【解説】ネット上の違法情報検挙状況

（解説 2015-10-22付）

　警察庁は、ことし上半期におけるインターネット・ホットラインセンター（以下「センター」）の運用状況を明らかにした。

警察庁では、平成十八年六月から、インターネット上の違法情報や有害情報に関する通報を受理し、警察への通報およびサイト管理者やプロバイダなどへの削除依頼を行う業務をセンターに委託している。

センターがことし一～六月に受理した通報件数は、前年同期に比べ八百九十七件少ない七万五千七百九十四件、情報件数は七万八千百八十九件で、九百十五件減少。このうち、わいせつ画像や薬物関連などの違法情報は、一千六百五十五件減の一万六千三百三十七件となった。中でも、「ＦＣ２」など海外に拠点やサーバーがあるケースが九千七百五十六件と、急増した前年同期の件数（九千七百九十六件）とほぼ並んだ。これらは削除要請ができないという。有害な情報も三千四十八件で、八百六十八件増と大幅に増えた。

　センターから警察への違法情報の通報数は、一千四百三件減の六千五百五十一件。二十一年から年々増加傾向にあったが、この時期としては三年連続減少。

　センターがサイト管理者などに対して行う削除依頼については、依頼した違法情報二千三百七十一件の九七・八％（前年同期比三・六ポイント増）に当たる二千三百十八件が削除に応じた。また、有害情報九百八十三件の八〇・七％（同二〇・七ポイント増）に当たる七百九十三件を削除。

　センターから通報を受けた違法情報にかかる検挙件数は二百九十三件で、八十四件減少した。

　警察庁では今後、より悪質性の高い情報に重点を置き、違法情報・有害情報の取締りを継続的に推進するとともに、海外サイトの国内関係者の取り締まりを強化していく考え。

(解説 2015-10-22付)