上富良野町教研が教育研究大会　心豊かな子どもの育成　国語科など４授業を公開

（関係団体 2015-11-05付）

上富良野町教育研究大会

　【旭川発】上富良野町教育研究会（黒田広幸会長）は十月二十三日、町立上富良野小学校（森将人校長）で二十七年度町教育研究大会を開催した。同会研究主題は「心豊かでたくましく生きぬく児童生徒の育成」。同校研究主題「〝みんなで伝えよう！〟楽しく学び合う上小っ子の育成～言語活動の充実を通して」のもと、国語科など四授業を公開。うち、五年「大造じいさんとがん」（中野絢子教諭、児童数三十四人）では、物語の山場をとらえ、登場人物の関係や心情をまとめる授業を行った＝写真＝。

　同会の主題を踏まえ、同校では、単元を貫く言語活動を活用し、伝え合う・学び合うための技術と方法、意識の向上を重視し、研究主題を設定した。

　そのため、①方法と技能の定着を徹底した授業づくり②目的のある学習活動の設定・工夫～単元を貫く言語活動③各単元や各時間の目標に準拠した評価方法の工夫―の三点を研究内容に位置付けた。指導事項や教材の系統性、板書計画、言語活動、可視化した評価方法などの工夫に努めた。

　これまでの成果から、他学年の読み聞かせやオリジナルファンタジーづくりなどの言語活動を通し、誰かに伝えるための「相手意識」が児童に芽生えた。

　また、目的意識をもって教材文を読み進めることで、児童が視点を定めて内容を理解し、読解する流れが自然に行われるようになった。

　今後は、課題となっている単元を貫く言語活動の充実や、③に重点を置いて研究を進めていく。

　公開授業のうち、五年「大造じいさんとがん」は、八時間扱いのうち五時間目。単元を貫く言語活動に、物語の内容を、中心人物の立場で書き換え、他者に紹介する「変身ボックスをつくろう」を設定した。

　本時では、物語の山場をとらえ、登場人物の相互関係や心情の移り変わりをまとめることを目標とした。

　導入では、「変身ボックス」をつくる目的や前時までの学習の振り返りを行ったあと、中野教諭が「選んだ物語の〝山場〟を考えよう」と課題を提起。物語の冒頭とおわりの中心人物の心情と、その根拠となる叙述を読み取らせた。

　また、山場の見つけ方として、中心人物の心情や行動が大きく変わるところを探すなどの方法を確認。その上で、児童は根拠を明確にしながら山場を考えたほか、考えが同じ児童で交流した。

　中野教諭は「〝山場〟を考えると、物語の構成や中心人物の心情の変化をより深くとらえることができる」とまとめた。

(関係団体 2015-11-05付)