自分を見つめる機会に 心に響く道徳教育推進事業―道教委(道・道教委 2016-01-04付)
道教委「子どもの心に響く道徳教育推進事業」における外部講師派遣校がまとまった。小・中学校六十校であり、全国的に活躍している、本道になじみの深い著名人による講演を行っている。
地域の人材や多様な専門分野の社会人を特別非常勤講師として任用し、道徳の時間等において子どもの心に響く授業を推進し、道徳教育の充実を図るために毎年度行っている事業。
昨年九月からことし二月までに幅広い経験や優れた知識・技術を有し、全国的に活躍している著名人を派遣。派遣講師は前年度の十七人から二十人に増員。新たに、甲子園に出場した元駒澤大学附属苫小牧高校野球部監督の香田誉士史氏、元水泳選手で五輪銅メダリストの田中雅美氏、気象予報士の菅井貴子氏を派遣したほか、㈱植松電機専務取締役の植松努氏、エスポラーダ北海道監督の小野寺隆彦氏、ミュゼット奏者の長嶺久美子氏、元コンサドーレ札幌選手の曽田雄志氏、旭山動物園園長の坂東元氏、㈱土屋ホールディングス代表取締役会長の土屋公三氏などが小・中学校で講演を行った。
講演を聞いた小学生は、「当たり前のことをしっかりできる人になりたい」「人は多くの生き物の命をいただいており、感謝の心が大切」などと話し、中学生は、「自分の夢と向き合って努力したい」「目標を目指してやり抜くことが大切」などと意気込んでいた。
道教委では、「本道になじみの深い著名人を講師に招くことで、子どもたちの心に響く教育を進めてほしい。子どもたちにとって、あらためて自分を見つめる機会になっている」と話している。
本年度の派遣校はつぎのとおり。
▽空知=岩見沢市立栗沢中、栗山町立栗山中、北竜町立北竜中、沼田町立沼田小、滝川市立開西中
▽石狩=江別市立対雁小、石狩市立石狩小、江別市立江別第三中、恵庭市立柏陽中
▽後志=小樽市立奥沢小、仁木町立仁木中、蘭越町立蘭越中、小樽市立朝里中、小樽市立銭函中
▽胆振=厚真町立厚真中央小、苫小牧市立豊川小、むかわ町立鵡川中、室蘭市立旭ヶ丘小
▽日高=えりも町立笛舞小、平取町立振内小、浦河町立浦河小、新ひだか町立静内第三中
▽渡島=鹿部町立鹿部中、函館市立八幡小、木古内町立木古内中、北斗市立谷川小、八雲町立熊石第一中、函館市立弥生小、七飯町立大沼中
▽桧山=せたな町立北桧山小、乙部町立乙部小、乙部町立乙部中
▽上川=富良野市立東小、南富良野町立南富良野小、名寄市立名寄小、富良野市立扇山小
▽留萌=留萌市立緑丘小、増毛町立増毛中、初山別村立初山別小、留萌市立潮静小
▽宗谷=稚内市立稚内中、稚内市立稚内港小、豊富町立豊富中、稚内市立稚内東小
▽オホーツク=西興部村立西興部小、網走市立第四中、大空町立東藻琴中
、小清水町立小清水小、清里町立清里中
▽十勝=帯広市立帯広小、帯広市立緑園中、大樹町立大樹小
▽釧路=釧路市立釧路小、釧路市立中央小、鶴居村立鶴居中、釧路市立景雲中
▽根室=標津町立川北中、中標津町立丸山小、別海町立別海中央中、根室市立啓雲中
◆道徳教育推進校や講師派遣校などの取組
▼乙部町立乙部中
学習指導要領の一部改正の趣旨を踏まえた年間指導計画を見直した。重点化する指導内容の検討および一部改正に基づく内容項目の修正。道徳の時間における発問を工夫し、導入・終末における『私たちの道徳』の効果的な活用、各教科等との関連の充実も図った。
各学年で道徳部会を設け、副担任も授業を実施する実践的な研修、生徒理解に基づく道徳教育の評価にかかわる研修などを進めた。
▼函館市立八幡小
全校児童や保護者を対象にフードディレクターの貫田桂一氏を招いた「子どもの心に響く道徳教育推進事業」講演会を実施した=写真=。
「おいしい食で成績を伸ばす」と題して、シェフの立場から道徳や食育に対する考えを伝えた。良いものを食べること、よく噛み締めること、おいしく食べることが「子どもが伸びる食べ方」とし、「食を通じて感謝する心や、生命の大切さを感じて」と呼びかけていた。
▼別海町立別海中央小
北海道遺産のうち、道東地域に広がる「格子状防風林」を教材化し、五年生の道徳の時間で取り上げた。児童は、防風林が宇宙からも見えるすごさに感動。導入と終末場面で『私たちの道徳』を使い、自分なりの「大切にしていきたいふるさと」を考え合った。
地域の歴史や先人の努力に思いをはせ、伝統や文化を受け継ぐ態度を養うことができた。
(道・道教委 2016-01-04付)
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