札幌和光小 実践研究「学び場」 「自分だったら」を意識 国語2年 心情寄り添い手紙
(札幌市 2024-12-05付)

和光小実践研究「学び場」

 札幌市立和光小学校(斎藤俊博校長)は11月上旬から下旬の3日間、実践研究「学び場in和光」を開催した。研究主題「共に考え、分かる・できる・深まる授業」のもと、国語、算数、特別支援の3授業を公開。11月27日の国語部会では「自分だったら」と考えながら、登場人物の心情に寄り添った手紙を書かせる2年生の授業を展開した。

 同校では、研究主題の実現を目指し①子どもが問いを見つけ、考えを持つための手だて②子どもの考えが広がり、深まるための関わり―の二つの視点を重視した授業づくりを進めている。

 27日は、2年1組国語「自分とくらべて読み、登場人物に手紙を書こう“お手紙”」(島野結衣教諭)を公開した。

 単元では「お手紙」を題材に、登場人物であるがまくんとかえるくんの心情を読み取った上で「がまくんやかえるくんに“自分だったら”と考えながらお手紙を書こう」との言語活動を設定している。

 12時間扱いの9時間目となる本時では、最終の第4場面を扱い、叙述や挿絵などを根拠に登場人物の心情を想像し、自分の体験と結び付けて考えさせる活動を位置付けた。

 島野教諭は導入で、第1場面と第4場面の挿絵を比較できるように提示。どちらの場面もがまくんとかえるくんが手紙を待っている様子を描いているが「どんな違いがあるかな」と問いかけた。

 児童たちは、これまでの学習を振り返りながら「最後の場面の方は2匹とも笑っている」「太陽が明るく差している」などと発言した。これを踏まえ「かたつむりさんに頼んだあと、手紙を待っているがまくんとかえるくんはどんな様子かな」と課題を示した。

 第4場面を音読させたあと、がまくんとかえるくんの心情が表れている叙述に罫線を引いたり、挿絵に印をつけたりするよう指示。これを踏まえ、がまくんとかえるくんの考えを想像しながらワークシートの吹き出しに記入させた。

 児童たちは、根拠となる叙述や挿絵について説明しながら「がまくんは“かえるくんからのお手紙、早く来ないかなあ”だと思う」「かえるくんは“がまくんが喜んでくれてうれしい”と考えている」などと発表した。

 島野教諭は「みんなだったらどう思うかな」と問い返したり「自分だったら~」と話す姿を価値付けたりするなど、自分の考えと比べながら読む意識を身に付けられるよう工夫を取り入れた。

 終末では、本時の学習内容を踏まえてがまくんかかえるくんに一言手紙を書く活動を設定。児童たちは「がまくんへ。お手紙届いて良かったね。私だったら泣いてかえるくんのことを抱きしめちゃうかも」「かえるくんはやっぱり優しいね。私も優しくなりたい」など“自分だったら”と意識して表現した。

(札幌市 2024-12-05付)

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