道議会質疑 予算特別委員会(6月28日)
(道議会 2024-10-04付)

Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】

▼荒当聖吾委員(公明党)

▼真下紀子委員(日本共産党)

▼今津寬史委員(自民党・道民会議)

【答弁者】

▼加納孝之環境生活部長

▼古岡昇保健福祉部長兼感染症対策監

▼野澤めぐみ保健福祉部子ども応援社会推進監

▼竹本広幸環境生活部自然環境局長

▼遠藤浩環境生活部自然公園担当課長

▼竹内正人保健福祉部健康安全局長

▼角井正純保健福祉部がん対策等担当課長

▼工藤晴光保健福祉部子ども政策企画課長

▼野邊聡保健福祉部虐待防止対策担当課長

◆児童養護施設

Q荒当委員 道内にも多くの児童養護施設が設置をされていると思われるが、児童養護施設の目的や設置数などの概要について伺う。

A野邊虐待防止対策担当課長 児童養護施設の設置目的などについて。児童養護施設は、保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童に対し、安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、家庭環境の調整等を行いつつ養育を行い、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援することを目的とした施設である。

 対象とする児童は、乳児を除く18歳に至るまでの子どもとされており、20歳に達するまで延長することができる。

 道内には、札幌市が所管する施設を含めて23施設が設置されており、入所者は、札幌市が措置した児童を含めて、ことし6月1日現在で895人となっている。

Q荒当委員 児童養護施設における課題について伺う。

A野邊虐待防止対策担当課長 退所した方に対する相談や自立のための支援を行うことが施設の役割の一つであるが、施設には、虐待をはじめ、困難な課題を抱えた子どもたちが多く入所しており、こうした子どもたちは、施設の退所後、家族に頼ることも難しく、社会の中で自立して生活するに当たって、金銭面や住居、進学、就労など、生活の様々な場面で困難を抱えるケースも多くあることが国の調査結果などから明らかになっている。

 そのため、入所後の早い段階から自立に向けた話合いや支援を行うとともに、退所後の継続的な支援が重要であると考えている。

Q荒当委員 2年度に、国がケアリーバーの実態調査を行ったものと承知をしているが、どのような結果であったのか伺う。

A野邊虐待防止対策担当課長 国が2年度に実施した児童養護施設等への入所措置や里親委託等が解除された方への全国調査によると、現在の生活状況として、収入より支出が多い、過去1年間に医療機関を受診できなかったと回答した方がいずれも2割を超えており、暮らしの中で困っていることは、生活費や学費のことが33・6%と最も多いなど、ケアリーバーの方々の生活の困窮が懸念される回答が多く見られた。

 また、生活していた施設との連絡頻度は、退所から時間がたつほど減少する傾向が見られている。

 今後、利用したいサポートやサービスとしては、奨学金や生活費の貸し付けなどの金銭面に関する支援が29%と最も多く、住居や食事、食料に関する支援が26・7%、心身の健康に関する支援が16・8%であった。

Q荒当委員 道におけるケアリーバーの現状について、どのように把握しているのか伺う。

A野邊虐待防止対策担当課長 道では、ケアリーバー支援のための実態把握のため、4年度から、児童養護施設の紹介を通じ、本人への個別インタビューを行っているところ。

 ケアリーバーの方々からは、退所後の生活に困難を感じたことがあるとの意見を複数いただいており、その理由として、買物や病院への通院など日常生活について知らなかったことが多かったや、困ったときの相談先が分からないなどの意見があったほか、退所後に施設との関係が疎遠となっている方もおり、助けを求められる場、アクセスしやすい相談場所が必要との意見が多くあったところ。

Q荒当委員 道は、ケアリーバーに対してどのような取組を行ってきたのか伺う。

A野邊虐待防止対策担当課長 道では、これまで、生活や仕事、経済的に不安があるなど自立のために支援が必要なケアリーバーに対し、生活状況、家庭環境などの情報を聞き取りし、社会的自立に向けた支援計画を策定する支援コーディネーターを2人配置したほか、家賃等の居住費や生活費のほか、就職の準備のための就職支度経費などの経済的な支援を実施しているところ。

 また、ケアリーバーの方が一人で暮らしていくため、住民票等の各種手続、お金の使い方などの生活指導や生活相談、履歴書の書き方や面接の練習、就労先での悩み等の就労相談など、様々な支援を行っている。

