度までの中学卒業者数の見込みのうち、9年度に57人、13年度に32人の増員が見込まれるものの、7~13年度に129人の減少が予想されるため多様な学習ニーズに応える高校配置の在り方を検討する必要性を示した。協議の場では「私立の受け皿がなく、通学も現実的ではないような環境のため、親元から安心して通うことができる地元高校における教育環境の維持・向上が重要」「特色ある教育活動をイベント的に実施するのも良いが、普通科新学科の設置につなげた方が効果が見られるではないか」などの声が上がった。

 開会に当たり、根室教育局の遠藤直俊局長があいさつ。配置計画の趣旨を説明するとともに教育環境維持のために「各学区の実情を共有し、生徒から選ばれる学校づくりに向けて忌憚のない意見を求める」と呼びかけた。

 引き続き、道教委の担当者が根室学区における7~13年度までの中卒者数の見通しを提示。このうち、9、13年度にそれぞれ中卒者数の増加が見込まれるものの、10年度までの4年間で2~3学級に相当する中卒者数の減少が予想されることを説明した。

 このほか、5年度入学者選抜の結果、学級減を行った別海高校については中卒者数の状況等を勘案して6年度配置計画において1学級増と変更になっている。

 こうした状況を踏まえ、9年度の定員調整等の検討に当たり、市町ごとの中卒者数・欠員の状況などを考慮した検討が必要であることを示した。このほか、欠員が40人以上生じている学校については、定員を含む学科構成について検討するなど、中卒者数の増減に対応しつつ多様な学習ニーズに応える高校配置の在り方を学区全体の検討事項として挙げた。

 また、地域連携校について5月1日時点で第1学年の在籍者数が2年連続20人未満となった場合、地域と連携して高校の特色化・魅力化、入学者確保に取り組む集中期間を設けた上で再編整備の留保が必要であると説明した。

 関係者による意見交換の場では、別海町教委の相澤要教育長は「私立の受け皿がなく、通学も現実的ではないような環境のため、親元から安心して通うことができる地元高校における教育環境の維持・向上が重要である」との考えを示した。

 このほか、高校の魅力化に向けた取組について保護者や地域団体の立場から「特色ある教育活動をイベント的に実施するのも良いが普通科新学科の設置につなげた方が効果が見られるではないか」など、地場産業の発展や教科等横断的な分野の充実に向けた普通科新学科の設置を望む声が上がった。

 このあと「生徒から選ばれる高校づくり」について高校魅力化の観点や現状等について情報共有を図った。

(道・道教委 2024-05-08付)

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