【解説】教職員定数3・7万人減を(解説 2015-10-30付)
財務省は二十六日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会を開き、全国の公立小・中学校の教職員定数について、平成三十六年度までの九年間に約三万七千人減らす案を示した。
国の厳しい財政状況を踏まえ、確かなエビデンスに基づく議論を重ねていく必要があるとした。
財務省はことし五月、少子化を踏まえた教職員定数の合理化として、向こう九年間で約四万二千人減らす計画を示したが、最新の学級数や児童生徒数などをもとに試算し直した。
現在、学校数や学級数に応じて配置する「基礎定数」は十クラス当たり十六・三人、いじめ問題など個々の課題に応じて配置する「加配手数」は十クラス当たり一・六人。
財務省は少子化の進展によって、三十六年度までに児童生徒数は九百六十九万人から八百七十五万人と九十四万人減り、クラス数も現在の三十八・七万から三十六・六万と二・一万クラス減少すると試算。これをもとに、教職員定数を基礎定数で約三万三千人、加配定数で約四千人、合わせて約三万七千人を減らす案を財政制度分科会に示したもの。
一方、文部科学省は、教職員定数改善計画で、三十六年度までに教育の質の向上などの観点から、基礎・加配定数の割合を十クラスに一人増加させるとしている。
具体的には、基礎定数はアクティブ・ラーニングの実施などによって、自然減よりも減少幅を小さくし約一万六千人の減、加配定数はいじめ問題への対応などで約一万人増と、全体で約五千人の減とする考え。
二十八年度予算概算要求でも三千四十人の増、自然減三千百人と合わせ、削減数を六十人にとどめるよう求めるなど、加配定数をめぐる考えは根本的に食い違っている。
(解説 2015-10-30付)
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