Q荒当委員 これまでの取組を踏まえ、道の今後のケアリーバーに対する取組について伺う。

A野澤保健福祉部子ども応援社会推進監 ケアリーバーの方々は、施設を退所したあと、家族に頼ることも難しく、精神的にも経済的にも不安定な状況に置かれ、社会の中で自立して生活していくことが困難なケースも多く見られることから、入所後、早い段階から自立に向けた適切な支援を行うことが重要であると考えている。

 道ではこれまでも、支援コーディネーターの配置等の取組を進めてきたところだが、今般の児童福祉法の改正によって、これまで満22歳までとされてきた様々な支援の年齢制限が本年度から弾力化されたことを受けて、ケアリーバーの方々に対して、ホームページや関係機関を通じて、年齢制限なく相談や支援を利用いただきたい旨、周知したところである。

 さらに、ケアリーバーの方々はもとより、虐待経験などがありながらもこれまで公的支援につながらなかった方の孤立を防ぎ、必要な支援に適切につなぐため、同じ経験を持つ方が相互に交流し、必要な情報の提供、相談、助言、関係機関と連携した専門的な支援等を行う取組を本年度から新たに開始したところ。

 道としては、今後とも、こうした支援を通じて、ケアリーバーの方々が安定した地域生活に移行できるよう支援をしていきたいと考えている。

◆子どもの意見

Q荒当委員 道では、子ども、若者の意見を道政に反映させるためのユースプランナー制度に取り組んでいると承知している。事業の概要とこれまでの取組について伺う。

A工藤子ども政策企画課長 道では、結婚や妊娠、出産、子育てに関する行政課題への対応や政策検討に当たって、若い世代の感性や意見を取り入れるとともに、こうした世代に道の少子化対策などへの理解を深め、自ら考えてもらう機会を確保することが重要と考え、4年度に、子ども施策に関するアンケート調査への回答や提案、各種施策やイベント等の情報拡散に協力していただける大学生をユースプランナーとして登録する制度を創設したところ。

 制度におけるこれまでの取組としては、ヤングケアラーや子どもの貧困、児童虐待防止などをテーマにしたアンケート調査などのほか、ヤングケアラー相談サポートセンターや児童相談所など、実際の現場をユースプランナーと共に訪問し、意見交換を行ってきたところである。

Q荒当委員 ユースプランナー制度の対象を拡大する目的と、対象の拡大に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。

A工藤子ども政策企画課長 昨年4月に施行されたこども基本法の趣旨を踏まえ、道では、本年度から、道政の立案過程において、子どもや若者自身の声を聞き、政策に反映させていくという新たな課題に本格的に取り組むこととし、より幅広く若い世代の意見を聞き、多様な視点、立場からの意見を反映していけるよう、登録範囲を、これまでの大学生から大学院生、短大生、専門学校生に拡大した。

 ユースプランナーの募集に当たっては、新たに対象とした短大等の教育機関の関係者に制度の意義や役割について説明を行ってきたほか、道のホームページやSNSでも参加を呼びかけているところであり、引き続き、様々な手法を用いながら、登録者の拡大に向け取り組んでいく。

Q荒当委員 本年度実施する子どもに関する条例や次期計画の検討に当たっては、多くの子ども、若者の意見を丁寧に聞いていくことが重要と考える。

 道では今後、子ども、若者の意見をどのように聞いていくのか伺う。

A野澤保健福祉部子ども応援社会推進監 道では、全ての子どもが将来にわたって幸せな生活を送ることができる社会を目指すこども基本法の趣旨を踏まえて、道民の理解促進や子どもが意見表明できる機会の確保などの取組を盛り込んだ新たな条例の制定や、条例等との整合性を図りながら、つぎの子ども未来づくり北海道計画の策定に向けて検討を開始したところ。

 今後の検討に当たっては、本道の未来を担う子どもや若者の視点に立ち、本年度開始したこどもの意見反映推進事業を活用して、道内の小・中・高校生と直接対話し意見を聞くほか、ユースプランナー制度に登録された大学生等の世代、北海道こども施策審議会に新たに参画いただく若者世代などからもしっかりとその声を聞き、条例の制定等を進めていく。

