道議会質疑 予算特別委員会(3月13日)(道議会 2024-07-31付)
Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand
【質問者】
▼板谷よしひさ委員(自民党・道民会議)
▼田中勝一委員(民主・道民連合)
【答弁者】
▼倉本博史教育長
▼山本純史学校教育監
▼川端香代子学校教育局長
▼山城宏一指導担当局長
▼堀籠康行特別支援教育担当局長
▼相川芳久ICT教育推進局長
▼金田敦史施設課長
▼佐藤昌彦道立近代美術館担当課長
▼髙橋宏明学力向上推進課長兼ICT教育推進課長
▼大畑明美特別支援教育課長
▼田口範人部活動改革推進課長
=役職等は当時=
◆ICT支援員
Q板谷委員 6年度から、高校では3学年全ての生徒の1人1台端末の活用が始まる。教員がICT活用指導力を向上させ、生徒の学びの質を高める授業を進めるには、ICT活用や管理に関する日常的なサポートのほか、生徒への技術的なアドバイスを行うICT支援員が必要と考える。
現在、未設置である道立高校があることについて、6年度予算案には、新たに道立高校にICT支援員を派遣する、道立学校ICT支援員を活用した学校DX推進事業費が計上された。
今回、予算計上された事業の内容について伺う。
A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 事業概要について。これまで、道教委では、本道の広域性を踏まえ、ヘルプデスクを設置して学校からの相談に対応してきたが、このたびの予算案において、6年度からの新たな事業として、ICTの知見とノウハウを有する支援員を道立学校に派遣し、端末等を活用した授業改善や校務効率化などに関する技術提案や指導助言、いわゆるコンサルティングを行い、授業における教員のICT活用指導力の向上や校務でのICTの効果的な活用を支援することとした。
Q板谷委員 具体的にどのようにコンサルティングを行うのか伺う。
A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 この事業では、ICT支援員の派遣を民間事業者に委託した上で、6年度中に全ての道立学校に派遣し、各学校の実情に応じて、端末で全ての生徒の意見を共有し、話し合う授業の実施、アンケート機能を活用した小テストの実施や点数の自動集計、チャットの活用やクラウド上での資料の共有による会議の効率化、クラウドサービスを活用した家庭との連絡などの技術提案や指導助言を行うこととしている。
Q板谷委員 どのような民間事業者を想定しているのか伺う。
A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 事業の実施方法について。このたびの民間事業者への委託は、道教委がICT支援員を直接雇用するケースと比較して、他自治体への支援実績等から多様な視点による提案が可能であるというメリットがあることから、委託の方法を講じることとし、委託先については、ICTに関する知見やノウハウ、専門人材を有し、課題解決を支援している事業者、いわゆるソリューション企業を想定している。
また、他の都府県においては、5年度、23都県でICT支援員を都立または県立学校に配置しており、うち20都県が民間に委託して支援員を派遣していると承知している。
Q板谷委員 これまで、民間事業者に委託したヘルプデスク、GIGAギガトラブル相談センターを設置し、学校を支援していたが、この事業ではICT支援員を直接学校に派遣して支援する。
支援方法を変更した考えについて伺う。また、今後、どのように道立学校からの相談に対応するのか伺う。
A相川ICT教育推進局長 学校からの相談対応などについて。これまで、道教委では、本道の広域性を踏まえ、ヘルプデスクを設置して学校からの相談に対応してきたが、多くの学校から、ICT活用に関する専門的スキルを有する人材に直接来校して支援してほしいとの要望があったほか、教員のICT活用指導力や校務でのICTの効率的な活用の程度が学校によって異なる状況にあることから、その状況に応じたコンサルティングを行うこととした。
また、このたび、ヘルプデスクを廃止することから、学校が自校で課題解決をすることができるよう、これまでのヘルプデスクで対応した事例をまとめ、サイトに掲載するとともに、ICT教育推進課職員が引き続き相談対応を担うほか、新たに民間企業から専門的知識を有する人材を研修生として受け入れ、担当課に配置し、こうした専門人材と共に学校からの相談対応に当たることとしている。
Q板谷委員 今定例会冒頭で先議された補正予算には、高校DX加速化推進事業費として、道立高校にICT機器を整備するための経費が計上されている。
今後、この事業を活用し、どのようにDXを推進するのか伺う。
