27年度道教育実践表彰受賞校・者の功績
(道・道教委 2016-01-22付)

道教育実践表彰・岩見沢市立南小
岩見沢市立南小学校

 道教委が決定した二十七年度道教育実践表彰(十八日付1面既報)の学校表彰受賞校、教職員表彰受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

【学校表彰】

▼岩見沢市立南小学校(三角光二校長)

 長年にわたり、「よく考え探求する子ども」「美しさに心を動かす子ども」「健康な体づくりにつとめる子ども」「認めあい励ましあう子ども」の育成を目指し、組織的な学校改善に取り組んでいる。

 特に、二十五年度から道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、学習規律やノート指導の徹底、家庭での学習習慣の確立に取り組むとともに、解き直したり、学び直したりする学習や、分かる・できる授業の創造に向けた校内研修の充実を図り、学校全体で授業改善を組織的に推進するなど、確かな学力の育成に大きな成果を上げている。

 また、地域人材を活用して教育活動の充実を図るとともに、学校評価の結果をはじめ、成果や課題を積極的に情報発信し、学校関係者が目的意識を共有して子どもを育てる教育環境づくりを進めるなど、学校と保護者、地域が一体となった取組を推進しており、その実践は高く評価されている。

▼小樽市立稲穂小学校(寺澤真校長)

 長年にわたり、「自ら考え、判断し、進んで行動できる子ども」の育成を目指し、「つなぐ」を学校経営のキーワードとして、全教職員の協働による学校づくりの推進に努めている。

 特に、二十五年度から道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、管理職のリーダーシップのもと、全校が一つのチームとなった包括的な学校改善を推進するとともに、近隣実践校と連携したテーマ別研修を実施するほか、初任者同士のネットワークや将来のスクールリーダーを継続的に輩出する仕組みを構築するなど、「学び続ける学校」の創造に大きな成果を上げている。

 また、校内に地域連携コーディネーターを配置し、地域人材を積極的に活用した創意ある教育活動を展開するとともに、地域連携型ホームページの開設や毎日のウェブサイトの更新を通して、情報発信に努めるなど、保護者や地域と連携した学校づくりに努め、その実践は高く評価されている。

▼北斗市立浜分小学校(工藤達也校長)

 長年にわたり、「かんがえる子、やりとげる子、なかよくする子、きたえる子」の育成を目指し、学校の教育課題を的確にとらえ、組織的・計画的に課題を解決する学校改善の推進に努めている。

 特に、二十三年度から校内に学力向上委員会を設置し、全国学力・学習状況調査やチャレンジテスト等の各種調査結果を分析し、明確になった課題を解決するための数値目標を設定するとともに、学校、家庭、地域、それぞれの役割を明確にして、放課後の学習サポートや家庭学習の習慣化を図る取組を進めるなど、学力向上に大きな成果を上げている。

 また、小中連携委員会を二十三年度に設立し、学力向上、生徒指導、特別支援教育に関するチームを設置して、小中合同の研修会や相互の授業公開、小学生と中学生の交流活動等に積極的に取り組むなど、小・中学校間の円滑な接続を図る教育環境づくりを進めており、その実践は高く評価されている。

▼名寄市立名寄小学校(赤松潤一校長)

 長年にわたり、「ひびき合い 輝く子」の育成を目指し、全教職員一丸となった学力の向上や教職員の資質・能力の向上などに取り組んでいる。

 特に、二十四年度から道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、「学校力向上部」が中心となり、学校力向上に向けて能動的に取り組む校内体制を確立し、全校で統一した学習規律や学習過程、ノート指導などの徹底を図るとともに、児童の主体的な学びを重視した授業改善を図るなど、学力向上に大きな成果を上げている。

 また、日常の授業改善に直結した校内研究や外部講師を活用した研修会を実施し、その成果を広く公開するなど、教師一人ひとりの使命感や専門性を高める取組を積極的に進めており、その実践は高く評価されている。

▼別海町立別海中央小学校(住吉幹城校長)

