全小・中学校で目標設定 釧路局「体力アタックE―project」(道・道教委 2015-12-08付)
【釧路発】釧路教育局は、管内の子どもたちの体力向上を目指し、「体力アタックE―project」を推進している。管内のすべての子どもが、全国の子どもと同程度の体力・運動能力を身に付けられるよう、検証改善サイクルの取組の確立のため、ロードマップを作成。一年間を通して、子どもたちの体力・運動能力の向上を図るべく、管内の全小・中学校に新体力テストの八種目の数値目標を設定させ、各学校では自校の課題を明確化した上で様々な取組を行っている。
検証改善サイクル確立へ
昨年十二月に公表された新体力テストの管内平均の結果が全国・全道平均を下回ったことを受け、局ではことし一月、生きる力の源となる体力を保障するため、「体力アタックE―project」を始動。全国の子どもと同程度の体力・運動能力を身に付けさせる検証改善サイクルの取組の確立のため、ロードマップを作成し、一年を通して児童生徒の体力・運動能力の課題解決、運動や遊びなどに対する意欲の喚起を図っている。
ロードマップでは、ことし四月から来年三月までの一年間において、小・中学校、市町村教委、局が行う取組をそれぞれ提示。その取組の検証改善を行うため、新体力テストの前後で「1st体力アタック」「2nd体力アタック」の取組を設定した。
1st体力アタックとして、各学校は四~五月までに、①重点種目の児童生徒の体力・運動能力の状況を把握②新体力テスト個人記録カード等を活用し、全学年の児童生徒に新体力テストの目標値を設定させる③重点種目の結果等を踏まえ、体力向上計画の「新体力テストまでの取組」を見直し、適宜、改善を図る―を実施。
六~七月に新体力テストを行ったのち、各学校で結果を分析し、課題解決のための共通理解を図るとともに、来年三月までの体力向上計画を作成。課題種目の運動能力を高める取組を行う。
2nd体力アタックでは、市町村教委が十一~十二月に全国体力・運動能力、運動習慣等調査や各学校の新体力テストの結果を分析し、「体力向上アクションプラン」を作成。学校は翌年一~二月に当該市町村教育委員会が作成した「体力向上アクションプラン」や新体力テスト等の分析結果を踏まえ、「学校体力向上計画」を作成する。
このほか、道教委の「どさん子元気アップチャレンジ」の釧路版に当たる「チャレンジカップ」を実施。六~七月に「記録カップ(新体力テストの記録)」、十一~十二月に「伸び幅カップ(新体力テストから伸びた記録)」を開催し、各学校から提出された集計結果をまとめて各種目上位三人を表彰することで児童生徒の運動や遊びなどに対する意欲の喚起を図っている。
各学校では、新体力テストの八種目の数値目標を設定。自校の課題を明確化した上で、例えば、「上体起こしでは、授業の導入において十秒間腹筋や仰向け歩きなど体幹を鍛える運動を行う」「二十㍍シャトルランでは、授業の導入において体育館を三周走らせる」など、様々な取組を行っている。
授業改善以外の取組では、子どもたちの意欲を高めるため新体力テストの順位表を張り出したり、子どもたちがいつでもシャトルランに挑戦できるよう体育館の床に専用のテープを貼ったりと各校工夫を凝らしている。局では、「新体力テストに臨む学校の意識が変わってきた」と話す。
学校現場では、子どもたちの体力の高まりを実感。二十㍍シャトルランを重点種目に設定した学校の教員は、「持久力が上がることで、日々の授業にも積極的に取り組む子どもが増えている」と、その効果を説明。「昼休みには体育館で遊ぶ子どもたちの笑顔が輝いている」と話している。
(道・道教委 2015-12-08付)
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