A山城指導担当局長 ICT機器の整備について。国では、情報等の教育を重視するカリキュラムの実施や、ICTを活用した文理横断的、探究的な学びを強化する学校に対し、必要な環境整備の経費を支援する高校DX加速化推進事業を6年度から実施することとしており、道内32校の公立高校が補助金の交付申請をしている。
道教委としては、この事業を活用して、ハイスペックPCや3DプリンターなどのICT機器を整備した高校に対し、数理、データサイエンス、AIの活用を前提とした教育活動など、情報等に関わる教育課程の改善・充実が図られるよう、指導主事による学校訪問等を通じて授業改善に関する指導助言を行うとともに、本事業の成果を広く全道に周知することによって、デジタル人材の育成に向けた取組を推進していく。
Q板谷委員 ICT支援員を活用しながら、道立学校のDXの推進に向けて、道教委としてどのように取り組んでいくのか伺う。
A山本学校教育監 今後の取組について。各道立学校では、ICT端末の活用に関する事例等を紹介する国の特設ウェブサイトや道教委のポータルサイトを参考にしながら、1人1台端末の活用に取り組んでいるものの、授業における教員のICT活用指導力や校務でのICTの効率的な活用の程度は、学校によって異なる状況にある。
このたびの予算案においては、ICTの知見とノウハウを有する支援員を道立学校に派遣し、端末等を活用した授業改善や校務効率化などに関する技術提案や指導助言を行うことによって、児童生徒の情報活用能力の育成や業務改善による教職員の多忙感の軽減など、各学校においてICTを活用した様々な実践が展開されるよう、教育のさらなる情報化に向けてICT環境の充実を図っていく。
◆部活動地域移行
Q板谷委員 道教委は、5年3月に策定された「北海道部活動の地域移行に関する推進計画」によって、5年度から7年度までの3年間を改革推進期間として、様々な取組を重点的に行っている。
5年度における部活動の地域移行に関する道内市町村の取組状況について伺う。
A田口部活動改革推進課長 市町村における取組状況について。5年度においては、国の「部活動の地域移行等に向けた実証事業」等を活用し、55市町村が部活動の地域移行に向けた運営団体の体制整備や学校との連絡調整を担うコーディネーターの配置、地域住民を対象にした説明会の開催などを行った。
また、昨年12月現在、99市町村で地域や関係者との共通理解を図る協議の場の設置やニーズの把握、指導者の確保に関する取組を進めているほか、48市町村で休日の地域クラブ活動を実施している。
Q板谷委員 道教委では、担当課を新設し、教育局にもサポートチームを立ち上げて取り組んでいるが、依然として、約半数の市町村で説明会が未実施、または、協議会の設置は6割程度にとどまっている。
この状況についてどのように認識しているのか伺う。
A川端学校教育局長 市町村における協議会の設置などについて。道内においては、昨年12月現在、市町村が学校、保護者、地域住民等に対して開催する説明会が81市町村で開催され、6月時点と比較すると、39市町村の増加となっている。
また、教育委員会、スポーツ・文化芸術団体、学校、保護者等で構成する協議会が99市町村で設置され、6月時点と比較すると、30市町村の増加となっている。
一方で、協議会の実施主体や構成員の決定に時間を要している、地域移行の方向性が定まらないため、説明会の開催に至らないなどの理由によって、取組が進んでいない市町村もあることから、今後、全ての市町村において、協議会の設置や説明会の開催など、部活動の地域移行に向けた基盤づくりを関係者が一体となって進めることができるよう、道教委として働きかけを強化する必要があると考えている。
Q板谷委員 市町村の中には、国の実証事業を活用して地域移行に向けた取組を進めているところがあると承知している。これまで、実証事業を実施した自治体ではどのような成果と課題があったのか伺う。
A田口部活動改革推進課長 実証事業の成果等について。部活動の地域移行に向けた運営団体の体制整備や地域住民を対象とした説明会の開催など、実証事業を行った市町村からは、地域クラブの体制を学校と地域が一体となってつくることができた、コーディネーターを配置したことによって、学校や競技団体との連絡調整等を円滑に行うことができた、協議会や町民説明会を開催し、地域住民の理解が進んだなどの成果があったと聞いている。
一方、課題としては、指導者や財源の確保が困難、保護者の費用負担軽減のための取組が必要、近隣市町村との連携が必要などの意見も寄せられたところである。
Q板谷委員 道教委では、管内ごとに町村長に対し、部活動の地域移行に関する趣旨や現状などを説明し、意見交換を行っていると聞いている。この取組の目的と、これまでに町村長からどのような意見があったのか伺う。