 長年にわたり、「よく考える子、あきらめない子、たくましい子」の育成を目指し、全教職員が一丸となり、家庭や地域と連携協力した開かれた学校づくりに取り組んでいる。

 特に、二十五年度から道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、発達の段階を踏まえた学習規律の確立や学習内容と関連させた家庭学習の習慣化を図るとともに、月ごとの「月例公開研究会」や「ミニ研修会(ブラッシュアップ講座)」を定期的に開催するなど、確かな学力の育成と教員の資質・能力の向上に大きな成果を上げている。

 また、中学校と連携を図り、算数科や外国語活動において、中学校教員による乗り入れ授業を行うとともに、長期休業中に、保護者や高校生、大学生を学習サポーターとした補充的な学習を実施するなど、地域総がかりで児童の生きる力を育む取組を推進しており、その実践は高く評価されている。

▼富良野市立富良野西中学校(松井清隆校長)

 長年にわたり、「明日を築くたくましい生徒」の育成を目指し、生徒の自主的・自律的な活動を積極的に取り入れ、人権尊重の意識を高める教育活動の推進に努めている。

 特に、生徒会が中心となって生徒一人ひとりのいじめ根絶の決意を校内に掲示する活動や、いじめをしない証となる「缶バッチ」を身に付ける活動など、全校を挙げて日常的にいじめを生まない学校づくりを進める「ZERO運動」を展開するなど、「笑顔あふれる学校づくり」を進め、生徒一人ひとりの豊かな心の育成に大きな成果を上げている。

 また、「子ども全道サミット」や富良野市「子ども未来づくりフォーラム」における他校との交流を通して、積極的に成果を発信し、取組に共感した学校が「ZERO運動」を推進するなど、全市の児童生徒の自主的・自律的な能力や態度を育む中核的な役割を担い、その実践は高く評価されている。

▼稚内市立稚内中学校(中尾忠校長)

 長年にわたり、「主体的に課題を見いだし、学びを深める生徒」の育成を目指し、地域の教育力を積極的に活用し、学校課題を着実に解決する信頼される学校づくりに取り組んでいる。

 特に、二十六年度から「土曜授業推進事業」の実践校として、保護者や地域住民を講師とした「合唱指導」「道徳の時間」の授業を実施するとともに、保護者アンケートを活用し土曜授業の改善を図るなど、地域の教育資源を活用した土曜授業に取り組み、生徒の学習意欲の向上および生活習慣の確立に大きな成果を上げている。

 また、生徒の主体的・協働的な学びを促す「稚中式学び合い授業」を開発し、全教科で推進するとともに、全校生徒が一堂に会してチャレンジテストに取り組む「てっぺん・どさん子学び合いカップ」を実施するなど、創意ある学力向上の取組を推進しており、その実践は高く評価されている。

▼大野農業高校(丸山博正校長)

 「農業科」「園芸科」「食品科学科」「生活科学科」の四つの学科を設置し、「正義・剛健・明朗」の校訓のもと、「地域農業の元気な担い手の育成」「生産物や加工物の販売会の実施」など、地域に開かれた特色ある学校づくりに努めている。

 特に、道教育大学附属特別支援学校の生徒とのジャガイモやトウモロコシの栽培を中心とした交流学習や特別支援学校での作業交流学習、大野小学校との水稲栽培を中心とした交流学習、大野幼稚園児とのジャガイモ栽培を中心とした交流学習、北斗市(旧大野町地区)の独居老人宅の訪問、中学生の一日体験入学など、異校種および高齢者との交流を推進している。

 さらに、「生徒も動く、教員も動く、攻めの進路指導」を進路指導の重点目標に掲げ、「三年間を見通した進路指導計画を立てること」「企業・学校・関係機関への訪問を積極的に行うこと」「企業を受験する際の面接に向けた練習を強化すること」などの実践を通じて、進路指導の充実を図った実践は高く評価されている。

▼帯広工業高校(福井誠校長)

