道教委が特別支援教育課程研究協議会開く きめ細かな指導充実へ 編成・実施、評価などで協議
(道・道教委 2015-12-08付)

特別支援教育課程研協議会
特別支援教育課程研協議会

 道教委は三~四日、札幌市内道第二水産ビルで二十七年度道特別支援教育教育課程研究協議会を開催した=写真=。約二百四十人が参加。全体会で文部科学省主催の研修会の内容について共通理解を図ったほか、障がい種ごとの部会も開き、教育課程の編成・実施、評価などの課題について協議した。

 冒頭、伊藤友紀特別支援教育課主幹があいさつ。二十四年七月に示された「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」や、二十八年四月から「障害者差別解消法」が施行されることにふれ、「各学校では国の動向を踏まえ、保護者や道民に説明できる教育課程のもと、子ども一人ひとりの障がいに応じたきめ細かな指導の充実が大切」と指摘した。

 そのため、子どもの主体的な学びを支える視点から、「何を学ぶか」という目標や内容の見直し、「どのように学ぶか」という学習方法の見直し、「何ができるようになったか」という評価の見直しの必要性を示した。

 さらに、「教師の適切な言葉遣いや温かな表情など、最大の教育環境である教師の言動が子どもの心理面に大きく影響するため、日々の自身の言動についても振り返る機会にしてほしい」と要請。道教委として、「障がいのある子ども一人ひとりが光り輝くよう、個々の実態に応じた環境を整え、もてる力を最大限伸長させる視点のもと、指導の質の向上につながる取組を進める」と強調した。

 続く全体会では、文科省主催の二十七年度特別支援教育教育課程等研究協議会、および小・中学校の学習指導要領の着実な実施に向けた地方説明会におけるポイントを説明した。

 講師を務めた特別支援教育課の山内功指導主事は、公職選挙法の改正によって選挙権年齢が十八歳に引き下げられることについて、障がいの有無に関係なく政治や選挙への関心を高め、政治的教養を豊かにする教育の充実を要請 。特別支援学校(知的障がい)における模擬選挙などの取組を紹介した。

 道徳教育については、学習指導要領の一部改正によって「特別の教科道徳」となり、「読み物道徳」から「考える道徳」「議論する道徳」へ質的転換を図ることを示し、「教師の一方的な説明ではなく、問題解決的な学習や体験的な学習の導入を工夫して」と求めた。

 また、『わたしたちの道徳』を持ち帰り、家庭や地域で話し合う大切さ、道教委が作成した道徳教材『はあとふる』『はあとふる2』『北海道おもてなしハンドブック』の活用も呼びかけた。

 このほか、障がい種ごとに道立特別支援教育センター職員がポイントを説明した。知的障がい・自閉症・情緒障がいについては、センターの立田祐子知的障害教育室長が、①キャリア発達を促す取組②学習評価を踏まえた教育課程の改善③自閉症・情緒障がい教育における自立活動の指導―を柱に提示。

 ①では、「児童生徒自らが授業における学習目標を決め、評価する機会を設定して」と求め、②では「観点別学習評価を行う際には、目標と評価の一体化を図ることが大切」、③では「できることやもう少しでできそうなことを把握して」などとアドバイスした。

 午後から二日目にかけては、障がい種・学校種別に部会を開き、教育課程の編成・実施、評価に関する実践上の課題について話し合った。

(道・道教委 2015-12-08付)

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