オホーツク小中教頭会研究大会のレポート提言(関係団体 2015-09-08付)
【網走発】第四十三回オホーツク管内小中学校教頭会研究大会では、四分科会による研究協議が行われ、計八本のレポート提言のもと活発な議論が交わされた。ここでは、教育課程に関する課題をテーマとした第一分科会における、教職員の専門性に関する課題と教育課程に関する課題の提言概要を紹介する。
専門性高め合う教師の育成―小清水中・本田健裕教頭
・研究課題=生きる力を育む信頼される学校づくりの推進~教職員の専門性を高め合う教師集団の育成と教頭のかかわり
・研修テーマ=教職員の研修意欲の向上・校内研修の充実と教頭のかかわり
・発表者=小清水町立小清水中・本田健裕教頭
◆課題設定の要旨
現在、学校には様々な課題が山積している。特に、児童生徒の学力・体力向上を図ることは喫緊の課題である。教職員には、その責務を自覚し、自らの資質や能力、専門性を高めることが強く求められている。
私たち教頭は、学校の教育力向上を図り、児童生徒の学力向上、教師の授業力向上に直結する研修意欲の向上・校内研修の充実を図ることが大切である。
◆研究のねらい
▽教職員の専門性を高めるため、教頭としてのかかわり方についての課題を明確にする
▽一年次の実態把握の分析結果を踏まえ、具体的方策の実践に取り組む
◆研究計画・研究内容
▼研究計画
▽26年度=テーマ設定・計画立案・実態把握
▽27年度=実践と検証
▽28年度=実践の深化と研究のまとめ
▼研究内容~校内研修の充実と教頭のかかわり
▽小中連携委員会の開催を指示し、町教振研修・校内研修の一体化について検討を始めた。具体的には、町教振と各校の研究主題や目指す子ども像・研究仮説を共通化する作業に当たった
▽研修の部会を教科別部会から、教科横断的な課題別部会への移行を教頭から提案した
▽教務主任に命じ、スクールカレンダーに合同研修日を明記することと、小中学校での調整を指示した
▽研修主任に、合同研修の開催日の設定を指示した
▽研修主任に、各部会の反省等をもとに部会構成の再検討を指示した
▽乗り入れ研修をより有意義な研修とするために、研修部に調整させる
▽公開授業をより良いものにするために、外部講師などへの連絡、調整を指示する
◆研究の成果としての提言と課題
▼提言
▽校内研修の充実を図るために、「具体的かつ明確な指示をする」「実行させる」「実行結果の点検を行う」―このサイクルを実行する
▽校内研修の充実を図るためには、小学校中学校の教頭同士の連携を密にする
▼今後の課題
▽本年度の研究では、教職員の研修意欲の向上について、取り組むことができなかった。校内研修の充実を図ることで、それをどのように研修意欲の向上に結びつけていくか
▽校内研修の成果を、日常の授業改善に結びつけるために、研修担当者を指導し、育てていくか
体力向上の取組推進へ―網走第四中・齋一成教頭
・研究課題=創意工夫を生かした教育課程の編成・実施・評価・改善と教頭のかかわり~子どもの体力向上に向けた取組を推進する教頭の役割
・発表者=網走市立第四中・齋一成教頭
◆課題設定の要旨
「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果をみると、北海道は依然として全国平均と比べて低い状況が続いている。とりわけ、新体力テストの結果については全国最低水準にあり、管内においては全道平均をさらに下回る大変憂慮する実態となっている。
教頭は、子どもの体力、運動能力・運動習慣等の現状を適切に把握し、全職員の共通理解を図るとともに、課題を分析し、中長期的プランを策定し、学校全体が組織として体力向上に向けた取組を推進する体制を整えていくことが求められる。
◆研究のねらい
▽オホーツク管内の子どもの体力・運動能力・運動習慣の現状と課題を明確にする
▽課題を分析して体力向上のための具体的な方策を明確にする
▽体力向上を図る具体的な取組を確実に実施するための教頭の役割を明確にする
◆研究計画
▽26年度=テーマ設定、実態・課題把握、方策の提言
▽27年度=具体的な方策の練り上げ、方策に基づく実践と検証
▽28年度=方策に基づく実践の深化、実践の成果と課題の確認
◆研究の成果としての提言と課題等
「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から、管内の体力の状況は憂慮すべき事態であるものの、「T得点」や「意欲」といった面で明るい兆しもみえてきた。だが、調査結果の推移のみにとらわれて一喜一憂すべきではない。結果はもちろん重要であるが、数値目標の達成がゴールではなく、今後も、体力向上の取組は必須の教育活動として続けていく必要がある。
そのように考えたとき、研究を終えてもなお取組が継続される、「持続可能な体制づくり」を、教頭がいかに画策するかが課題となる。
また、自校のみで完結する取組としないために、教頭会等での組織による連携を強化することも望まれる。学習指導要領には、「生涯にわたって運動に楽しむ資質や能力の基礎を育てる」という目標が示されている。生涯学習の視点に立った取組が、体力向上のさらなる可能性を広げるものと捉え、学校運営の要として教頭の役割を果たしていくことが必要となる。
(関係団体 2015-09-08付)
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