真の教育改革の出発点に 北教組・道私教協などが第65次合同教研全道集会開催(関係団体 2015-11-06付)
北教組・道私教協などが合同教研全道集会
【小樽発】北教組、道私教協は十月三十日から三日間、小樽市民センターマリンホールや小樽市経済センター、小樽市立長橋小学校などを会場に、第六十五次合同教育研究全道集会を開催した=写真=。全道各地から約五百人が参加し、記念講演、分科会、市民フォーラムなどを実施。開会あいさつで、北教組の小関顕太郎中央執行委員長は「本次合同教育研究集会を〝歴史に学びながら新たな歴史を創る〟〝子どもたちの側に立った真の教育改革の出発点〟に」と強調した。
全体会では、開会宣言、『緑の山河』斉唱のあと、北教組の小関中央執行委員長があいさつ。「子どもたちは、一人ひとりの個性豊かな存在から、数値化された尺度でみられる存在へおとしめられているのではないか。不登校・いじめ・自死など顕在化した苦悩が問題行動とされ、画一的な価値観や規範意識を押し付けられ、さらには刑罰化によって社会へ順応することを強いられているのでないか」と指摘した。
各地区で様々な実践を発信し続ける仲間の存在を強調し、「平和・人権・民主主義・環境・いのちを守る立場から、〝未来を担う子どもたちに戦争と貧困を引き継がせない社会〟の実現に向けて、手を携え、実践と運動を強化し、社会を変える運動として発信していこう。本次合同教育研究集会を、〝歴史に学びながら新たな歴史を創る〟〝子どもたちの側に立った真の教育改革の出発点〟に」と訴えた。
次いで、あいさつに立った道私教協の川又英弘執行委員長は、延滞者数が三十三万人にまで増加している奨学金制度の実態にふれ、「労働規制の緩和等による雇用の劣化、不安定雇用と低賃金労働を拡大させ、中間層の崩壊につながっている。奨学金を〝返したくても返せない〟のは社会的構造の問題としてとらえる必要がある」と言及。「教育や教育労働者をめぐる情勢は厳しさを増しているが、私学の仲間たちも本次合同教育研究集会に参加し、多くの教訓を受け止めて職場にもち帰ろう」と呼びかけた。
続けて、北教組小樽市支部の磯野泰昭支部長が小樽市に訪れた多くの参加者に歓迎の思いを伝え、「これまで積み上げてきた教育課程の自主編成運動に自信と誇りをもち、粘り強く運動を継続しなければいけない。〝点〟であった自主的・創造的な教育実践を〝線〟につなげ、〝面〟に広げ、さらに大きなうねりにするための意義深い場になれば」と期待を寄せた。
このあと、来賓あいさつ、基調報告、法政大学教授で小説家の島田雅彦氏が「文明の担い手を育てる~教職員と子どもたちがより自由かつ多様であるために」と題した記念講演を行ったほか、①改悪「学習指導要領」に対峙し、子どもを中心とした学校を創り出すために~子どもを民主的な主体として育てる・主権者教育をどうすすめるか②文科省「特別支援教育」を実態化させず、共生・共学の教育実践をすすめるために~「障がい者差別解消法」施行まで半年!!何もしないと「差別」?「合理的配慮」ってなんだ!?③アイヌ民族の近現代史を学ぶ「北海道旧土人保護法」とは何だったのか~「開拓」期の歴史を中心にして―をテーマに教育実践セミナーを行った。
二日目と三日目は、小樽市立長橋小学校と小樽市立潮見台小学校で分科会を実施。平和・人権・民主主義・環境・共生共学などの観点から進めてきた教育実践をもとに、議論を深めた。
このほか、二日目には、小樽市教育会館で、「若年層教職員が主体的に取り組む自主編成運動について」「若年層教職員が求める組織活動について」をテーマに「青年のつどい」を開催。また、市内各所を巡って小樽市の魅力を探る「市民フォーラム(フィールドワーク)」を実施した。
(関係団体 2015-11-06付)
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