 長年にわたり、社会に貢献できる人材の育成を目指し、管内唯一の工業高校として、「エアエンジンによる十勝鉄道(とてっぽ)の復元」や、「小・中学生を対象としたマイコンカー製作講習」を実施するなど、地域に開かれ、地域に根ざした教育活動の推進に努めている。

 特に、十勝川中流部における身近な自然環境を守り、自然と共生する技術者を育成するため、道開発局主催の「十勝川中流部川づくり事業」に土木科全生徒が参加し、河川環境の調査・研究や河川計画に取り組んだ成果を発表している。生徒が設計した内容が公共事業に生かされるなど、地域の環境保全に貢献する取組として大きな成果を上げている。

 また、近隣小・中学校や幼稚園等において、洋服ダンスや足置き台を寄贈したり、測量機器を活用したグラウンド整備の出前授業を行ったりするとともに、電気工事協同組合組合員を対象とした第二種電気工事士の資格取得講習会を開催するなど、その実践は、地域貢献として、高く評価されている。

【教職員表彰】

▼伊藤和代(東川町幼児センター園長)

 長年にわたり、幼児センターの施設責任者として、幼保一元化事業の推進に取り組み、東川町の幼児教育および乳幼児保育の充実に尽力するとともに、地域の教育資源を活用した体験活動を推進するなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、幼保一元化の取組においては、〇歳から五歳児までの一貫性・系統性のある教育保育課程や、三歳児以上を対象に、教育・保育の区分のない幼保共通の教育保育課程を編成するなど、子ども子育て支援制度における認定こども園の模範となっており、本道ならびに管内の幼児教育等の振興と推進に大きな成果を上げている。

 また、町内の小学校と連携を図り、地域の環境・人材等を活用した五歳児対象の体験活動事業「プレスクール」を取り入れるなど、同町における教育・保育事業の推進に向けて中核的な役割を果たすなど、その実践は高く評価されている。

▼井村友美(苫小牧市立日新小教諭)

 長年にわたり、小学校教諭として国語科や算数科の授業改善に積極的に取り組み、研修担当の中心として、勤務校の学力向上、教職員の研修体制の充実に貢献するとともに、ICT機器を活用した算数の実践や並行読書を取り入れたり、市立図書館と連携した国語の授業づくりに取り組んだりするなど、創意工夫ある教育活動を展開している。これらの成果を研究会での発表や、研究協議において提言するなど、広く情報を発信している。

 特に、二十五年度からは、その卓越した指導力を生かし、巡回指導教員として、市内若手教員に対して、単元の計画づくりや一単位時間内における指導の在り方等について、日常的にきめ細かな指導を行い、各教師の授業力向上に大きく貢献している。

 また、自らも模範授業を行うなどして、本務校や兼務校の教員の授業力向上にも尽力するとともに、市の学力向上推進委員の職も兼ね、研修講座の講師を務めるなど、苫小牧市学力向上推進資料の作成にも貢献してきた。

 二十七年度からは、苫小牧市学力向上推進チームの授業改善SV(スーパーバイザー)として、市内の各学校の研究実践および学力向上への指導的な立場として、活躍している。

 これらの実績は、同市はもとより、全道および管内の教育の振興と発展に大きな成果をもたらすとともに、その実践は高く評価されている。

▼櫻田和歌子(名寄市立名寄小教諭)

 長年にわたり、小学校および中学校の学習指導はもとより、子どもの学習への興味関心を高める指導方法等について研究するとともに、個々の教員が専門性を発揮し、学校がチームとして取り組むための協働体制の構築など、学校力の向上を目指した創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、校内では、学校力向上部の部長として、学習規律の確立に向けた指導を推進したり、各学年で身に付けさせたい学力を示した基礎学力保障表に基づく指導を工夫したりするなど、学力向上に向けた八つの方策「名チャレ∞」の取組を主導しており、本道ならびに管内の学校力向上の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、初任者研修拠点校指導教員や巡回指導教員を務めるなど、若手教員の育成や近隣校と連携を図った学校力向上の取組に関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいた研究成果の提言を行うなど、その実践は高く評価されている。

