札幌市教委 給食室の暑さ対策 空調服やエアコン検討 モデル校に導入で効果検証
(札幌市 2024-06-28付)

 札幌市教委は、昨年の記録的な猛暑を受け、給食室の効果的な暑さ対策について検討する。モデル校4校の協力を得て、1校に厨房用エアコン、3校にファン付きの空調服を導入。各方法の効果を検証し、今後の方針を検討する考えだ。

 市は、昨年策定した第2次まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023で学校施設冷房設備整備事業を提示。6~9年度の4年間で全市立幼稚園・学校の普通教室等にエアコンを整備する方針を掲げている。

 アクションプランでは、給食室へのエアコン整備費も含めていた。しかし、湯気や油跳ねに対応できる厨房用のエアコンを設置しなければならないため、普通教室等よりコストがかさむ。壁に排気ダクトが張り巡らされている構造上、冷却効率の良い場所に設置できるかという課題も浮上。6年度当初予算への計上を見送った経緯がある。

 こうした背景から、エアコンの設置による冷却効果を検証するとともに、それ以外にも効果的な暑さ対策があるかを探るため、数校の協力を得てモデル事業に着手する。

 エアコンの設置は、東川下小学校で実施。同校の調理室の面積は約110平方㍍で、7人の調理員が在籍している。7月にも着工し、厨房用のエアコンを複数台導入する。

 平岡南小学校、厚別中学校、市立札幌豊成支援学校の3校には、空気を循環させるファンが付いた空調服を導入する。3校の調理員全員分18着を用意。7月5日までに納品される予定となっている。

 今夏の活用効果を検証し、導入の是非や別の方法による検証の必要性などを検討する。

 給食室の室温は、窯の周辺で40度近くに上るという。また、衛生上の理由から窓を開けることができず、調理員は過酷な環境の中で業務に当たっている。市教委は、調理員が快適に過ごせるよう環境整備に努める考え。

(札幌市 2024-06-28付)

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