A川端学校教育局長 町村長との意見交換について。各市町村において部活動の地域移行を円滑に進めるためには、首長部局における社会福祉、医療やまちづくりの担当部署などとの連携協力が必要であることから、ことし1月から、各管内において町村長を対象に、地域移行の趣旨や現状等に関する説明会を実施し、意見交換をしている。
説明会においては、町村長から、地域で人材が不足しており、指導者の確保が難しい、財源の確保が困難など、地域移行を進める上で課題があるとの意見のほか、近隣市町村と連携した取組について、道教委のコーディネートが必要、小規模町村での具体的な取組事例を提供してほしいなどの要望をいただいたところ。
Q板谷委員 国の実証事業で明らかになった課題や町村長からの意見を踏まえ、道教委として、今後、部活動の地域移行の推進に向け、どのように取り組んでいくのか伺う。
A倉本教育長 今後の取組について。部活動の地域移行は、地域の子どもたちは学校を含めた地域で育てるという考え方のもと、生徒の望ましい成長を保障できるよう、地域の持続可能で多様な環境の一体的な整備によって、地域の実情に応じ、スポーツ・文化芸術活動の最適化を図り、体験格差を解消することを目指すものである。
道教委では、部活動の地域移行が円滑に進むよう、5年3月に「北海道部活動の地域移行に関する推進計画」を策定し、これに基づく取組を進めてきているところである。今後は、各市町村における課題等を踏まえ、指導者の人材バンクの整備などを進めるとともに、地域クラブ活動の参加に伴う保護者の費用負担の軽減に向けた財源の措置について国に要望するほか、地域クラブが民間企業等から支援などを受けられる新たな体制の構築を進めるなどして、本道の子どもたちがスポーツや文化芸術に継続して親しむことができる環境を整備していく。
◆インクルーシブ教育
Q田中委員 障がいのある子どもの就学先の決定については、本人および保護者と市町村教委、学校との間で、就学先となる学校や学びの場について合意形成が図られたあと、最終的に市町村教委が子どもの就学先を決定することとしている。現状、道内で、本人、保護者の意向に沿わず、特別支援学級や特別支援学校に入学している事例があるのかどうか伺う。
◆A大畑特別支援教育課長 障がいのある子どもの就学先について。市町村教委は、就学先となる学校や学びの場の検討に当たって、教育学、医学、心理学等の専門家の意見を聴取することが必要であり、教育支援委員会等にそれぞれの専門家が参加して、多角的、客観的に検討し、本人および保護者と市町村教委や学校間で就学先となる学校や学びの場について合意形成が図られたあと、最終的には市町村教委が子どもの就学先を決定することとなっている。
なお、道教委では、市町村教委から認定特別支援学校就学者通知があった際、就学に当たって、子どもの障がいの状態や教育的ニーズ、本人、保護者や専門家の意見等を踏まえ、総合的に判断されているか否かについて市町村教委に確認するなどして、適切な就学先の決定がなされるよう、指導助言を行っている。
P田中委員 実際には、合意形成が図られる前に、保護者の意向を尊重しない事例があるということを伺っている。本人および保護者の意向を最優先にすべきこと、子どもの権利条約の自己決定権を尊重すべきということを指摘しておく。
Q田中委員 教育支援委員会等が本人や保護者の意向に沿わない決定をした場合、道教委としてどのような対応をしているのか、所見を伺う。
A大畑特別支援教育課長 道教委の対応について。就学先となる学校や学びの場については、本人および保護者、教育委員会と学校との合意形成を進めた上で最終的には市町村教委が決定するものである。道教委では、市町村教委に対し、就学先の合意形成に当たっては、本人、保護者の意向を最大限尊重するよう指導助言を行うとともに、通知や研修を通じ、就学の手続や保護者の心情に寄り添った教育相談の重要性などについて周知してきているところ。
Q田中委員 兵庫県や大阪府、埼玉県のように、就学手続きにおいて、本人、保護者の意見を最大限に尊重し、入学指定通知は、全員、地域の学校への入学を通知し、その後、特別支援学級や特別支援学校への入学希望を取るべきと考える。所見を伺う。
A堀籠特別支援教育担当局長 就学手続きについて。障がいのある子どもの教育に関する基本的な方向性としては、障がいのある子どもと障がいのない子どもが可能な限り同じ場で共に学ぶことを目指すべきであり、その場合には、それぞれの子どもが、授業内容が分かり、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけるかどうかが最も本質的な視点である。