▼平田ゆみ(帯広市立豊成小主幹教諭)

 長年にわたり、小学校教諭としての教科教育の充実はもとより、国語科およびキャリア教育の実践研究に取り組み、実践的指導力を高めるとともに、自校はもとより管内の国語科教育およびキャリア教育の充実に大きく貢献している。

 特に、近年においては、国語科「話すこと・聞くこと領域」や「読む領域」の授業改善を進め、学校の研究部長として、単元を貫く言語活動を位置付けた単元の指導計画を作成するとともに、二十四年度第六十七回道国語教育研究大会十勝・帯広大会において、「話すこと・聞くこと領域」の授業を公開し、全道に優れた実践を発信するなど、管内における国語教育の充実に大きな成果を上げている。

 また、小学校段階におけるキャリア教育の充実を図るため、『キャリア教育の手引き』を作成し、文部科学大臣表彰キャリア教育優良学校を受賞するなど、キャリア教育における指導方法の工夫改善に向けた情報の発信に努め、その実践は高く評価されている。

▼福田由美子(釧路市立釧路小教諭)

 長年にわたり、小・中学校での教科指導はもとより、道徳教育推進教師として、校内の道徳教育の推進体制の整備に取り組み、すべての教育活動における道徳教育の充実に尽力するとともに、道徳の時間の授業づくりに関する校内研修を推進する中で、理論に基づいた実践を提示するなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、道道徳教育推進教師等研究協議会において、道道徳教育推進委員の代表として、『私たちの道徳』の効果的な活用について実践発表を行い、日常の道徳の時間の授業づくりにおいて、児童生徒の心に響く教材の開発や道徳的価値の自覚を深める発問を工夫するなど、児童生徒の道徳性を育む取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の道徳教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、釧路道徳教育研究会員はもとより、他管内の道徳教育推進教師と連携を図った道徳の時間の授業づくりに関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいた研究成果の提言を行うなど、その実践は高く評価されている。

▼小菅すみえ(江差町立江差北中教諭)

 長年にわたり、中学校の英語担当教諭として、生徒参加型の授業に取り組み、生徒が英語で自己表現し、楽しく学べる英語の授業の充実に尽力するとともに、教務主任として、教育課程の編成・実施を推進する中で、江差北小学校との小中一貫教育など、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、小中一貫教育において、小学校外国語活動への乗り入れ授業を実施したり、学びの連続性を踏まえた指導計画を工夫したりするなど、小学校の学級担任と連携を図った取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の小中連携、一貫教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、二十五年度小学校外国語活動基礎研修講座、二十六年度十年経験者研修の講師として、担任やALTと連携を図った効果的なチーム・ティーチングの在り方について指導助言を行うなど、英語教育の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいた提言を行うなど、その実践は高く評価されている。

▼駒場秀剛(倶知安町立倶知安中主幹教諭)

 長年にわたり、中学校教諭として、社会科指導における卓越した専門性を発揮し、指導内容や指導方法の工夫改善を図るとともに、後志社会科研究協議会の中心的存在として、近隣小・中学校の若手教員への助言を積極的に行うなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、二十五年度からは主幹教諭として、校長および教頭を助け、学級経営、学力向上、校内研究をはじめ、校務全般にわたり積極的に教職員に指導助言を行い、学校運営の中核的な役割を果たすなど、主幹教諭としての取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の小学校および中学校教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、二十二年度からは後志教育研修センターの研究部長として、学習指導および校内研修に関する研究をけん引するとともに、二十三年度からは道教育研究所連盟の共同研究推進委員長として、全道に多くの実践を提供するなど、その実践は高く評価されている。

▼小野博道(美唄尚栄高教諭)

 長年にわたり、工業科教諭として、個々の生徒に応じた教育活動の充実を目指し、高い専門性と情熱をもち、旺盛な研究心と確かな実践力によって優れた実績を残している。

 十七年度から指導に当たっているロボット部では、最先端の技術教育を実践する場として生徒の指導に当たり、他校の追従を許さない圧倒的な性能をもつロボットの研究開発を進め、同校と統合した美唄工業高校から数えて十一年連続で、全国大会に生徒を導いた。