◆がん対策

Q真下委員 ことし3月に北海道がん対策推進計画が策定された。1次予防では、高い道内の喫煙率を12%以下にする、受動喫煙率の高い職場や飲食店ではゼロを目指すとした。

 具体的に対策をどう強化するのか伺う。

A角井がん対策等担当課長 道ではこれまで、喫煙による健康への影響の普及啓発や、たばこをやめたい人へのサポート体制の充実などに取り組んできているところだが、国民生活基礎調査における本道の成人喫煙率は、元年の22・6%に対し、4年は20・1%と減少傾向にあるものの、全国的に見て依然として高い水準にある。

 このため、健康増進計画の附属計画として、平成16年にたばこ対策推進計画を策定し、令和2年には北海道受動喫煙防止条例を制定、3年には北海道受動喫煙防止対策推進プランを策定するなど、受動喫煙防止対策と併せて本道のたばこ対策を計画的に推進してきたところ。

 また、ことし3月に新たなたばこ対策推進計画を策定したところであり、喫煙率の目標達成に向け、受動喫煙対策や普及啓発をはじめ、20歳未満の者や妊産婦への喫煙対策、たばこをやめたい人が身近なところで禁煙支援を受けられる環境の整備などの取組を総合的かつ計画的に推進していく。

Q真下委員 2次予防としてのがん検診受診率について、全国平均との乖離が広がっているが、検診率の推移および検診率が上向かない理由と、これまでの取組の評価と課題をどう分析した上でがん対策推進計画を策定したのか伺う。

A角井がん対策等担当課長 がん検診受診率について。3年ごとに行われる国民生活基礎調査によると、道内の受診率は、令和元年では、胃がん34%、肺がん37・8%、大腸がん34・6%、子宮がん30・7%、乳がん30・1%であり、令和4年では、胃がん31・8%、肺がん35・7%、大腸がん33・4%、子宮がん28・9%、乳がん28・3%であった。

 元年度との比較で道内の受診率が減少している要因を一概に申し上げるのは難しい面があるが、広域分散型で積雪寒冷地といった本道の地域特性や、市町村における個別の受診勧奨の取組が進んでいないことなどのほか、新型コロナウイルス感染症の影響なども関係しているものと考えている。

 受診率の向上には、道民に検診の重要性について理解を深めていただくことが大切であり、道ではこれまで、特定健診との同時実施、市町村や検診機関を対象とした研修会のほか、企業と連携したセミナーの開催や啓発動画の作成などに取り組んできており、新たな計画においても、引き続き、市町村や医療機関、企業等と連携し、がん検診の受診促進に取り組むこととしている。

Q真下委員 居住市町村で日時が限定される巡回検診以外に、五大がんの検診を全て受けられない自治体というのはどのくらいあるのか。受診環境の均てん化をどう進めるのか伺う。

A角井がん対策等担当課長 市町村では、会場と日時を定めて行う集団検診と、医療機関等で受診できる個別検診による受診体制を整備しており、6年度、居住市町村内で個別検診を実施できない自治体が68市町村あるが、多くの市町村では、近隣の医療機関で受診できる体制を整備している。

 道では、市町村がん検診の実施医療機関等について、がん種別ごとに一覧にまとめたホームページでの周知に加え、今後、個別検診を実施していない市町村に対し、実施に向けた働きかけを行うなど、全ての市町村において集団検診と個別検診の併用によって、がん検診を受診できる体制の整備が進むよう努めていく。

Q真下委員 感染症を要因とする子宮頸がん、胃がんなどについては、感染症対策として施策が掲げられている。特に、胃がん予防に効果があるとされるピロリ菌の除去の進み方について伺う。

A角井がん対策等担当課長 除菌治療については、それまで胃・十二指腸潰瘍の患者のみに保険適用されていたが、平成25年から、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎、いわゆる慢性胃炎に対しても保険診療が拡大されるなど、除菌治療の環境は整備されてきているものと認識している。

 道では、道内市町村における中学生や高校生を対象としたピロリ菌検査に関する調査を行っており、ピロリ菌検査を実施している市町村は、ことし4月1日現在、59市町村と、平成30年の53市町村から6市町村の増となっている。

Q真下委員 希少がん、小児がん等の診断、治療について。圏域外の医療機関への通院や付き添い等が必要となる例が多くなる。人工透析や妊産婦等に対する交通費や宿泊費の助成が北海道では実施されているが、がん治療でも、少なくとも2次医療圏で完結できない場合は支援を検討していく必要があると考えるが、見解を伺う。

