道いじめ調査委の提言受け　具体的な方策検討へ　知事、教育長、委員長が懇談

（道・道教委 2016-01-06付）

知事、教育長、いじめ調査委員長が意見交換した

　道いじめ調査委員会の間宮正幸委員長が昨年十二月二十五日、知事公館を訪れ、道立学校で発生した「いじめによる重大事態」にかかわる提言内容を説明するとともに、今後のいじめ防止等について、高橋はるみ知事、柴田達夫教育長と意見交換した＝写真＝。説明を受け、高橋知事は「しっかりと対応したい」、柴田教育長は「具体的な方策を検討したい」と述べた。

　一昨年、道立学校の生徒が、いじめが要因と思われる自殺未遂で負傷した事案が発生。道教委は、「北海道いじめの防止等に関する条例」に基づき、同事案の調査報告書をまとめ、昨年二月、知事に提出した。

　その後、調査委員会は、同事案の再調査の必要性について審議し、昨年十二月、「再調査の必要性はない」と回答。併せて、①重大事態発生時（初動）の対応②事実関係等調査時の対応③いじめ発生防止のために―の三つの柱からなる提言を行った。

　当日は、間宮委員長が高橋知事と柴田教育長に提言内容を説明した。

　「重大事態発生時の対応」については、「いじめを受けた児童生徒、保護者との信頼関係の構築を何よりも重視すべき」「児童生徒に加害行為をなした児童生徒、保護者に対し、十分に事後指導していく必要がある」と指摘した。「事実関係等調査時の対応」では、「当事者のケアに徹する形でスクールカウンセラーを派遣し、学校、教育委員会は、カウンセラー等が本来業務に専念できるように環境を整え、心のケアの継続性に努めていただきたい」と求めた。「いじめ発生防止のために」にかかわっては、「コミュニティの中で学校の再編成を行い、地域の人が学校運営に参加する仕組みをつくる」ことなどを提言した。

　説明を受けて、柴田教育長は「指摘の点について議論し、具体的な方策を組み立てることができるよう検討していきたい」と述べた。

　高橋知事は「指摘をいただいたのは、大変重いものがある。委員の皆さんの思いをかみしめながら、しっかりと対応したい」と述べるとともに、私学関係者にも提言内容を周知する考えを示した。

(道・道教委 2016-01-06付)