【解説】高卒求人、２２年ぶり高水準

（解説 2015-09-25付）

　厚生労働省は、来春卒業予定の高校生の求人・求職状況（七月末現在）をまとめた。求人倍率は、前年同期を〇・二六ポイント上回る一・五四倍と、平成六年卒（一・九八倍）以来二十二年ぶりの高水準となった。道内は、〇・二〇ポイント上回る一・一二倍と、この時期としては、統計がある昭和六十一年以降最も高い数値となった。

　学校・公共職業安定所の紹介で就職を希望する生徒の状況を取りまとめた。

　高校新卒者への求人総数は、前年同期比一九・九％増の二十八万五千九百六十一人と改善。求職者は〇・二％減の十八万六千五十五人で、有効求人倍率は〇・二六ポイント増の一・五四倍と、五年連続で改善。都道府県別では、東京が四・四五倍で最も高く、最低は沖縄の〇・七〇倍。大分を除く南九州四県など八県は一・〇倍に届かなかったが、全都道府県で前年同期を上回った。

　七月末時点の有効求人倍率は、平成に入り、四年度の三・〇八倍をピークに年々減少。十一年卒からは一倍を割り込んだものの、十九年から再び一・〇倍を超え（一・一四倍）、二十、二十一年と三年連続上昇。しかし、リーマン・ショックによる採用抑制もあって二十二年には〇・七一倍まで落ち込み、以降五年連続で一・〇倍を割り込んでいたが、昨年一・二八倍と六年ぶりに回復した。

　道内の状況をみると、求人数は九千九百二十四人で、前年同期比二一・二％増と大きく改善し、平成七年三月卒（一万百七人）以来の高水準となった。求職者数は〇・五％下回る八千八百四十六人で、求人倍率は〇・二〇ポイント上回る一・一二倍と、統計を取り始めた昭和六十一年以降最も高い数値に。一倍を超えたのは、四年三月卒（一・〇七倍）以来二十三年ぶりで、統計開始以来二度目。

(解説 2015-09-25付)