 二十四年度からは美唄尚栄高校において、道教委の「専門高校Skill Upプロジェクト」研究指定校として、農村地区の抱える課題を解決すべく、「EVトラクターの研究開発」を指導し、地域関係機関との連携を深めた。道内初の工業科を有する総合学科高校における、工業教育の在り方や教育内容に一つの例を示した。

 また、理数離れが叫ばれている中、校内で地道に実践を積み上げ、地域の小・中学校のイベントには、校内で作製したロボット等を持ち込んだ体験授業を企画し、生徒とともに地域社会の教育活動に参加するなど、校内外における良き模範となっており、その実践は高く評価されている。

▼坂口真奈美(美唄尚栄高教諭)

 長年にわたり、高校の家庭科教諭として、生徒一人ひとりに寄り添い、教育現場に即した高い専門性と情熱をもって実践に努めている。

 特に、美唄市の名産物である鶏モツを活用する研究を指導し、二十六年、この研究から誕生した「とりモツカレー」は、市内温泉施設でグランドメニュー化され、新聞やテレビで取り上げられるなど、美唄市の食の活性化につながった。

 これらの経験で、生徒たちが生き生きと地域の生活改善に取り組み、地域で生きている実感を得た研究のまとめを指導し、二十六年度全道研究発表大会学校家庭クラブ部門で最優秀賞を受賞した。

 この受賞にとどまらず、さらに「鶏モツカレー」をより簡単に、いつでも、どこでも、誰もが食べることができる「レトルトカレー」として改良を加えた。

 この実践が再び評価され、北海道代表として参加した二十七年度全国高校家庭クラブ研究発表大会において、「全国家庭科教育協会」の四位を受賞するなど、その実践は高く評価されている。

▼藤森英哉(札幌東高教諭)

 長年にわたり、高校の英語科教諭として、生徒の実情に応じた効果的な指導の研究・実践に努め、特に、道教委主催の「第一回道英語教員アルバータ州立大学派遣事業」に参加以降、コミュニケーションを重視した英語教育について指導の充実に努めている。真摯に生徒に向き合い、生徒理解に基づく指導を通して人間形成を目指し、生徒や保護者との信頼関係を基盤とする学級経営に努める姿勢は他の教師の模範となっている。

 また、道高校ユネスコ事務局長を務め、発展途上国に対する支援活動や交流等を通して、高校における国際理解教育や国際交流の推進に大きく貢献するとともに、ボランティア部の指導においては、幅広い人脈を生かして、JICA、HIECC等の国際交流団体や区役所、地域の社会福祉団体等と連携し、多様な体験活動を通して生徒に数多くの豊かな学びをもたらしている。特に、外務省委託、日本ユネスコ協会連盟主催事業「カナダとの高校生交流事業」では様々な取組を推進し、派遣された生徒はもとより、全校生徒に対して国際理解の深化を促すなど、グローバル人材の育成に貢献した。

▼鈴木孝徳(市立函館高教諭)

 長年にわたり、高校の芸術科書道教諭として、教科教育および部活動において、教材や指導方法の研究に熱心に取り組み、周到な準備のもと、魅力ある授業づくりに努めるなど、生徒の学習意欲向上に向けた教育の充実に尽力するとともに、書写書道教育の充実と研究を推進する中で、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、部活動に関しては、道高校文化連盟書道専門部において、全国大会に十二回、十七人の生徒を指導して出場させ、指導者育成の観点からは道南地区のみならず、全道の顧問研究会を実施するなど、本道ならびに管内の書道教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、校内では環境保健部長として、保健室やスクールカウンセラーと連携を図った心の健康に関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、メンタルサポートチームの体制づくりと充実を図るなど、その実践は高く評価されている。

▼無量谷順子(稚内高教諭)

