【解説】重大事態調査指針 改訂へ詰め(解説 2024-06-20付)
文部科学省は19日の第1回いじめ防止対策協議会でいじめの重大事態調査に関するガイドライン改訂案を審議した。学校・学校設置者の対応をより明確化するほか、中立性・公平性を確保する観点から調査組織に第三者を加える必要性が高いケースを具体化する。
いじめ重大事態の4年度発生件数は923件と過去最多を記録。学校・学校設置者の連携不足で対応が遅れた例、事前説明の不足で保護者とトラブルになった例、重大事態調査報告書で事実関係の認定や再発防止策が読み取れない例があり、円滑・適切な調査の実施と被害児童生徒・保護者への寄り添った対応を促すため、ガイドラインを改訂。不登校重大事態の指針も盛り込み一本化する。
主な変更点では、重大事態の発生を防ぐ未然防止や平時からの備えを記載するほか、詳細な事実関係の確認、実効性ある再発防止策の検討など学校の基本的姿勢を追記。学校だけで対応できない場合、直ちに警察に援助を求め、連携して対応する必要性を明記する。
調査組織の設置に時間を要するケースも多いことから、児童生徒・保護者からの申し立てがあった場合の学校の対応も記載。いじめの事実が確認できていない場合、早期支援を図るため必要に応じて事実確認を行うことを明確化した。
保護者の信頼性が得られない調査組織の事例もあることから、自殺事案や被害者・加害者の主張が異なる事案など、第三者を加える必要性が高いケースを具体化するとともに、第三者の考え方を詳細に示す。
このほか、児童生徒等に対する事前説明の手順や説明事項を詳述するほか、重大事態で調査すべき調査項目を明確化する。
学校現場への周知を図るチェックリストも併せて作成。パブリックコメントを経て夏ごろに改訂する。
(解説 2024-06-20付)
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