【解説】3割の自治体で給食無償化
(解説 2024-06-14付)

 文部科学省は12日、学校給食に関する実態調査を公表した。小・中学校全ての児童生徒を対象に学校給食を無償化している市町村の割合は30・4%。1ヵ月当たりの給食費(保護者支払い額でなく、食材費の相当額)は年々増加しており、公立小・中学校では直近5年で約8%、10年で約12%上昇している。

 隔年で実施している従来の調査のほか、学校給食無償化の取組状況を新たに調査した。

 公立学校の完全給食実施率は99・5%。実施していない理由は「他の施設(児童自立支援施設など)で昼食が提供される」が最多。「財政的理由で困難」「地理的理由で困難」との回答もあった。

 重度のアレルギーなどによって弁当を持参する児童生徒や選択制の学校給食を実施している中学校もあることから、給食の実施校で給食の提供を受けていない児童生徒数は約28万5000人(夜間定時制高校除く)となった。

 1ヵ月当たりの給食費は都道府県間で最大1・4倍の差があり、道内は小学校が4700円(全国平均4688円)、中学校が5470円(同5367円)と全国平均をわずかに上回った。

 学校給食を完全に無償化している市町村の割合は30・4%で、「多子世帯」「一部の学年に限定」「所得」などの要件を定めている市町村を含めると40・2%。財源は「自己財源」が65・7%と最も多い。

 無償化に至った経緯(複数回答)は「保護者の経済的負担の軽減、子育て支援」が90・3%と大半を占める。無償化の課題は「予算の確保」が最も多かった。

 学校給食費の推計額として、公立小・中学校で4832億円、国私立を含めると5062億円に上ると試算した。国は今般の調査結果を踏まえ、学校給食費の無償化に向けた具体的な方策を検討する。

(解説 2024-06-14付)

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