 長年、道内の看護教育の推進に尽力し、看護倫理やコミュニケーション能力、人権を尊重する態度などの豊かな人間性を身に付けた人材を育成するとともに、社会に貢献できる数多くの看護師を輩出した。

 看護科教諭として、分かりやすく興味を高める教材や指導方法を工夫するとともに、熱意あふれる授業を展開してきた。医療の高度化や少子高齢化に対応し、専門性の高い看護判断能力や安全管理技術、医療機器等に関する安全で確実な看護技術を有するなど、看護教育に対して優れた実践力を発揮している。また、生徒の確かな看護技術や知識を習得させるため、地域の病院や医療施設と連携を図り看護臨地実習に取り組んでいる。

 また、宗谷管内における看護職員確保地域推進会議に毎年参加し、稚内高校の修了生の動向や新人教育、国家試験状況等の情報提供を行い、地域医療の充実発展に寄与し、地域に根ざした積極的な取組は高く評価されている。

▼石田康幸(美幌高教諭)

 長年にわたり、農業科の教諭として、地域との交流を通じ、地域の人々、産業、文化などの教育資源を活用した農業教育の充実に尽力するとともに、関係機関や大学の連携を推進する中で、地域資源を活用した商品開発に取り組むなど創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、課題研究において、西洋ミツバチを用いた「和種ハッカ単蜂蜜」の採取や、「和種ハッカ」の新商品開発を行うなどして、オホーツクの地域資源である「和種ハッカ」の活用を図った取組は、他の農業教員の模範となっており、本道ならびに管内の農業教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、未来農業センター(美幌町)や酪農学園大学と連携を図って地域資源であるアスパラガスの栽培を行うとともに、地元企業と連携し、アスパラガスを活用した新商品の開発や美幌町特産物としてのPR活動に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼野坂武秀(音更高教諭)

 長年にわたり、十勝の書道教育のリーダーとして、管内書道関係教員の教科および部活動指導等における資質向上に努めるとともに、昭和五十九年度の十勝高校書道教育研究会設立時には、中心的な役割を担うなど、高校書道教育の充実・発展に尽力している。

 特に、小・中学校の書写指導において、十勝教育研修センター講座「書写基礎」や小学校での校内研修の講師として実践的な指導に取り組むほか、夏休みや冬休みに小・中学校の教員向けの実践講座を毎年開催し、教員の授業力向上に貢献するとともに、管内の小学校の出前授業では、児童に本物の書を体感させ、書道の楽しさを伝え、児童の学ぶ意欲を高めるなど、地域の書道教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、帯広市と姉妹都市のアラスカ州スワード市との文化交流事業にも参加協力の要請があり、スワード市において、書道のワークショップを開くとともに、帯広市が寄贈する壁画作成にもかかわるなど、その実践は高く評価されている。

▼鈴木祐二(釧路東高教諭)

 長年にわたり、高校の理科教育の充実・発展に向けた様々な取組の推進および生徒会活動を柱とするボランティア教育による、地域に根ざした教育活動の充実に努めており、地域のみならず、各種団体・機関から高い評価を受けている。

 理科教育においては、JICA主催青年海外協力隊の一員としてタンザニアに赴き、現地の子どもたちに生物を教えた経験を生かし、帰国後は、同校の理科教諭および自然科学部の顧問として、授業の工夫改善に取り組むとともに、理科関係の学会での同校生徒の研究発表など、多様な教育活動の推進に努めて成果を上げるなど、同校はもちろん、本道の高校の理科教育の充実・発展に貢献している。

 また、ボランティア教育においては、学校行事等の様々な機会を活用して、同校におけるボランティア活動の充実に積極的に取り組んでおり、同校生徒会における、これまでのボランティア活動にかかる取組が、二十五年度は道東北ブロック表彰を、二十六年度は全国表彰を、それぞれ受けるなど、その実践は高く評価されている。

▼森正人(北広島市立西の里小陽香分校教諭)

 長年にわたり、特別支援学校および特別支援学級担当教諭として、児童一人ひとりの障がいの程度に応じた「安心、自信、自由」を保障した教育課程・学習活動づくりに取り組んでいる。

