道教委が旭川で「がんの教育」研修会 理解深めて正しい指導を 講義や実践発表などで確認(道・道教委 2016-02-01付)
がん教育の充実に向けて研鑚を積んだ
【旭川発】道教委は一月二十七日、旭川市ときわ市民ホールで「がんの教育」研修会を実施した=写真=。道内唯一の開催で、上川、空知管内などから学校関係者、保護者、行政職員など五十七人が参加。学校におけるがん教育の現状や課題について理解を深め、がん教育の充実に向けて研鑚を積んだ。
研修会は、近年、がんが日本人の死亡原因の一位であり、子どもたちへの教育が求められていることから、学校におけるがん教育の充実のため実施。今回、道内で唯一の開催となっている。
はじめに、独立行政法人国立病院機構道がんセンターの近藤啓史院長が「がんの理解とその対応」と題して講義。がんの症状、検診、原因などを説明し、早期発見と適切な治療の大切さを呼びかけた。
つぎに、がんの経験を伝える活動を進めるNPO法人キャンサーサポート北海道の辻栄麻希氏が講話した。
続いて、道教育大学札幌校の渡部基教授が「学校保健教育における〝がん〟の取扱い方」について講義した。がん教育において、「がんの予防・早期発見・検診について正しい知識を身に付け、適切な対処を理解すること」「がんの学習を通し、命の大切さについて考える態度を育成する」の二点を最低限指導するよう求めた。
指導に当たっては、家族にがん患者がいる児童生徒や家族をがんで亡くした児童生徒、既往歴のある児童生徒に配慮するよう注意喚起した。また、「小児がんなど、生活習慣の乱れが原因とならないがんもあることに気を付けてほしい」とし、「児童生徒が内容をしっかりと受け止め理解を深めることができるよう取組を進めてもらえれば」と述べた。
次いで、天塩高校の山﨑進教諭が前年度と本年度の同校の実践を発表した。一・二年生は保健、三年生は健康行事の時間を活用し、グループワークなどの授業二時間と外部講師による講演一時間の三コマを確保した。本年度は、講演会を一時間目に設定し、授業は講演内容を振り返る構成としたことを紹介。このほか、校内研修会でがん教育を取り上げ、教職員の共通理解を図ったことを説明した。
事前・事後のアンケート調査結果を示し、命の大切さや自己の在り方を考える機会となったことを報告。一方で、課題として、授業時数の確保と授業のねらいの明確化や、他教科との連携を挙げた。
このあと、渡部教授の助言のもと、がん教育の推進について参加者十グループに分かれて意見交換した。
(道・道教委 2016-02-01付)
その他の記事( 道・道教委)
十勝局が道徳教科化へ研修実施 演習等で教育の質向上を
【帯広発】十勝教育局は一月中・下旬に二日間の日程で、「教育局道徳教育事業」を開催した。十勝教育研修センターに二日間合わせて約百三十人が参集。参加者は道徳の教科化に向けた演習・協議を通して、...(2016-02-02) 全て読む
道スポーツ推進審議会が第2回会合 次年度の方向性など確認 道独自の体力向上強調月間設定へ
道スポーツ推進審議会の第二回会合が一月二十九日、札幌市内かでる2・7で開かれた=写真=。協議事項では二十七年度のスポーツ振興関連施策や次年度以降の方向性を確認。また、二十八年度から、子ども...(2016-02-02) 全て読む
道教委第2回体力向上サポーターズネットワーク会議 実践研究指定校の成果・課題など共有
道教委は一月二十八日、札幌市内の道第二水産ビルで二十七年度体力向上パートナーシップ形成事業「第二回道体力向上サポーターズネットワーク会議」を開催した=写真=。実践研究指定校で取り組んだ運動...(2016-02-02) 全て読む
中1ギャップ問題未然防止で道教委が新年度 新たに教員1人加配へ 推進校5校に拡充し連携体制整備
道教委は二十八年度から、「中一ギャップ問題未然防止事業」における推進校の中学校に、教員一人を加配する方針を固めた。生徒指導に関する校内研究体制を整えるとともに、小・中学校の円滑な接続、域内...(2016-02-02) 全て読む
ネイパル足寄が遊スポくらぶ・冬 寒さ忘れ笑顔はじける 運動習慣定着へ20人参加
【帯広発】ネイパル足寄は、一月十六日から一泊二日の日程で同所を会場に「ネイパル遊スポくらぶ・冬」を実施した。管内から小学生二十人が参加。参加者は、スノーラフティングやフロアカーリングなど様...(2016-02-01) 全て読む
3校1団体が栄に浴す 石狩教育局の本年度管内教育実践奨励表彰受賞者
石狩教育局は、本年度の管内教育実践奨励表彰の受賞者を決定した。学校教育部門では、江別市立江別第三中学校、千歳市立勇舞中学校、白樺高等養護学校の三校。社会教育部門では、石狩市の伝承遊びボラン...(2016-02-01) 全て読む
職員団体との賃金等継続・教育予算交渉―道教委 行政職と同様の取組を 時間外勤務等縮減で教育長
道教委と各職員団体との賃金等継続交渉、教育予算交渉が二十七日に順次行われた。柴田達夫教育長は、教育職員の時間外勤務等縮減について、「道職員の子育て支援行動計画」の考えを踏まえ、「行政職員と...(2016-01-29) 全て読む
上川局が初の「冬休み!家族団らんデー」 規則正しい生活習慣を 親子で工作や雪遊び楽しむ
【旭川発】上川教育局は九日、上川合同庁舎で「冬休み!家族団らんデー」を実施した=写真=。上川総合振興局および上川教育局職員等の子どもおよび保護者の計十二人が参加。紙芝居や生活リズムチェック...(2016-01-28) 全て読む
28年度公立高入選の当初出願状況―道教委 3万6875人が出願 倍率1・5倍超は17校20学科
道教委は二十七日、二十八年度公立高校入学者選抜の当初出願状況を発表した。全日制・定時制を合わせた募集人員(有朋を除く)三万六千九百九十人に対し、三万六千八百七十五人が出願。全・定合わせた平...(2016-01-28) 全て読む
文科省「教職員の人事行政状況調査」 希望降任制度、道内19人で過去最多 指導力不足は7人認定
全国の公立小・中・高校で、二十六年度に校長や副校長・教頭、主幹教諭の管理職が一般教諭などへ自主的に降格する「希望降任制度」を利用したのは二百八十一人と過去最高となったことが、文部科学省の「...(2016-01-28) 全て読む