札幌市立高校教育改革検討会第１回会議　方針策定へ意見交わす　現状や課題など情報共有

（市町村 2016-02-01付）

　札幌市立高校教育改革検討会は一月二十八日、札幌市役所で第一回会議を開催した。学識経験者や保護者、学校関係者などで構成する委員などが参加。教育改革方針の策定に向け、現状や課題など情報を共有したほか、市立高校の果たす役割について意見を交換した。

　市教委では、十五年三月に札幌市立高校学校教育改革推進計画を策定。今後十年間のビジョンや市立高校の基本的な方向性を示したが、策定から十年以上が経過し、グローバル化など社会の状況が変化している中で今日的な課題に対応した方針が必要となっていた。

　このため、同検討会を発足させ、市立高校の在り方や教育内容を示す札幌市立高校教育改革方針を策定するための意見交換を行うこととした。

　会の冒頭、長岡豊彦教育長があいさつ。少子化やグローバル化の進展などの社会情勢にふれ、「学校では子どもたちが将来の予測が困難な社会で生き抜くための資質や能力を身に付けさせるための教育が重要」と述べ、「今後十年間を見据えた市立高校の在り方を示す教育改革方針策定に向け、力添えを」と話した。

　続いて、市教委の仙波晴彦教育推進課長が教育改革方針の概要と策定に向けた協議の進め方について説明。今後十年間程度の基本理念を示す「（仮称）市立高校教育改革ビジョン」や概ね五年間で取り組む具体的施策を示した「（仮称）市立高校教育改革実行プラン第一期・第二期」で構成される札幌市立高校教育改革方針を策定していくほか、二十九年三月に教育改革ビジョンや第一期実行プランを公表するなど具体的なスケジュールも示した。

　また、検討における視点として、①生徒一人ひとりの個性や能力、興味・関心、進路希望等に応える教育活動の展開②大学や地域などと連携した、生徒の学習意欲などを引き出す多様な学習機会の提供③教育課程の改善を含め、教員の実践的指導力の向上④学校を支援する仕組みの構築による、学校運営力の向上⑤少子高齢化社会において求められる学校の在り方―の五点を挙げた。

　このあと、中卒者数の推移と今後の動向、各校の取組を紹介。課題解決に向けて市立高校の役割などについて意見を交換した。

　第二回会議は三月中を予定。今後は五～六回程度会議を開催し、二十九年三月にも十年間の教育改革ビジョンと第一期実行プランを公表する。

(市町村 2016-02-01付)