 特に、児童一人ひとりの目標に応じ、様々な教科、領域および単元を関連付けした指導の中で、常に新しい成長の観点を探り出すなど、児童の自己有用感を育む教育活動を展開しながら、児童一人ひとりが自分の経験から自分を自分自身で育て、障がいや困難を自らの力で克服・改善していく力を育む教育活動を推進している。

 また、保護者や地域と連携した活動では、家庭や地域の教育力の向上を目指し、障がいの有無にかかわらず、子育ての不安や悩みの解消や適切なかかわり方について、ともに学習する機会の設定に努め、「ムーブメント遊び集団・虹の子」「ムーブメント・スマイル」「北広島市立大曲東小学校PTA子育てサークル」「スマイル交流会」を保護者・地域とともに立ち上げ、学校外において地域人材を活用した交流会、学習会、サマースクール等を開催するなど、地域におけるネットワークづくりを進めるとともに、障がいのある児童生徒の居場所づくりを進めるなど、地域の教育の充実・振興に大きく貢献しており、これらの取組は他の模範となっており、同市はもとより、本道ならびに管内の特別支援教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

▼鴻江康人(拓北養護教諭)

 二十五年から二十六年までの二年間、寮務主任、総務部を担当した。

 寄宿舎指導員との打ち合わせ、会議、研修等を通して、学校全体、また、道内の特別支援教育全体の状況を伝えてきた。きめ細かな情報の伝達によって、学級担任、学部の教員と寄宿舎指導員相互が、円滑な連携を図ることができるよう調整に努めるとともに、寄宿舎生の健康面での緊急時にも即応するなど、責任をもって職務を遂行した。

 また、学校を総括する総務部に所属し、学部主事とも連携を図りながら、学校全体の課題解決に取り組み、特に、校内諸規定の改訂に着手し、規定、文書様式などの変更を行ってきたことは特筆に値する。

 校内の授業では、主に高等部の英語科を担当し、ALTと連携を図った実践や英語を楽しく身近に感じることができる授業展開を工夫してきた。

 校外においては、道教育大学札幌校の講義を担当しており、今後、特別支援学校の教師を志望する大学生に、特別支援教育および肢体不自由教育の基礎、専門性について講義するなど、特別支援教育の知見を地域に発信する取組を行ってきた。

 本年度は、教務主任として、高等部を中心に各教科、指導内容、時数などに配慮しながら、授業全体を管理するとともに、学級担任・教科担当の学習評価についても適切な指導・助言をするなど、的確な業務遂行は他の模範となっており、高く評価されている。

▼柴田和佳(平取養護教諭)

 長年にわたり、知的障がい、病弱、肢体不自由の特別支援学校の教諭として、在宅、施設、病院での訪問教育に取り組み、リハビリテーションを通した特別支援教育の充実に尽力してきた。

 特に、児童生徒の自立活動における運動・動作、コミュニケーションなどの分野の指導において、日本リハビリテーション心理学会認定スーパーバイザーの資格を有し、北海道の第一人者として、児童生徒の動作や姿勢の改善・向上を図りながら、多くの後輩教師を育ててきており、本道の特別支援教育の充実に大きな成果を上げている。

 また、十五年からは、道リハビリテーション研究協議会の事務局長を務め、幼児から四十歳代の障がい者たちのリハビリテーションを行うなど、教師、福祉施設職員および保護者などに対して、豊富な経験に基づいた指導助言を行うなど、その実践は高く評価されている。

▼森田剛(帯広養護教諭)

 長年にわたり、特別支援教育コーディネーターや管内専門家チーム委員として、相談業務に携わり、教育相談支援・センター的機能の充実を図るなど、特別支援教育の充実に大きく貢献している。

 特に、近年においては、特別支援教育パートナーティーチャー派遣事業において、特別支援教育に関する教育相談を継続的に実施するとともに、障がいのある児童生徒への理解の在り方や指導方法の工夫改善について、具体的な資料を提示し助言するなど、管内における特別支援教育の充実に大きな成果を上げている。