 また、小児がんの拠点病院と連携する医療機関のない2次医療圏の数も併せて伺う。

A角井がん対策等担当課長 希少がん・小児がん患者等への支援について。道では、身近なところで必要ながん医療を受けることができるよう、国が指定するがん診療連携拠点病院のほか、これに準じて道が独自に指定するがん診療連携指定病院を整備してきている。

 また、小児がんについては、小児がん拠点病院である北大病院を中心に、連携する拠点病院などで構成される地域小児がん医療提供体制協議会に参画し、体制整備を図っているところ。

 なお、2次医療圏単位で見ると、小児がん拠点病院と連携する医療機関がないのは9圏域である。

 道としては、希少がんや小児がんに対応できる病院と拠点病院等との連携を図りながら、がん患者の方々が必要な医療や相談支援を受けられるよう取り組んでいく。

Q真下委員 社会参加やクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上によって、生きる意欲を支えるサバイバーシップ支援が全国で広がっている。外見の変化について相談できた人は、成人で28・3%、小児は51・8%にとどまっているという調査結果だが、やはり、ニーズは大きいと思う。ところが、道は課題と捉えるだけで対策を講じていない。

 がん治療に伴うアピアランスケアの必要性と効果に関する道の認識を伺う。

A角井がん対策等担当課長 道では、医療の進歩によって、治療を継続しながら社会生活を送るがん患者の方々が増えてきている中、治療に伴う外見の変化に対応し、社会とのつながりを維持し、安心して治療に専念していくためにも、医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するアピアランスケアは重要であると認識している。

Q真下委員 全国では、頭皮保護ネットを含むウィッグや、乳房切除に伴う乳房補正具、補正パッドや人工乳房、バスタイムカバー等を対象としたアピアランスケアの推進に、県単位、あるいは市町村単位で支援を始めている。旭川市は、8月からエピテーゼを含む助成事業を開始する予定だと聞いている。

 そこで、全国のアピアランスケア支援・助成事業および道内市町村の取組状況を伺う。

A角井がん対策等担当課長 他県等における助成状況について。昨年11月に他県が実施した調査によると、5年度までに医療用ウィッグ等の購入費用への助成を実施しているのは30都県となっている。

 また、道内で同様の助成を行っている市町村は、4年度に音更町が実施し、5年度に函館市、6年度から札幌市、伊達市、芽室町で実施され、ことし8月から旭川市が実施予定となっている。

Q真下委員 全国では、県単位で取り組んでいるところは市町村の取組も進んでいて、相関関係が見られる。道内は6市町と、道が事業化していないためなのか、広がりを欠いているのではないかと考える。ニーズは強くあり、道も重要と認識をされている。道の支援が必要と考えるが、見解を伺う。

A角井がん 対策等担当課長 がん患者のアピアランスケアに対する支援については、地域によって差が生じることなく全国で同様の支援が受けられることが重要との考えのもと、他の都府県と連携し、国へ助成制度の創設を要望しているところ。

 今後も、がん診療連携拠点病院や関係団体と連携し、患者や家族への適切な情報提供に取り組むとともに、国に対し、全国知事会をはじめ、様々な機会を通じて医療用ウィッグなどの購入に対する助成制度の創設を要望していく。

Q真下委員 がん治療による副作用、影響を乗り越えて生きていこうとする道民が必要とするアピアランスケアは重要だと答弁されている。道として取り組むということは必須の事業だと考える。今後どのように対応していくのか伺う。

A竹内健康安全局長 今後の対応について。道では、ことし3月に策定した、がん対策推進計画に基づき、アピアランスケアに関する正しい知識の啓発のほか、がん診療連携拠点病院等と連携して、患者本人や家族の皆さんへの情報提供に取り組むとともに、国に対し、医療用ウィッグなどの購入に対する助成制度の創設を要望しているところである。

 また、本年度、新たに、がん対策の推進について連携協定を締結した企業との共催で、アピアランスケアセミナーの開催を予定しており、今後とも、患者団体などが参画するがん対策推進委員会において、より効果的な取組について議論を重ねながら、がん患者の皆さんが安心して生活できるよう、患者やその家族の皆さんに寄り添った支援に努めていく。

