道相研が第2回研修会 学校全体で褒める取組を ポジティブな支援方法紹介(関係団体 2015-11-19付)
道相研第2回研修会
道学校教育相談研究会(=道相研、西田隆雄会長)は十四日、札幌市生涯学習センターちえりあで二十七年度第二回研修会を開いた=写真=。札幌市立新川小学校教諭・特別支援教育コーディネーターの久蔵幸生氏が「〝褒める〟重要性を問う~学校全体での〝褒める〟取組」と題して講演し、子どもの良い行動を「褒める」ことによって、良い行動を増やしていくなどのポジティブな支援方法を紹介した。
研修会では、冒頭、西田会長があいさつ。研究会の歩みを振り返りながら、この日の研修会について、「〝褒める〟ことは、普段から学校で行っているが、難しいこと。〝褒める〟ことを通して、自己肯定感を高めることについて学んでいきたい」と述べた。
久蔵氏の講演では、「行動の直後に良い結果が伴うと、その行動は強化される」という応用行動分析の考えをもとに、子どもを「褒める」ことは効果的だが、どう褒めるべきかは子どもによって違う、大人は子どもをしかる方が簡単で効果があり、褒めることに慣れていないなどの難しさがあることを解説。その上で、自校で行っている「チャレンジノート」「たいせつカード」などの取組を紹介した。
「チャレンジノート」は、特別支援学級の子どもたちを褒めるためにつくったノート。一人ひとりに専用のノートを用意し、日常生活からポジティブな行動をみつけて褒める言葉を記し、シールを貼る。ノートに褒め言葉やシールが増えていくことによって、良い行動のあとには、良いことが起こるというシステムをつくった。ノート導入によって、子どもたちには、良い行動が増え、その一方で不適切な行動が減る、積極性が増す、子ども同士で褒め合い、コミュニケーションの機会が増えるなど、また、大人にも子どもを褒める行動が増えるという効果がみられたという。
この取組を全校に広げるためにつくられたのが「たいせつカード」。チャレンジノートの取組は、通常学級でも有効ではあるものの、人数が多いため、一人ひとりにノートをつくって記入することは不可能。また、一人の子どもだけに特別なことはできないという。
そこで、良い行動をみつけたら、教師や子どもがカードに褒め言葉を書き込み、掲示板に貼る取組を始めた。良いことをしたら褒められるという全校共通のルールのもと、全体にポジティブな支援を行えるようになり、全体が安定することによって、「個別の指導が必要な子どもに対応しやすくなった」と説明した。
久蔵氏は、インクルーシブ教育にもふれ、「合理的配慮」について、「困っている子どもを含めて調整していこうという考え方。いろいろな子どもがともに学んでいける調整をすること」などと説明した。
(関係団体 2015-11-19付)
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