市町村教委による総合的な判断においては、就学の時点で、子ども一人ひとりの教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる学校や学びの場を判断することのみならず、就学後の学びの場を出発点として、可能な範囲で、小学校6年間、中学校3年間の子どもの育ちと学校や学びの場の柔軟な見直しの方向性についてもある程度見通しながら判断が行われることが必要であると考えており、5年度から、就学に関するリーフレットを作成し、各市町村教委や次年度に就学する子どもを持つ全ての保護者に配布している。
Q田中委員 将来を考えて普通学級等への就学を希望する保護者の意向は重いと考える。様々な保護者がいることを想定して子どもたちの就学を考えていると言うが、そのことによって保護者の意向が尊重されないとの訴えもある。
これを解消するには、入学指定通知は、全員、地域の学校への入学を通知し、その後、特別支援学級や特別支援学校への入学希望を取ることが可能であるということを各市町村教委に周知すべきと考える。再度、所見を伺う。
A山本学校教育監 就学手続きについて。国においては、就学通知の段階で、本人および保護者との合意形成がなされていない場合、通知を行いつつも、その後の本人および保護者との合意形成や意見の調整の場における検討を踏まえた就学先の変更が行われることがあり得ることを説明しつつ、手続を執り行うことが重要と示している。道教委では、市町村教委が、就学に関する事前の相談支援を早期からきめ細かく行うことによって、就学に関して、本人および保護者と合意形成のプロセスを丁寧に行い、意見が一致するよう努めることについて指導助言している。
Q田中委員 平成28年に施行された障害者差別解消法では、合理的配慮の提供が義務化され、令和3年には医療的ケア児支援法が施行され、医療的ケア児の支援が義務となった。これによって、国や自治体は、学校において、家族の付添いなしで学びを保障しなくてはならなくなった。
そこで、看護師や支援員の配置状況について伺うとともに、未配置の解消に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。
A大畑特別支援教育課長 看護師の配置について。医療的ケア児支援法では、学校の設置者は、医療的ケア児が適切な支援を受けられるようにするため、看護師等の配置など必要な措置を講ずると定めており、道教委では、札幌市を除く道内の公立学校のうち、医療的ケア児が通学する全ての道立学校に看護師を配置するとともに、日常生活動作の介助や学習活動上のサポートを行う役割を担う特別支援教育支援員について、各学校の希望に応じた必要数を配置している。
また、市町村教委の職員を対象とした研修会において、医療的ケア児支援法の趣旨等の理解を図った上で、国の事業の活用による看護師の配置を働きかけており、今後も、医療的ケア児の自立と社会参加の促進に向けて、道内の学校における受け入れ体制の充実に努めていく。
Q田中委員 学校では、教室での通常授業のほかに、行事、とりわけ、修学旅行、宿泊研修、校外学習等、様々な学習があることから、看護師や支援員の配置のほか、様々な合理的配慮が必要である。
道において、どのような合理的配慮を行い、課題は何か、また、それらをどのように解決しようとしているのか、所見を伺う。
A堀籠特別支援教育担当局長 修学旅行等について。特別支援学校や特別支援学級に在籍する児童生徒等については、就学奨励費によって校外学習等に係る旅費などの支援を行っているほか、学校によっては、肢体不自由のある児童生徒が参加できるよう、必要に応じて、リフト付きバスの利用や安全に移動や介助ができる宿泊先の選定など、児童生徒の障がいの状態に応じた配慮を行っている。
なお、校外学習等における医療的ケアの課題として、看護師の配置数や勤務時間などの関係で、保護者の付き添いが必要となるケースや安全に移動するためのバスなどの確保が難しい場合がある。
道教委としては、各学校に対し、教育支援のためのハンドブック等を通じて合理的配慮についての理解促進を図るとともに、各学校における配慮や支援の状況等も確認した上で、児童生徒が安心して学習活動に参加することができるよう、引き続き、指導助言していく。
P田中委員 障害者差別解消法の趣旨に鑑み、文科省としても、合理的配慮として、教員、支援員等の確保、施設の整備、個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の確保を挙げていることから、行事等では、様々な場面を想定し、保護者の負担を軽減するよう強く指摘しておく。
Q田中委員 医療的ケア児が保護者の送迎や付き添いなしに通学している実態について伺うとともに、遅々として進まない通学支援をどのように進めていくのか、所見を伺う。