Q真下委員 これまでの取組の結果が全国平均から大きく後れを取り続けているという自覚を持って、新たな展開をしなければならない段階だと考えるが、見解を伺う。

A古岡保健福祉部長兼感染症対策監 がん検診受診率の向上対策について。がんは、早期発見し、適切な治療を行うことで死亡率の減少につながることから、道民の皆さんにがん検診の必要性等について理解を深めていただくとともに、検診を受けやすい体制の整備を図ることが重要である。

 このため、市町村では、検診日を土、日や早朝、夜間に設定するなど、住民が検診を受けやすい体制の整備に努めているほか、道においても、市町村や検診実施機関を対象とした研修会や、郵便局と連携した「がんを知る展」の開催、また、企業や関係団体と連携した啓発動画の作成やセミナーの開催など、がん検診の重要性について普及啓発に努めてきているところ。

 道としては、有識者やがん患者団体等が参画するがん対策推進委員会で議論をいただきながら、検診受診率の一層の向上に向けた効果的な施策の検討を行い、市町村や医療機関、企業や関係団体等と連携をし、より実効性のあるがん対策の推進に努めていく。

◆ゼロカーボンパーク

Q今津委員 ゼロカーボンパークの概要として、その制度設計や、登録に伴う国の支援策について伺う。

A遠藤自然公園担当課長 環境省では、国立公園においてゼロカーボンシティ表明を行い、モビリティーの脱炭素化、利用施設への再エネ・省エネ設備導入、脱プラスチックの取組など、持続可能な観光地づくりを進めているエリアをゼロカーボンパークとして登録し、カーボンニュートラルのショーケースとして、訪れる国内外の人たちに脱炭素型の持続可能なライフスタイルを体験する場づくりを目指している。

 また、ゼロカーボンパークに登録されたエリアに対して、公園施設のトイレ洋式化などのインバウンド対応や、温暖化対策実行計画の策定などを要件として、施設の再エネや省エネ設備などの導入に対し補助を行うほか、先進的な取組を行っている地域として広く情報発信を行っている。

Q今津委員 道内の登録状況について伺う。

A遠藤自然公園担当課長 現在、全国14の国立公園で17のエリアが登録されており、このうち、道内では、4年3月に阿寒摩周国立公園の阿寒湖温泉と支笏洞爺国立公園の支笏湖地域が登録されて以降、阿寒摩周国立公園の釧路市、弟子屈町、美幌町および足寄町、釧路湿原国立公園の釧路市が登録され、ことし6月16日の大雪山国立公園の美瑛町の登録によって、全道四つの国立公園で五つのエリアが登録されており、全国47都道府県の中で最も多い。

Q今津委員 新たにゼロカーボンパークとして登録された地域においては、今後どのような取組が進められていくのか伺う。

A遠藤自然公園担当課長 美瑛町の取組について。町では、脱炭素の取組として、二酸化炭素吸収源である森林の適切な管理と植林や木育事業のほか、公共施設や宿泊施設などへの再エネ活用や省エネ設備の導入、さらには、電気自動車推奨エリアを設け、EV充電設備の設置を推進するなど、ゼロエミッションモビリティーの普及を図ることとしている。

 また、公園内の利用拠点において、分別を分かりやすく表示したペットボトル専用回収ボックスの設置による徹底した分別回収とリサイクルの実施のほか、公園利用者へマイボトルの使用や資源ごみの分別を促すなど、脱炭素、脱プラスチックの取組を進めることとしている。

Q今津委員 ゼロカーボン北海道を推進している道として今後どのように取り組んでいくのか伺う。

A加納環境生活部長 今後の取組について。ゼロカーボンパークは、道が進めるゼロカーボン北海道の推進はもとより、道内の国立公園の優れた自然環境の保全と道内外からの誘客促進などにもつながる有効な取組であると認識している。

 道としては、引き続き、国と連携を密にして、より多くのエリアで登録が進むよう、様々な機会を通じて、市町村に対し、ゼロカーボンパーク制度の趣旨やメリット、登録地域の取組事例について周知し、登録を促すとともに、道内のゼロカーボンパークの取組を道内外の皆さんに広く知っていただけるよう、SNSやホームページなど効果的な媒体を活用して広く発信し、地域の脱炭素化と、優れた自然環境の保全と持続的な活用の促進に努めていく。

(道議会 2024-10-04付)

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