陸別中 居心地の良い学校づくりへ 学年担任制を導入 相談しやすい環境、業務平準化
(学校 2024-05-31付)

 【帯広発】陸別町立陸別中学校(伊澤理紀校長)は6年度から、学年団の教員が日替わりで担任を務める学年担任制を導入している。全教員が当事者意識を持って担任業務を進め、生徒が相談しやすい環境、教員の業務平準化などを目指している。ICTを活用した打ち合わせや、学年主任による会議等によって、日常的に情報を共有。伊澤校長は「居心地の良い学校や職場づくりを実現したい」と語る。

 同校は1学年1学級で、各学年の担当に教員4人を配置している。担任、副担任の明確な役割分担をなくすことで、全教員が当事者意識を持って生徒や保護者に関わり、柔軟な対応ができるよう、6年度から学年担任制を導入した。

 目的は大きく2点に分かれ、1点目は、生徒と教員のミスマッチをなくし、多くの目で生徒を見取る体制づくりを整えること。

 教育相談においては、生徒と保護者が担当教員を選択できるよう事前調査を実施する。家庭訪問は実施せず、保護者は面談実施の可否も希望制となる。生徒および保護者、教員が関係性を深めやすく、相談しやすい環境を整えている。

 2点目は、教員相互の学びや教員の業務平準化につなげること。

 ホームルームや給食時間等にメインとサブの担任を配置し、翌日はサブがメインに横移動するようにローテーションを組んでいるため、各教員の持ち味を生かした学級経営や生徒との関わり方を学び合うことができる。学級通信など、担任特有の業務は交代制や得意な教員が担当するなど、学年によって柔軟に対応。教員4人が担任業務を行うことができるため、休暇取得への不安も解消され、働き方改革の推進にもつながっている。

 同校は毎朝、全体の職員会議と学年団の打ち合わせを行っている。ICTを効果的に活用し、打ち合わせ事項や日常的な記録を共有することで、会議時間の短縮や情報共有しやすい環境づくりを図っている。

 制度導入の初年度に当たり、学年主任による学年代表会議を重要視しており、各学年の取組状況や提案を共有。教室のレイアウトなど、全学年の共通事項を取り決め、全教員が全学年を担当できる体制づくりを進めている。

 教員からは「相談しやすく、一人で背負わなくて良い安心感がある」「行事の準備などの多忙な期間や、出張や研修がある時でも休みを取りやすい」などの声が上がっている。

 伊澤校長は、町内小中一貫で目指す「だれもが通いたい学校、働きたい学校」を踏まえ「生徒が相談しやすく、教員がチームを感じやすい、居心地の良い学校や職場づくりを実現したい」と話している。

(学校 2024-05-31付)

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