道教委が小中加配事務職員研開催 事務職員の役割等理解 国研・藤原総括研究官が講義
(道・道教委 2015-08-05付)

公立小中事務職員研究協議会
公立小中事務職員研究協議会

 道教委は七月二十八日、札幌市内の道第二水産ビルで道公立小中事務職員(新たなミッションを担う事務職員)研究協議会を開催した=写真=。加配事務職員配置校の校長および加配事務職員、各教育局義務教育指導監など百五十八人が参加。加配事務職員に求められる役割や在り方などについて理解を深めたほか、意見交換などを行った。

 同協議会は、加配事務職員配置校における学校運営の在り方、加配事務職員の役割や業務の内容、望ましい加配事務職員の在り方などについて、実践事例の紹介や意見交換等を行い、校長を中心とした一層の学校力向上を目的として実施したもの。国立教育政策研究所総括研究官の藤原文雄氏が、「学校事務職員の新たな役割について」と題して講義を行った。

 冒頭、桜井康仁教育政策課長があいさつ。第九十九回中央教育審議会初等中等教育分科会で協議した中間まとめ「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」にふれ、「“チーム学校”の実現を目指す中で、事務職員に対する期待が高まっている」と述べた。

 桜井課長は、現在、小学校五十二校、中学校三十一校に加配事務職員を配置していることを説明。「中間まとめと同じ観点で実施してきた」と話し、全国に先駆けた取組であることを強調した。同協議会に対しては、「“チーム学校”の実現は、加配事務職員の活用と管理職のリーダーシップにかかっている」とした上で、全参加者が、同協議会を学びの場とするよう呼びかけた。

 つぎに、藤原氏が中教審分科会の中間まとめを軸に講義を展開。三十二年度の新学習指導要領の小学校全面開始に伴い、新しい時代の学校づくりが求められている中、「“チーム学校”の実現は、学校の組織能力向上を目指した取組」と述べた。

 藤原氏は、チーム学校の実現に向けた具体的な方策として、三つの柱を提示。一つ目の「専門性に基づくチーム体制の構築」について、信頼関係にのっとった多職種協働が重要とした上で、「信頼関係構築には、管理職が全教職員をしっかりとみつめることが大事」と話した。

 二つ目の「学校のマネジメント機能強化」については、管理職の受けもつ業務が多岐にわたることにふれ、「教職員による主体的なサポートが肝要」と解説した。事例として、学校支援地域本部事業実施校で行われたミシンの授業を紹介。加配事務職員のサポートによって、地域から授業支援する人材を確保したことなどを伝えた。

 三つ目の「教職員一人ひとりが力を発揮できる環境の整備」に対しては、「時間管理などが、業務環境の改善につながる」と説明。業務増加を意識した環境整備が必要とした。

 教員が担当する業務の増加と、学級数に合わせた教員配置が少子化によって困難となっていることを勘案して、「加配事務職員が学校経営を下支えしている」と指摘。校長に対するアンケートの結果、「教職員の負担軽減につながっている」との回答が半数以上にのぼったことも併せて紹介した。

 さらに、加配事務職員に対するアンケートでは、管理職からの支援を望む声が多かったことを説明し、「管理職と加配事務職員の連携をよりよい学校づくりに生かしてほしい」と述べた。

 講演のあと、札幌市立東白石中学校および江差町立南が丘小学校の取組事例紹介と意見交換を実施。事務職員の能力を学校経営に生かすために必要な環境づくりや、学校の総合力向上に対してどのような取組が有効か、意見を交換した。

(道・道教委 2015-08-05付)

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