道中第5回理事研・小西会長のあいさつ概要 全国学力調査が序列化生まない公表を 加配定数削減の主張に強い憂慮
(関係団体 2015-11-18付)

道中会長あいさつ
道中・小西会長あいさつ

 十二日に開かれた道中学校長会第五回理事研修会における小西俊之会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。

 四点について話したい。一点目は、道中研・全日中研および地区別教育経営研究会について。

 九月二十五~二十六日に行われた第五十七回道中学校長会研究大会桧山・江差大会を終え、一月半がたとうとしている。先日、発行した道中だより三四八号においてあらためて会員の皆さんに大会の内容について報告させていただいた。

 江差町を会場に二日間にわたり開催されたこの大会には、全道各地より二百八十人の会員の参加があった。

 大会実行委員長の大村校長先生を中心に、小学校の校長も含めた桧山地区校長会の総力を挙げた、きめ細かな配慮と準備、そして、もてなしによって大きな成果を上げるとともに、心に残る充実した大会になったと確信している。

 また、先月末に行われた全日中研究協議会福岡大会にも、多くの道中会員の皆さんに参加いただいた。遠方ということで地区校長会としても苦労されたことと思う。昨年の苫小牧大会の成果が、無事福岡大会につながったことを確かめることができたと思っている。

 また、道中を代表して、第七分科会において後志小中学校長会と小樽市校長会から提案が行われた。校長会としての共同研究から得た成果と課題、校長としてのリーダーシップや関与の仕方、校長会としての補完機能など示唆に富んだ提案であったと思う。

 つぎに七月二十八日の宗谷地区からスタートし、十月十九日の札幌市まで各地区において行われた「地区別教育経営研究会」について、企画・運営を担当された各校長会の役員ならびに関係者の皆さんに心よりお礼申し上げる。

 各地区においては、年々、内容や運営方法など十分検討や工夫が進められ、校長の職能向上に資する充実した研究会となっていることにも感謝申し上げる。今後もさらなる充実を目指していただきたい。

 二点目は、全国学力・学習状況調査について。

 道教委より本年度の調査結果のポイントとして、すべての教科で全国平均以上という目標には届かなかったが、昨年度に引き続き改善の傾向がみられると評する一方、いまだ下回る教科や差が広がった教科もあることを厳しく受け止め、検証改善サイクルのより一層の確立、正答数の少ない児童・生徒の学習状況の改善など一層の努力が必要であることが指摘された。

 現在、国の実施要領に基づき、市町村名を明らかにした結果の公表について、十月末現在で、道内百七十九市町村のうち、百三十四市町村の教育委員会が公表に同意し、十一月末に道教委から北海道版結果報告書が出されることになっている。

 道教委では、学校・家庭・地域・行政が一体となって課題に取り組むことが大切とし、質問紙調査から見えてきた本道共通課題として「計画的な家庭学習」「テレビ・ゲームの時間の長さ」「授業冒頭の目標提示や振り返り」などを挙げている。

 道中としては、学校名を明らかにしての平均正答率の公表など、学校の序列化や過度の競争を生むような公表とならないよう今後も働きかけていこうと考えている。また、それぞれの学校が自校の結果の細かな分析を通じ、あらためて課題を明らかにし、改善に向けての具体的な取組について検討し、家庭や地域に対してしっかりと説明責任を果していかなければならないと考える。

 調査結果については分析ツールを活用するなどして、各教科の状況はもちろん質問紙調査の傾向についてもその状況を生徒や保護者、地域に分かりやすい形で示し、さらなる改善に向けて、家庭・地域・行政が一体となった取組を推進したいと考える。

 三点目は、文科省概算要求とそれに関する動向について。

 八月末に文部科学省が二十八年度予算概算要求等を発表し、九月末には文部科学省初等中等教育局財務課からの説明会が、全日中会館において行われている。今回は、「社会や子どもの変化に対応する新たな学校教育の充実の実現~アクティブ・ラーニング等の充実に向けた教職員定数の戦略的充実」を掲げ、教職員定数の改善増を計上し、創造性を育む学校教育の推進、学校現場が抱える課題への対応、チーム学校の推進による学校の組織的な教育力の充実を図ろうとしている。

 また、復興特別会計において、被災した児童生徒のための学習支援として一千人の加配措置を要求している。

 そのような中、先般の財政制度審議会において、少子化に伴う三万三千人の基礎定数の自然減を反映した上で、さらに三千七百七十一人の加配定数を削減できるという機械的・一方的な主張が、文部科学省に対して示された。

 加配定数削減の主張が財務省により繰り返されたことは、教育の質の向上を妨げるものと強い憂慮の念を抱くものであり、道中としても全日中会長と連名の要請書を、道小と合同で道教委をはじめ関係各位へ提出・送付したところである。

 この後、十七日には教育関係二十三団体全国集会が本年度も開催されるとのことで、道中としても期待を寄せているところである。

 引き続き道中・全日中、道小・全連小、道P・日Pが互いに連携し、多方面に働きかけていこうと思う。

 四点目については、道内における教育情勢と校長会の組織運営について。

 二十六年五月に地公法の一部が改正され、地方公務員について人事評価制度を実施することが定められたことを受け、道教委では、二十年度から実施してきた学校職員評価制度を見直し、法が施行される来年四月より、新しい人事評価制度を実施することとした。

 また、新年度からの円滑な制度実施に向け、学校抽出によるモデル実施が、各管内の小中学校各一校において始まっている。該当校においては短期間でのモデル実施のため、苦労も多いことと思う。二月~三月には各学校への周知が行われる予定であるが、道中・道小では、各学校で混乱が生じないよう、丁寧な周知・説明を道教委に求めている。

 つぎに「政治的中立性にかかわるアンケート調査の実施について」であるが、この件に関しては、混乱を生じたなどの連絡は今のところ入っていないがどうであろうか。

 教職員の広域人事、昨年度より始まった管理職の他管交流、修学旅行引率旅費配分基準の変更などについても、引き続き各地区の状況を把握するよう努め、課題があればそれらをまとめ、校長会として道教委に改善を要望しようと考えている。各地区からの意見は事務局に寄せてほしい。

(関係団体 2015-11-18付)

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