【解説】日本語教育推進へ 道が方針
(解説 2024-06-19付)

 道は17日の道議会総合政策委員会で、6~10年度の5年間を期間とする北海道における日本語教育の推進に関する基本的な方針の原案を示した。希望する全ての外国人住民に対する教育機会の確保を目標に掲げ、日本語教育人材の確保・育成、公立学校における受け入れ・支援体制の構築など今後の方向性を盛り込む。8月下旬の策定を目指す。

 道内在住外国人数は5年12月時点で過去最高の5万6485人を記録。増加率は全都道府県で最も高い24・2%で、在留資格別では農業、水産業、食品製造業など技能実習生が全体の25%を占めている。一方、日本語教室を設置する自治体は22市町村40ヵ所にとどまり、学習意欲のある外国人住民への学習機会の提供が課題となっている。

 方針では、日本語教室の開設に向けた支援、ICTを活用した学習機会の提供、日本語教育に関するポータルサイトの開設など方向性を示した。児童生徒に対する取組では、就学の促進、学校への受け入れ体制の構築、日本語指導、教科指導、生活指導、進路指導の充実を盛り込んだ。

 今月下旬からパブリックコメントを開始。2定道議会や有識者会議での議論を経て8月下旬に策定する。

 日本語教育人材の確保・育成に向け、道は5年度から3ヵ年計画で「地域日本語教育の体制づくり推進事業」に取り組んでおり、8月の岩見沢市を皮切りに稚内市、登別市、遠軽町、新冠町、中標津町で日本語学習支援者の養成講座を開催する。また、雄武町、栗山町、増毛町で日本語教室の持続的な運営に向けたモデル事業に取り組む。

 7年度には日本語教室のない地域に在住する外国人を対象としたオンライン日本語教室を試行する予定で、全道一円をカバーする日本語教育体制の構築を構想している。

(解説 2024-06-19付)

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