 また、十勝特別支援教育推進ネットワーク協議会において、地域における特別支援教育のネットワークづくりを推進し、関係機関との連携を図った組織的な支援体制の構築や研修会の開催に努めるなど、その実践は高く評価されている。

▼中條淳也(北斗市立上磯中教諭)

 長年にわたり、中学校教諭として数学の学習指導はもとより、吹奏楽の指導者として優れた指導力を発揮し、知・徳・体の調和のとれた教育活動の充実に努めた。

 特に、吹奏楽指導においては、全道、全国から音楽家や指導者を招へいし、生徒の意欲と芸術性を高めるとともに、自らの指導力の向上に努めた。また、自律した集団づくりを目指し、意識改革と自己指導力の向上に努め、百人を超す部員をまとめ、音楽性の高い集団に育て上げた取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の吹奏楽指導のけん引者となっている。

 また、現任校において、二十五年度に全日本学校吹奏楽大会で金賞、二十六年度日本管楽合奏コンテストで最優秀賞に輝き、本年度も、全日本学校吹奏楽大会への出場が決まっている。前任校においても、二十三年度、二十四年度と二年連続で、東日本学校吹奏楽大会において金賞を受賞するなどの優秀な成績を収めた。

 さらに、保護者、地域への感謝の気持ちを大切にし、北斗市や函館市の音楽行事やイベントに積極的に参加し、地域に根ざした活動も高く評価されている。

▼祐川亮(留萌高教諭)

 長年にわたり、高校の保健体育科教諭として、基礎基本の確実な定着を図るとともに、生徒の体力向上に取り組んでいる。また、生徒が主体となったグループワークを活用し、生徒の関心意欲を高め、協働的に学ぶ授業づくりに精力的に取り組み、豊かな心と健やかな体を育む教育活動に尽力している。

 同校において、これまで三度の担任、うち、二度は学年主任を務め、生徒理解に基づいた生徒指導によって、生徒の自己指導能力の向上と社会性の育成を図り、生徒の自己実現を支援するとともに、三年間、総務部長として校務運営の中核を担い、積極的に業務の改善に取り組んでいる。

 特に、教育活動の改善に資する学校評価のシステムを新たに構築するなど、職員の学校運営参画意識を高めており、豊富な経験に基づく卓越した実践力は管理職をはじめ、学校内外からも高く評価されている。

 また、スキー部顧問としても優れた指導力を発揮し、技術指導に加え、精神面の強化トレーニングにも取り組み、全道大会や全国大会等の各種大会で優勝者や上位入賞者を輩出している。特に、体幹強化トレーニング等の活用を図った競技スキルの向上を図る取組は他の模範となっており、本道ならびに管内のスポーツ振興に大きな成果を上げ、地域から信頼を得ている。

 また、道高校体育連盟スキー専門部の委員長として、競技力の向上や普及活動に尽力している。

▼山内宣明(遠軽高教諭)

 長年にわたり、高校の保健体育科教諭としての指導の充実はもとより、ラグビーフットボール部顧問として、部活動において、ボランティア活動に取り組み、生徒の豊かな心の育成に尽力するとともに、地域の子どもたちにラグビー、フットボールの指導を通じて、健やかな体の育成に貢献するなど、地域に根ざした教育活動を展開している。

 特に、部活動において、二十年度から湧別川の河川の清掃活動、二十四年度から遠軽町の「河川敷せせらぎ公園」の清掃活動などのボランティア活動に取り組むなど、部活動の生徒に地域における人間関係の大切さを理解させたり、社会性を身に付けさせたりするなど、豊かな心の育成を図る取組は他の模範となっており、本道ならびに管内の、地域に根ざした教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、遠軽町および遠軽町教委と連携を図った少年団スポーツに関する指導の充実に中核的な役割を果たすとともに、豊富な経験に基づいたスポーツ指導およびスポーツ振興に貢献するなど、その実践は高く評価されている。

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(道・道教委 2016-01-22付)

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