道教委・大鐘委員 後志管内視察 個人の実践が組織改善に 倶知安小の健康教育に関心
(道・道教委 2024-10-24付)


寺澤養護教諭から健康教育に関する取組説明を受けた

 【小樽発】道教委の大鐘秀峰委員は18日、後志管内教育状況を視察した。うち倶知安町立倶知安小学校(中村和男校長)では、健康教育推進リーダーを中心に全校一丸で児童のメンタルヘルス対策に取り組む成果などを確認。大鐘委員は、児童の悩みを受け止める投稿システムなどの取組に対し「個人の前向きな実践が組織改善につながっており素晴らしい」とたたえた。

 視察には、道教委から総務課の佐藤基課長補佐、後志教育局から新居雅人局長、田中孝二義務教育指導監、居弥口靖博企画総務課長が随行した。

 一行は、倶知安小をはじめ、倶知安農業高校、ニセコ高校の3校を訪問。倶知安小では、学校力向上に関する総合実践事業の取組とともに、健康教育推進リーダーによる児童のメンタルヘルス対策を視察した。

 健康教育推進リーダー育成事業は、児童生徒の健康課題解決に資する取組の充実などを目的に、4年度からスタートしたもの。6年度からは、孤立しやすい傾向にある初任段階養護教諭への支援体制改善などを目指して、健康教育推進リーダーを各地域に派遣する事業を開始した。

 倶知安小を訪れた一行は、中村校長、髙橋健悟教頭から学校力向上に関する取組、「倶知安プラン」に基づいた町内小・中学校の統一した取組を確認したあと、5年度健康教育推進リーダーの寺澤実乃里養護教諭による児童のメンタルヘルス対策の説明を受けた。

 寺澤養護教諭は昨年9月、児童たち自身が心の状態や変化に気付いたり、SOSを発信したりしやすくなればと、グーグルフォーム上や保健室前に「あのねポスト」を設置。悩みを抱える児童との面談を経て、教職員全体での情報共有や中学校への円滑な引き継ぎにつながるなど、生徒指導事案への発展を未然に防止した成果を示した。

 このあと、一行は4~6年生の授業を見学。大鐘委員は、児童に話しかけながら、ICTの効果的な活用や個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に取り組む学校教育の最前線をあらためて確認した。

 大鐘委員は「今求められている学びの在り方の根本がつくり上げられている」と述べた。健康教育推進リーダーを中心とした取組に関して「個人の前向きな実践が組織改善につながっており、素晴らしいもの」と高く評価した。

この記事の他の写真


児童たちの学びを視察する大鐘委員ら

(道・道教委 2024-10-24付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委 教員採用候補追加選考 137人の採用を予定 出願受付は11月12日まで

 道教委は公立学校教員採用候補者追加選考検査の7年度実施要領を公表した。小学校・中学校・高校教諭で採用予定人数は計137人。うち小学校教諭区分では約60人程度の採用を見込んでいる。11月12...

(2024-10-25)  全て読む

道教委 5年度部活動調査結果 加入率1.1P減 71・6%に 拠点校方式の導入広がる

 道教委は5年度部活動に係る調査結果をまとめた。札幌市立を除く道内公立中学・高校、特別支援学校における部活動の加入生徒数は10万7573人となり、4年前と比べて1万2476人減少。加入率は7...

(2024-10-25)  全て読む

道教委がいじめ問題対策連絡協 早期発見・対応へ情報共有 最新知識 養成段階で習得を

道いじめ問題対策連絡協議会  道教委は24日、札幌市内のかでる2・7で道いじめ問題対策連絡協議会を開催した。道内の市町村教委、学校、PTA、関係機関・団体から23人が参加し、いじめ防止に向けた情報共有、啓発活動、早期発...

(2024-10-25)  全て読む

道教委 小・中教育課程改善協議会 資質・能力育成の授業へ 中学校国語 指導計画作成演習

 道教委の本年度小・中学校教育課程改善協議会が10日から始まった。16日に開催した中学校国語部会には49人が参加。単元「走れメロス」の指導計画を作成する演習などを通して、国語科の資質・能力の...

(2024-10-25)  全て読む

道教委が部活動等関係者会議 指導者確保策など協議 地域連携で人材掘り起こしを

部活動関係者会議  道教委は22日、札幌市内のかでる2・7で第1回部活動・地域クラブ活動関係者会議を開催した。部活動の地域移行に向けた取組状況を説明し、指導人材の確保など今後の方策について意見交換。地域課題の...

(2024-10-24)  全て読む

道教委が働き方改革促進会議 ICTツール導入支援を 学校業務の改善へ意見交換

  道教委は21日、道庁別館で6年度第1回学校における働き方改革促進会議を開催した。学校訪問で聴取した業務改善の取組や現場の課題を報告し、改善点を議論。業務改善に資するICTツールの購入支援...

(2024-10-23)  全て読む

道立学校年代別の時間外勤務 ベテラン層で長時間傾向 ICT習熟、意識面に課題も

表1  道教委は道立学校における主幹教諭・教諭の5年度時間外在校等時間の状況を年代別にまとめた。目標値である年間360時間以内の割合は30歳以下が42・7%と最も低かった一方、1000時間を上回る...

(2024-10-23)  全て読む

札幌北陵高 教員育成プログラム 1学年に小・中職場体験 3年間の系統的な取組へ

 道教委と道教育大が連携して取り組む北海道高校「未来の教員育成プログラム」の拠点校・札幌北陵高校(加藤誠校長)は、本年度から1学年に小・中学校へのインターンシップを導入する。道教委の「高校生...

(2024-10-22)  全て読む

道教委 健康教育研究協渡島・檜山 望ましい生活習慣定着へ 國學院大・青木教授が講演

健康教育推進研究協議会  【函館発】道教委は7日、函館市亀田交流プラザで健康教育推進研究協議会を開いた。オンラインを含め、全道から教職員約140人が参加。講演や実践発表等を通して、児童生徒の望ましい生活習慣の定着を...

(2024-10-21)  全て読む

道教委 小・中教育課程改善手引 資質・能力3編で整理 授業改善の具体など示す

 道教委は、6年度小・中学校教育課程改善の手引を作成し、義務教育課のホームページで公開した。現行の学習指導要領の着実な実施によって、育成が求められる資質・能力を「総則」「Topics」「各教...

(2024-10-21)  全て読む