リーディングDX校の帯広柏葉高 生成AI活用し授業開発 生徒の能力測定調査改善も
(学校 2024-06-04付)

 【帯広発】帯広柏葉高校(鈴木究校長)は、文部科学省事業「リーディングDXスクール事業」の指定から2年目を迎え、6年度は生成AIパイロット校として取組を進める。意見集約や表現する授業場面など、複数の教科で生成AIを活用した授業の開発を進めるほか、生徒の情報活用能力における育成の度合いを測定できるよう実態調査の改善を図る。あす5日を皮切りに、学校DX戦略アドバイザーを招いた年3回の校内研修を実施する予定。十勝ICT推進委員会や十勝ICTサミットは引き続き実施し、管内一体となってICT活用を推進する。

 同事業は、1人1台端末の汎用的なソフトウエアとクラウド環境を十全に活用し、児童生徒の情報活用能力の育成を図りつつ、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や校務DXを行い、全国に好事例を展開するもの。

 同校は5年度から事業指定を受けている。これまで、教員および生徒を対象にした情報活用能力の育成に係る学習活動に関する実態調査、教員のICT活用力を高める「ICT放課後研修会」などを実施。授業では、グーグル・ワークスペース等を活用した協働学習や病気療養中の生徒に対する個別最適な学びなどを実践してきた。

 また、管内の全高校と連携して「十勝ICT推進委員会」を立ち上げ、ICTを活用した授業等の事例を発信するウェブページを開設するなど、管内一体となった取組を推進。校種横断的に情報を共有し、取組の充実・発展を図ろうと、管内全校種を参加対象とする「十勝ICTサミット」を昨年2回実施した。

 6年度、同校は生成AIパイロット校として指定を受けている。チャットGPTやClaude3など、AIチャットボットを使用した授業を、複数の教科において開発する見通し。

 教員から生徒、もしくは生徒同士の協働的な学習において意見を集約する場面などで活用し、生成AIを活用しない場合との比較によって効率化を検証。生徒が自ら考え表現する場面では、生成AIを活用することで表現の最適化や学びの深化を図る。

 情報活用能力の育成に向けては、教科共通の目標、各教科の達成目標を設定する。教員および生徒対象の実態調査は、生徒の情報活用能力における育成の度合いが測定できる指標を設定するなど、調査内容等の改善を図る。

 あす5日を皮切りに、学校DX戦略アドバイザーを招いた校内研修を年3回開催する予定。初回から順に「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」「学びに向かう力、人間性等を育成する教育の充実」「障がいのある児童生徒および特定分野に特異な才能のある生徒に対する指導」をテーマに実施。全道の高校に周知し、オンライン参加も可能としている。

 ICT放課後研修会の定期開催、十勝ICT推進委員会の活動や、年2回の十勝ICTサミットは本年度も継続する。

 鈴木校長は「生成AIが実社会で活用される中、教育現場でどのように活用できるか楽しみに感じている」「関係者とつながりを持ち、全国的なネットワークを生かして研究を進めたい」と話している。

(学校 2024-06-04付)

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