【解説】ヤングケアラー支援へ法改正(解説 2024-06-07付)
ヤングケアラーを支援対象として明記する子ども・若者育成支援推進法の改正案が5日の参議院本会議で可決・成立した。これまで法律上の明確な根拠の規定がなかったヤングケアラーを年齢にかかわりなく「家族の介護、その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義。各種支援に努める国・自治体の責務も明らかにした。
ヤングケアラーに関しては、本人や保護者が負担を自覚していないケース、家庭内の問題であるため相談しにくいケースなど実態が顕在化しにくい課題がある。ヤングケアラーの可能性がある特徴として「遅刻や欠席が多い」「眠そうで覇気がない」「校外学習など弁当や準備のいる活動を休む」「体操服や制服・上靴が洗えていない」などがあり、信頼できる大人に相談できるメッセージを伝えるとともに、家庭支援や環境調整を行うスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、児童福祉関係機関との連携が必要となっている。
有限責任監査法人トーマツが3月に発表した調査報告書によると、ヤングケアラーが一番良かったと感じた支援は家事能力が相対的に低い小中学生で「家事や世話の代行、手伝い」が高く、中学生以上になるにつれ徐々に「相談」の割合が高くなる傾向にあり、年齢に応じた支援ニーズの必要性が明らかとなった。
インタビューでは「子どもに迷惑をかけているのかと申し訳ない気持ちになる」「ヤングケアラーという言葉のネガティブなイメージから家族へ話してほしくない」との声も。ヤングケアラーと家族の関係性はケースバイケースであり、個々の状況に応じた効果的な支援の在り方や、世話を受けている家族にも配慮した広報・啓発が求められている。
(解説 2024-06-07付)
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