A大畑特別支援教育課長 医療的ケア児への通学支援について。広域分散型である本道においては、医療資源や福祉サービスについても偏在している状況にあり、医療的ケア児の通学についても地域の実情に応じた対応が必要な状況にあると認識している。
道教委では、このたびの予算案において、道立特別支援学校での医療的ケア児の通学時における支援について、訪問看護事業所等に外部委託した場合の体制整備の在り方等を検証することとしており、こうした検証を通じて明らかとなる課題とその改善策を整理するなど、医療的ケア児の教育的ニーズに応じた支援の充実やその家族の一層の負担軽減が図られるよう取り組んでいく。
P田中委員 今回の予算に、通学支援のモデル事業が加わったということは評価するが、都市部と地方の格差、特に地方においては看護師不足が大きな課題となっている。道としてしっかり対応すべきことを指摘する。
Q田中委員 障がいの有無や種別、程度に関わらず、全ての子どもたちが共に学び、多様性を認め合うインクルーシブ教育への転換こそが、差別のない共生社会への第一歩である。
インクルーシブ教育の実現に向けて、教育長の所見を伺う。
A倉本教育長 支え合う社会の実現に向けた取組について。共生社会の形成に向けては、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会を目指すことが重要であり、学校教育は、障がいのある子どもの自立と社会参加を目指した取組を含め、共生社会の形成に向け重要な役割を担っている。
道教委としては、障がいのある子どもと障がいのない子どもができるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきであり、その場合には、それぞれの子どもが授業の内容が分かり、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけるかどうか、このことを本質的な視点とした共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進について、この基本的考え方を、学校教育関係者をはじめ、全ての子どもたちと保護者の皆様が共有することができるよう、取組を推進していく。
◆近代美術館リニューアル
Q田中委員 道立近代美術館リニューアル基本構想の議論が進んでいる。6年度の修繕に関する予算額および具体的な事業内容について伺う。
A金田施設課長 近代美術館の修繕工事について。近代美術館の老朽化に伴い、常設展示室の温湿度を調節する空調機の部品の劣化が進んでおり、展示している美術品に多大な損害を与える可能性があることから、6年度予算に、空調機の一部部品の修繕費として約2500万円を計上している。
Q田中委員 近代美術館エリアは、知事公館や知事公邸エリアとの一体で活用策が検討されている。知事部局との連携状況など、現時点における道教委としての所見を伺う。
A佐藤道立近代美術館担当課長 エリア一帯での活用の検討について。道教委ではこれまで、知事部局と連携し、知事公館・近代美術館エリアのPRイベントを開催し、来場された多くの方々からエリアの利活用に向けた様々な意見をいただいたほか、近隣の町内会との意見交換などを行ってきた。
また、現在、このエリアにおいて想定される近代美術館の整備方法のパターン別に、経済性、環境性などを専門的見地から評価する調査も実施しているところ。今後も引き続き、知事部局と緊密に連携しながら、エリアの魅力向上方策などについて検討を進めていく。
Q田中委員 道立近代美術館リニューアル基本構想の取りまとめを急ぎ、築50年を待たずに改築または修繕すべきと考える。エリアの構想との関係、また、今後のスケジュールを含めて、所見を伺う。
A倉本教育長 近代美術館のリニューアルについて。近代美術館や知事公館の所在するエリアは、市内中心部に位置し、憩いの場としても親しまれており、近代美術館が、この立地環境を生かし、教育・観光等の多様なニーズに対応できる芸術文化の発信拠点として、その機能を高めることが重要である。
このため、道教委では、施設設備の老朽化が進んでいる近代美術館の今後の在り方について、近代美術館リニューアル基本構想の中間報告を5年7月に取りまとめ、その目指す姿や施設整備の基本的な考え方などを整理したところ。
今後、知事公館・近代美術館エリアをこれまで以上に魅力あふれる文化、芸術、歴史の発信拠点として活用するため、知事部局と連携し、検討を進めている知事公館・近代美術館エリアの総合的な活用構想との整合性を図りながら、近代美術館リニューアル基本構想を6年度にも策定できるよう取り組んでいく。
(道議会 2024-07-31付)
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