近代美術館 ポケット学芸員充実へ　音声ガイド１１月公開予定　札幌北陵高生がナレーション

（道・道教委 2024-10-10付）

近代美術館・ポケット学芸員充実へ音声ガイド

　道立近代美術館は、スマートフォンアプリ「ポケット学芸員」のコンテンツ充実に向けて、音声ガイドの追加に取り組んでいる。本年度のナレーションは、札幌北陵高校（加藤誠校長）放送局の工藤優莉さんと橋爪心桜さん（共に３年）が担当。４日に行われた収録では８作品の原稿を交互に読み上げ、特徴や制作背景を吹き込んだ。音声ガイドは１１月に公開予定。２人は「貴重な機会でとても楽しかった」と笑顔で話した。

　ポケット学芸員は、展示物の解説を音声や文章で楽しめる無料のアプリで、近代美術館では５年度から導入。「外部との連携によって美術活動を豊かにすることを目指している」（土岐美由紀企画推進課主任学芸員）というスタンスのもと、高校生による音声ガイドの作成に取り組んでいる。

　本年度は、近代美術館や三岸好太郎美術館、知事公館の前庭にある野外彫刻８作品のガイドを作成。前年度に続いて、北陵高放送局にナレーションを依頼した。

　音声を担当した工藤さんと橋爪さんは９月に原稿を受け取り、模試などの合間を縫って自宅で練習した。聞き慣れない作家名や単語にルビを振ったり抑揚をメモしたり、言いにくい言葉を何度も繰り返し練習したりするなどの工夫を重ねたという。

　４日の収録では、放送局顧問の竹内康宏教諭と土岐主任学芸員が見守った。竹内教諭は「“回転螺旋”という言葉は“回転”で区切るだろうか」「柔らかい言い方で」などとアドバイス。土岐主任学芸員も作家名の読み方などを助言した。

　生徒たちは「“種子”は“たね”と読むか“しゅし”と読むか」などと質問しながら、より良いガイドの作成を目指し、作品の特徴や背景を吹き込んだ。

　収録を終えた工藤さんと橋爪さんは「聞き取りやすいように区切ったり、作品名等をゆっくり言うように心がけた」と安堵した表情を浮かべ「とても緊張したが楽しかった」と笑顔を見せた。竹内教諭は「練習の成果を発揮してくれた。２人とも頑張った」とねぎらった。

　収録した音声は、１１月の公開を目指す。土岐主任学芸員は「しっかり吹き込んでいただいてありがたい」と感謝。「誰でも作品に興味を持って親しんでもらえるよう、アプリをさらに充実させていきたい」と話した。

(道・道教委 2024-10-10付)